ー2024年ー
2024年
12月
26日
木
訃報と中間報告
【訃報】
弊社の西村専務取締役が病気療養中のところ、今月、急性肺炎にて急逝いたしました。
あまりに突然で、未だに実感が湧きません。
「丸竹に来ないか?」とスカウトした時には、一瞬の逡巡も見せず二つ返事で私の期待に応えてくれました。咄嗟の決心をしてくれたのでしょう。
数年後、「一緒に働いてみてどんな感想?」と私が尋ねると「社長は想像どおりの人だった」と笑ってくれたのが、なんだか嬉しかった記憶です。
猪突猛進で無鉄砲なタイプの私とは真逆の性質で、慎重さがあり計画性があり細かいところにまで気づける能力の持ち主で、それが私にとって非常に有難い存在でした。専務の細やかな配慮と徹底した確認作業のおかげで、私は安心して会社を前に進めることができました。
私には気づけないことに気づき、私にはできないやり方で、会社と社員達を支えてくれました。
当社が異業種のシニア事業に新規参入した時も、短い期間で猛勉強をして知識を身に付けて大いに助けてくれました。
西村専務、今まで本当にありがとう。専務と一緒に仕事ができて私は幸運でした。
西村専務の訃報をここにお知らせ申し上げますとともに、生前中皆様から賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げます
【中間報告】
今年四月には当ブログ「再スタートの春>>」で、一年かけて準備した繊維再生事業部がいよいよ本格的にスタートを切ったことを書きました。
五月には「第三の創業>>」の記事の中で、経費削減の取組みについて書きました。
企業の年末(年度末)は12月ではなく3月ですので、まだ通過点ですが、今年最後のブログは中間報告の記事を書こうと思います。
(1)まず新規事業の繊維再生事業についてですが、リサイクル繊維や反毛の存在は、まだまだ世間に浸透しているとは言い難い段階です。
しかしPR活動(プレスリリースの配信、企業向け情報誌での広告、イベント出店、HP等)に依りまして、さまざまな業界の環境意識が高い企業様よりお問い合わせを連日賜り、有難いことに宿題が山積している状態です。
大量生産・大量消費・大量廃棄の時代に代わり、社会はサーキュラーエコノミー(循環経済)へ移行しようとしています。
多くの企業が暗中模索しながら資源循環に取り組まれています。
当社も自社の繊維再生の技術を最大限に社会に生かせる方法を日々探索しています。
「既存の事業の強化」と「新規事業の市場の開発」の両利きの経営で持続的成長を目指してまいります。
(2)利益体質への転換についてですが、事業部の統廃合、不採算製品の製造中止、製品ラインナップの整理、利益率の高い商品の強化、設備投資による生産効率の向上、そして新たに導入した機械設備と従来の設備を組み合すことによる新製品の開発など予定していたものは全てやり終えました。
当社の主力商品は今から3月末までが本番ですので、期待しながら推移を見守っているところです。
また、一部修正も有るとは思いますが、新年度の計画も固まりつつあります。
ただ世界情勢がますます不安定化していますので、朝令暮改と批判されるのを物ともせず、世界情勢と市場の動向を考慮し、その時々の社内外の課題に応じて、必要があれば計画を柔軟に変更するつもりです。
(3)「第三の創業>>」で書いた経費の削減についてですが、1円単位での経費の大削減を行いました。
当社に関わってくださる各社の皆様と社員の協力により、想定以上の成果を得ることができました。
(4)人事についてですが、10月より「最適で効率を追求した人事」を目標に、聖域を設けず無理を承知で批判を恐れず推し進めている最中です。
大変ありがたく心強いのが、当社はオールラウンダーが複数いることです。彼ら彼女らは事業部の垣根を越えて、幅広い仕事をこなす「どのポジションでもプレーできる選手」です。
ビジネス環境の複雑性が増大する中で、想定外のことが起きたり、将来の予測が困難だったりする不確実な時代ですので、こういう存在は頼もしいです。
人事が落ち着くのは来年度初頭くらいでしょうか。今しばらくの時間が必要です。
以上が取り急ぎの中間報告となります。
座右の銘である「諦めず気が遠くなるまで繰り返す」をはじめ、社是である「己に克ちて未来を拓く」そして「たえず見直す」を常に忘れることなく邁進する覚悟でございます。
本年も多くのご支援を賜り、誠にありがとうございました。
来年も引き続き、皆様と共に成長し、さらなる飛躍を目指してまいります。
新しい年が皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
2024年
11月
28日
木
情報の読み方。真実は1つではない。
世間の関心を引くため、複雑な出来事でも単純化して、「正義VS悪」の二項対立にしてしまうニュースや情報が多いように感じます。
例を挙げると、「知事 VS 既得権益を得ている人達」「SNS VS マスコミ」「ウクライナ VS ロシア」「イスラエル VS パレスチナ」「アメリカ VS 中国」など。
それぞれの情報がどのような意図で作られ、どのような背景を持った人が発信しているのか、情報に対しては常に批判的な視点を持ち合わせながら、様々な角度から考慮する必要があると感じます。
といっても情報洪水時代の今、他者の思惑にコントロールされないようにするのも、なかなか難しいものです。
しかし、以下の2つを認識しておくだけでも情報の読み方が変わります。
以下の2つは、ニュースや情報の読み方だけではなく、身近に人間関係の問題が起きた際の判断の一助にもなるのではないでしょうか。
【事実と真実の違いを認識する】
事実と真実の違いをご存知でしょうか?
