【2030年】
先日、電動歯ブラシを買いました。5年保証でしたので保証期間が2030年の1月なのです。
それまで2030年と聞くと、「まだ先の未来」という印象でしたが、保証書を見た瞬間「すぐそこの将来」なんだと一気に現実感を持ちました。
その2030年には日本の人口の約3分の1が65歳以上の高齢者になると推定されています。現在でも人手不足が叫ばれていますが、2030年には少子高齢化による人口減少や労働人口の減少が更に深刻なものになると予想されています。購買力のある消費者層が縮小するため、需要の低下から国内市場規模の縮小も予想されています。
【50年後・100年後】
厚生労働省の推計によると、日本の総人口は50年後に約8,700万人、100年後には中位推計で4,900万人になるとされています。
しかしこの数字は年金など社会保障の観点から計算されているため政治も絡み、かなり現実離れしている甘い仮定に基づいて出されている数値だそうです。
人口問題の第一人者である「人口減少対策総合研究所」理事長 河合雅司氏によると、直近5年間の出生数は毎年4.54%ずつ減少。このペースで減り続ければ、日本人人口は50年でなんと半減、100年後に1500万人という衝撃的な数字を出されています。
外国人の活用の是非が問われていますが、そんな対策では全く追いつかないほど日本人は激減して行く予測です。
インバウンド向けや輸出事業を行っている企業以外は、これからどんどん消費者が減って行きます。もちろん働き手も減ります。
そこで提唱されているのが「縮んで勝つ」「戦略的縮小」なのです。
【戦略的縮小】
このキーワードを目にした時、私は気分が高揚し、そして満足感を覚えました。というのも昨年一年間をかけて取り組んでいたこと、そしてこれから先、私が行っていこうとしている事に名前が与えられたような思いがしたからです。
昨年のブログにも書いたように、事業部の統廃合、不採算製品の製造中止、製品ラインナップの整理、利益率の高い商品の強化、そして新たに導入した機械設備と従来の設備を組み合すことによる新製品の開発・効率化など予定していたものは昨年中に全てやり終えました。
これから行っていく事は、従業員一人あたりの利益の拡大です。つまり生産性の向上。
これまで私も含め経営者は、売上やシェアを伸ばすことを意識していたと思います。しかしこれは、人口が拡大していく社会での考え方。
消費者も働き手も減っていく社会では、従業員一人あたりの利益を拡大していくことが重要。
現在、大手企業、しかも黒字企業の構造改革による大量リストラがニュースでも毎日のように取り上げられていますが、その一方、人手不足倒産は調査を開始した2013年以降の過去最多を、2年連続で大幅に更新したそうです。
少ない人数でも生産力を維持できる企業になるため、繊維事業部については設備投資を行い、生産効率が大幅に向上しました。(詳しくはこちら>>)
そして今取り組んでいるのが本社の経理業務のDX化です。
すでにDX化を進めていたつもりでいたのですが、「丸竹さんのソフトは平成の最新鋭で、令和から見たらもう古い」というようなご指摘を受けたため、それならばと、どこの会社のものを導入するか現在見積もりを取って検討している最中です。
シニア事業についてはDX化は難しい業界だと言われています。確かに介護ロボットのようなものはまだ現実的ではないですが、事務作業をDX化し効率化することで、それ以外のことに時間を使えるようになります。シニア事業部については現在最新のソフトを導入していますが、何年か先にはもっと良いソフトが出てくるでしょう。その投資はしていこうと考えています。
DX化と聞くと中小企業の身の丈には合っていないような感覚を持つかたも少なくないかもしれませんが、人手を集めるのが難しい中小企業こそDX化を進めなければと思います。
5月のブログでは経費削減の取組みについて書きました。(詳しくはこちら>>)
トヨタの「改善後は、改善前」という言葉のように、経費削減の改善後も無駄が発生していないか永続的に改善を続けていくつもりです。
そして労働人口減少社会に向けて、これから進めていこうとしているのが「業務のスリム化」です。
DX化で効率を上げるのはもちろんのこと、慣例的に行っているだけの書類作成や会議や仕事を削減して行こうと思います。その業務は本当に必要なのか?もっと効率良くする方法はないのか?その回数必要なのか?等を見直していきます。
先般の衆議院選挙の折に公約の中で、最低賃金を2020年代に時給@1,500―/hにするとありました。
中小企業への最新のアンケートでは最多は、「不可能」の48.4%で、約5割の企業が最低賃金1,500円への対応が困難と回答したそうです。しかし私は「戦略的縮小」で、合理化を進め、経費の無駄の削減、業務のスリム化、利益率の高い商品の強化などによって、最低賃金1,500円への対応を可能にしたいと考えています。
また社内の評価制度や勤務体制の見直しを図り、公正で「損している気分にさせない」透明性のある評価制度を導入し、社員の努力や成果を評価し、給料に反映していきたいと考えています。
会社が成り立つのは、働いてくれる社員のおかげです。ですから、頑張ってくれる社員一人一人を大切にしたいと考えています。そして会社が成り立つ為には、商品やサービスを購入してくださるお客様の満足があってこそですので、社員と共に精一杯力を尽くしてまいります。
本年も皆様方のご指導・ご厚情を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。皆様方のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げる次第であります。