60代の私が40代の私に伝えたいこと

社内の人事改革を行いました。複数の40代の社員達が役職に就くなど、組織の若返りができたように思います。

そこで今回のブログは、今60代の私が、40代の頃の私自身に伝えたいことを書いてみようと思います。

もっと若い時に知りたかったな・・・と私が思った事柄です。

タイムマシーンに乗って過去に戻って40代の私に伝えることは叶いませんが、これから成長していく社員達の未来の一助になれば幸いです。

 

■積極的に色んな場所に出かけて、多種多様な人達と出会え

当時の私は自分と同じカテゴリーの人としか付き合っていませんでした。話が合わない人と付き合うのは苦痛で、それきりにしていました。それどころか勝手な先入観を持って相手を見て、避けてしまうようなこともありました。

けれどもある出会いで、自分と環境や考え方が違う相手ほど、学びが多いということを知りました。相手の考え方や違う世界を知ることで、自分の世界もまた広がったような感覚がありました。

忙しさを言い訳にせず、体力のあった若い時に無理をしてでも、もっと積極的に人付き合いをすれば良かったと感じています。

 

見落としがち!年下の人脈を作れ

私は20代で経営者になった為、周りの経営者は年上ばかりでした。

多くの諸先輩方に何度も助けられながら、これまでやって来ました。だからなのか、なぜか50歳を過ぎても自分のことを「若手経営者」だと思い込んでいました。

しかしある時、遅ればせながら、とある事に気付いてゾッとしました。

気付いたキッカケは、仲良くしていた年上の方が役職から引退された後、その会社からの受注の回数が突然減ったのです。

年上の方達は自分よりも先に引退するという事を忘れて、年上の重役の方達とのお付き合いにウエイトを置いていました。

私の40代はアッと言う間に過ぎ去り、50代はその倍の早さで過ぎ、気が付けば自分がその場で一番最年長という場面も多くなってきました。

時が経つのは年々、想像以上に早いです。

今40代の皆様も、アッと言う間にやって来る10年後の自分のためにも、年下を目に掛け応援し、年上だけでなく年下との人脈も作ることをお勧めします。

 

情報は不可欠! 情報感度を高めよ

企業の経営資源を構成する要素は「人・モノ・金」と言われていましたが、いつの頃からか、この要素に「情報」が付け加えられるようになりました。

しかし当時の私は、自分の仕事が社会全体の動きと連動しているという感覚が薄く、恥ずかしながら「情報」についてはあまり意識していませんでした。

40代の私が見えていた社会は狭く、自分がいる業界=社会のような感覚でした。

しかし近年とくに感じることですが、グローバル化とインターネットの発達によって、情報が瞬く間に広まり、地球規模の共通意識が生まれたりします。

例えば、SDGsの普及はその典型例と言えます。(現在トランプの影響で逆回転の動きがありますが・・・)

企業の価値を測る新しい評価項目になっている側面もありますし、新商品や新企画を考える時、SDGsという世界的な共通目標があると、これから世界が進んで行く大きな方向性というか潮流が見えるので、かえってやりやすいと感じたのが第一印象です。

SDGsに関しては、田舎の中小企業にしては早めに取り組むことができたので、内閣府からメールが届き、官民連携のプラットフォームへの参加を進めていただけました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>

今後ますます、インターネットを通じて、次々と価値観や情報が共有され、潮流が生まれ、大企業も中小零細企業も個人も世界規模で連携するような時代になります。

またグローバル化が進むことにより、私たちの生活や仕事は、どこかの国の戦争や政策の影響を更に受けやすくなります。

取り残されない為には情報感度を高めることが大切です。

まずは日経新聞を読むことからスタートしてみてください。40代の皆さんの、どのタイミングで家を買おうかな?それとも買わない方がいいのかな?住宅ローン金利は上がるかな?今後どんなスキルを身につけようかな?インフレはどうなるかな?今後の景気は?など身近なことを考える時の助けにもなるでしょう。

 

大きな目標を達成する手段はコレ

40代の皆さんの大きな目標は何でしょうか?たとえば出世したい。大きな買い物をしたい。子供を大学にいかせたい。お金持ちになりたいとか独立したいとか? 

私の40代の頃の目標は「会社をもっと成長させたい」でした。でも何をしたら良いのか分かりません。ですからさまざまな商品を次々に開発し、全く売れずに終わったことも数え切れません。今思えば、社会が求めているものではなく自己満足の商品を作っていたのです。

また自分自身の持っている知識の延長線上で商品開発をすれば良いのに、突飛な商品を開発したりしました。もちろん売れません。

また「手段」と「目的」が逆になってしまい、「会社の成長」ではなく「ヒット商品の開発」が目標になってしまった時期もありました。(余談ですが、手段と目的が逆になってしまう現象は、非常に多く発生します。これは最悪なので、定期的に目的を振り返ってみてください。関連ブログ:手段を目的と勘違いしてはいけない>>

 

近年になって、ようやく分かったことがあります。

大きな目標を達成するためには、一足飛びを求めず、目の前のできることからコツコツ真面目にやっていくことが一番の近道なのです。目の前の課題を、毎日少しずつでも良いからアップデートし続ける。このアップデートを諦めず気が遠くなるまで繰り返すことです。

ちなみに「諦めず気が遠くなるまで繰り返す」は私の座右の銘です。そして13年前にこのブログを開始した一番初めに、このことについて書きました。(関連ブログ:諦めず気が遠くなるまで繰り返す>>)。それぐらい重要だということです。

もう一度書きます。

大きな目標を達成する手段は、

「目の前の課題を、毎日少しずつでも良いからアップデートし続ける」×「それを諦めず気が遠くなるまで繰り返す」

 

受注でいえば、若い頃の私は、大口の仕事のためには東奔西走しましたが、小口の仕事は、手間が多くあまり儲けも出ないので気が進まないなと思っていた時期もありました。

それよりも一足飛びにヒット商品を生み出したいと考えていました。

小口の仕事も大きな意味を持っていることに気付いていなかったのです。

小口の仕事が積み重なることで、信頼を築き、将来的に大きなビジネスチャンスにつながること、そして一方で、小口の仕事を軽視してしまうと、お客様との関係が損なわれるリスクがあることに当時は気付いていませんでした。

このような失敗から、目の前のできることからコツコツ真面目に取り組んでいくことが最善の方法であるということを学びました。

 

まだもう少し書きたいことがありますが、長くなってしまったので今回はこの辺りで終わりにしましょう。