辞書で調べると、【事実】実際に起きた事柄。【真実】嘘いつわりでない本当のこと。とあります。
一番の違いは「事実」は客観的な視点であるのに対し、「真実」はその事項に対する主観的な解釈が入るということです。
例えば「女性が笑っていた」は事実。「大変美しい女性が高飛車に笑っていた」は真実。しかし、この言葉の発信者にとっては真実であっても、他の人の目から見れば美しいわけでもないし、高飛車にも見えないかもしれない。これが事実と真実の違いです。
事実は1つであるのに対し、真実は人の数だけあるということです。
【真っ白・真っ黒な人なんて存在しないと認識する】
近年の風潮として、「正義VS悪」の二項対立の構図にしてしまう情報が多いように感じます。
しかし正義の反対は悪ではなく、また別の正義なのかもしれません。戦争なんて特にそうでしょう。
また完全に真っ白、真っ黒な人なんて存在しないと私は思うのです。
人それぞれグラデーションの違いはあるけれど、人も物事も世の中も皆グレー。
白に近いグレーの人の黒い部分だけにスポットを当てて悪人に仕立て上げたり、逆に黒に近いグレーの人の白い部分にスポットを当てて善人に仕立て上げたり、情報の出し方でそういう風に見せる事は可能なのです。
人は多面的であることを認識しておけば、「この人は悪人?善人?」という単純な分け方で人を見なくなります。
【真実は1つではない】
歴史は勝者によって書き換えられると言われますが、まさにその歴史は「事実」ではなく、「ある人の視点の真実」にしか過ぎないことが多いです。
同じ出来事でも異なる解釈があり、例えば日本を統一することにより戦乱の世を無くすという大義を掲げた織田信長や豊臣秀吉、徳川家康は戦国時代の英雄とされていますが、これも信長公記⇒太閤記⇒大日本史&本朝通鑑などの書き換えられた痕跡が後世になって多数発見されています。
また彼らの敵対者であった武将たちからは、平和を犯す侵略者としか見なされていませんでした(諸説あり)。
また、第二次世界大戦における日本の行動も、欧米列強のアジア植民地化を防ぐため大東亜共栄圏の構築を目指したとされる一方、欧米列強側からは侵略ではなく民主化を進めるためであって、日本は単なる軍部の暴走と我欲だったと見なされています(諸説あり)。
このように、歴史の解釈は視点や文化によって大きく異なることがあります。
真実は1つではないと感じた個人的な話も綴ってみます。
母は私が高校生の時に病死したのですが、私にとって母の死は、私と母とのきずなを断ち切る刃物のようなもので、私に深い悲しみと喪失感を与えるものでした。
しかし伯母(母の姉)にとって妹の死は、妹を長年の苦しみから解放した「救済」のようなものでした。
どちらも真実なのです。大人になれば充分理解できました。
しかし私と伯母それぞれの真実の違いから、当時の私は齟齬を感じたり反感を持ったりしたのですから、人間関係、果てはその先にある社会を平和に築くことはいかに困難か分かります。
真実は一つではなく、さまざまな視点や解釈が存在すると思います。
歴史の解釈、個人的な経験、そして各メディアの影響など、私たちが日々接する情報や出来事には多様な「真実」があるように思います。
嘘ではなく真実を言い合っていても、食い違ったり、争いが起きたりします。
事実は1つでも真実は1つではない。そして人や物事は多面的であるということを頭に置いておけば、情報や人や社会を多角的に見る視点が備わっていくのではないでしょうか。
2024年
10月
23日
水
「稲むらの火の館/津波防災教育センター」に当社の商品が展示されています
先般、災害備蓄用生理用品等で協業させていただいている、花王カスタマーマーケティング(株)様と、花王(株)様の研修センターにて協業会議及び合宿、そして「稲むらの火の館」の見学をさせていただきました。
今回の花王カスタマーマーケティング(株)様との協業会議及び合宿は、二日間に渡り、地域社会や避難所の災害備蓄品に関する様々な問題や、避難時に新たに発生するであろう課題を一段深く掘り下げて、理解を深めさせていただきました。
また避難者のニーズに沿った新たな製品開発の検討や、災害備蓄品を取扱う事業者として、備蓄の普及啓発を社会貢献活動と並行して進める取り組みについて意見交換させていただきました。そして持続可能な社会の実現と災害に強い町づくりに貢献できるよう、共に取組みを進めていくことを確認いたしました。
ところで今回、訪問させていただいた「稲むらの火の館」は和歌山県有田郡広川町に位置し、安政南海地震の大津波から村人を救った濱口梧陵さんの功績を紹介している濱口梧陵記念館と、津波被害の実情や防災について学べる「津波防災教育センター」からできています。
記念館では、濱口梧陵さんの業績や「稲むらの火」の物語の成り立ちと合わせて津波防災に対する様々な施策などの貴重な資料がパネル展示されており、訪問される人々に防災の重要性を訴えていました。
また、津波防災教育センターでは津波の恐ろしさを体感できる模型や映画の上映及び防災に関する様々な実情を踏まえたパネル展示がありました。特に災害発生時における皆が一体となって助け合い、迅速に避難するための「共助」について具体的に提示されていることが特徴的でありました。
有難いことに、こちらの施設内に、花王(株)さまと当社の災害用備蓄衛生用品とパネルが展示されています。(関連商品HP>>)
災害用備蓄品の参考品として様々な備蓄品とともに展示していただいていることに感謝申し上げます。大変励みになります。
過去の災害時には、生理用品・おむつなどの衛生用品類が不足することが多くありました。女性にとっては必用不可欠な物資にもかかわらず、女性特有のニーズや問題が十分に考慮されず、他の緊急物資に比べて優先度が低く見なされていたことが一因かと思います。
東日本大震災の経験から、災害時の生理用品の重要性について社会の認識はかなり高まったと感じますが、しかし災害避難時の衛生管理に関する備蓄は依然として不十分のようです。
過去の災害から得られた教訓を踏まえ、政府や自治体は一定の対策を講じてきましたが、現実には避難所での衛生環境が未だに確保されていないケースが多々あるようです。
例えば、消毒液やトイレ用品や口腔衛生品やウェットティッシュなどの基本的な衛生用品の不足は健康問題や感染症にもつながります。地域社会や企業や個人も自己防衛のために備蓄を行うことが大切だと感じます。
また今回の「稲むらの火の館」を訪問させて頂きました折、光栄にも崎山館長様に直々にご案内頂きまして先人の知恵を学ばせて頂ける貴重な機会となりました。
そしてこの時代には、すでに現在と同じような「応急・復旧・予防」が行われていたことと、約八百数十年前より八回発生した南海沖地震に関しましての詳細な津波の記録があることに驚きました。そしてその記録が在ったからこそ「稲むらの火」の物語が起こり、早期の避難を成し得たのだと記録の大切さを痛感致しました。
このような貴重な機会をお与えくださいました、花王カスタマーマーケティング株式会社様、「稲むらの火の館」をはじめとする全ての皆さま、また参加者の方々に深く感謝申し上げますと共に今後も、このような協業及び協力関係を礎に社会に貢献すべく精進を重ねる覚悟であります。
2024年
10月
03日
木
楽しい時間
秋分の日が過ぎ、まだ日中の暑さはそれほど和らいではいませんが、朝夕は虫の音もちらほら聞こえて涼しく感じられるようになってまいりました。
さて先般、天理高校柔道部の後輩である中野寛太君(現 旭化成)が、平成六年度 全日本柔道選手権で優勝し、また同じく後輩の新添左季さん(自衛隊体育学校)がパリオリンピック柔道団体で銀メダルを獲得されたことを祝し、記念の祝賀会が天理柔道会主催で開催されました。
この日、私は千葉からやって来る先輩を関西国際空港まで迎えに行き、そのまま奈良県の天理市まで車を走らせました。
会は約700名が参加する盛大なものでした。
私の世代にとっては、旧知のなつかしい顔ぶれが一堂に会し、お互いの現状と健康状態を確認し合い、旧交を温める場となりました。
祝賀会の後は、高校時代の寮生活で同じ部屋だった先輩1名、後輩2名、私の合計4名で、天理市から大阪の泉佐野市に移動し、(私は一旦車を会社に置いてから)2次会に行きました。
後輩の1人が今年還暦を迎えたので、その祝いを兼ねて居酒屋で3時間昔話に花を咲かせました。
さらに3次会はカラオケに行きましたが、ほとんど歌わず、時間が経つのも忘れてまだまだ喋り続けました。
4次会は深夜営業の食堂で焼きおにぎりを夜食の締めに食べるつもりが、そこでもまた飲み、その後ようやく解散となりました。
長い長い宴でした。
この年になると普段は夕方頃に疲れが出たりするのですが、旧友に会うとまるで高校時代に戻ったかのような気分になり、昔話にアドレナリンが噴出し、バカ話に大笑いし、大人になってから出会った人に言うと絶縁されそうなほど失礼な事を互いに言い合い、心が若返ることで体も元気を取り戻し、「次いこ」「次いこ」と4次会までの長丁場になりました。
午前中から深夜まで、ずっと喋りとおしたので、一人タクシーに乗り込むと気が抜け、満足した気分と同時に、もう声も出ないぐらいクタクタになりました。
学生時代、同じ屋根の下で共に寝起きし、笑い、柔道に汗を流し、悩み、楽しんだ時間があったからこそ、還暦を越えた今でもこんなに特別な時間を過ごすことができるのだと思います。
皆さん、これからも健康に気をつけて、それぞれの道で精一杯頑張っていきましょう。
そして今後もたまに、時を忘れるほど楽しい時間を共に過ごしましょう!ありがとう。
2024年
8月
24日
土
南海トラフで注目集まるBCPと当社の防災対策
先般、初の「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。その後、呼びかけは終了しましたが、いつ大規模地震が発生してもおかしくないという想いは益々強くなりました。
地震だけではありません。
当社があるここ泉南市に私は約60年近く暮らしていますが、これまで大きな災害に遭ったことは1度も無かったのに、ここ6年ほどの間に台風被害に2度も遭いました。(関連記事:■2018年の台風被害>>■2023年の台風被害>>)。さらに現在進行中の懸念ですが、台風10号が関西に上陸のおそれがあり進路図を連日注視しています。
また2020年~には新型コロナのパンデミックが日本でも発生するなど、近年は企業の事業活動に甚大な影響を及ぼすようなリスクが相次いで発生しているような印象があります。
先日「南海トラフ地震の防災対策で注目集まるBCP策定」という記事を見ました。
BCPというのは事業継続計画のことで、企業が災害などの緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業を継続し早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
私は2018年の大きな台風被害、2020年のパンデミックを経験した結果、2021年にISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の認証を取得すること決めました。
その時の気持ちを「事業継続マネジメントシステムを構築する>>」の記事の中で次のように綴っています。抜粋してみます。
「次また当社が被災した時には、前回の反省点を教訓とし、より効率的で効果的な対応が出来るように事業継続計画(BCP)を策定しようと思いました。
BCPがあれば、各事業部のリーダー達も、逐一私に判断を仰ぐ必要もなく、不安を持ちながらの自己判断でもなく、合理的な根拠に基づいて行動を順次起こせると思いました。私自身も意思決定がしやすくなります。
しかしただ事業継続計画を策定するだけでは、いざという時に計画倒れになってしまう可能性があります。BCPを従業員に浸透させ、定期的に改善と最適化を組織的に行うシステム(BCMS)を構築したいと考え、どうせやるならばBCMSの国際規格であるISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の取得を目指し、この度、皆様のお陰で認証を取得することが出来ました。
災害発生後からの事業再開が遅くなればなるほど、お取引先を失うリスクも高まります。
また、これだけ自然災害が増えて来ると、ESGやSDGsと同様に、BCP策定の有無がビジネスパートナーの条件になる未来も近いと考えています。
またそのBCPも専門の第三者機関が審査した国際規格となると、当社の強みにもなると考えています。
また当社のテキスタイル事業部は、主に官公庁向けの災害用毛布を製造しているという特色から考えても、災害から早期復旧し、いち早く物資を社会に供給することは当社の使命でもあり社会的責任でもあると考えています。」
実際これまでの大災害でも政府から災害用備蓄毛布の緊急要請が私たちの業界にあり、伊豆大島の全住民島外避難の際には2日間で毛布2万枚(関連ブログ:無茶な要請>>)、東日本大震災の際には近所の校庭に自衛隊のヘリコプターが毛布を取りに来るなどがありました。当社は災害用品を取扱っているのですから、たとえ自社が被災したとしても早期復旧することが求められていると自覚しています。
またシニア事業部では高齢者住宅の運営を行っているため、災害への備えの再確認や設備の点検を定期的に実施し、できることは全て行っています。(関連ブログ:フラワーホームスタッフブログ>>)
丸竹コーポレーションは、地震発生時における入居者様と社員の安全確保と迅速な情報伝達を最優先事項としています。
地震発生時に全社員に警報を発する社内放送システムを使用して即座に伝えることにより、社員の安全確保及び避難を行います。
さらに当社は、地域社会との連携を重視しています。泉南市と協力し、地域住民へのAEDや備蓄物資等の供給、また社内防災教育及び防災訓練を定期的に実施しており、災害発生時には地域社会への支援も行う体制を整えています。
私たちは現在、地震や台風といった自然災害に直面しています。
私たちの組織は事業継続マネジメントシステムを構築し、危機に立ち向かうための準備を整えています。
目下の問題としては現在進行中の台風が、当社が被災した台風21号の時と同じ進路が予報されているので、どうなるか心配ですが、これまでも多くの関係者の方達に支えていただきながら、丸竹は緊急事態を乗り越えて来ました。困難な状況でも、冷静に対処し、社員一同皆で協力して前進しましょう。
皆様のご健康と安全を心よりお祈り申し上げます。
2024年
7月
26日
金
暑中お見舞い申し上げます
昨年より国連のアントニオ事務総長が「地球沸騰化」という言葉を使われていますが、ここ大阪も梅雨明けを境に、毎日の酷暑は天気予報士の言葉通りに「身の危険を感じる」ほどのものです。
平安時代の古より季節のご挨拶で使われている「暑中お見舞い~」を「酷暑お見舞い~」に変えても良いような気がします。どこまで地球温暖化が続くのか考えますと不安に苛まれます。
さて6月下旬より時候の挨拶も兼ねまして、ご訪問させていただいたり、お越しいただけたりする機会や、新しく開設した繊維再生事業部に見学や取材に来ていただけたりする機会が多く、ここ1か月ほどは多くの方々にお会いしました。
そんな中で今回は「やっぱり類は友を呼ぶなぁ」と思ったお話を2つほど書いてみようと思います。
1つ目は繊維関連最大手の某新聞社の方々ですが、取材にお越しいただいた2名どちらの方も本格的に歴史を趣味にされている方々でした。
取材後のことです。
当社の社章は、家紋の丸に橘に若干のアレンジを加えたものなのですが、橘の伝承の話題を皮切りに、私も稚拙ながら俄か歴史好きですのでお話が弾み、邪馬台国から大和朝廷への変遷、鎌倉時代まで白熱した論争が進み、約2時間素晴らしく盛り上がりました。
帰り際にお聞きいたしましたが、お一人の方は歴史検定1級をお持ちの方でしたし、もう一方の方からは翌日に「丸に橘」の家紋の由緒をメールで頂きました。
2つ目は繊維関連の某研究機関の方で、当社の新製品のデータを検証していただいている検査官の方ですが、当社の応接間の隅に子供用の昔ながらの鞠やでんでん太鼓等の玩具が置いてあるのを見付けられて、データのお話が終了すると間髪を入れずに
「御社にも座敷童子さんが来るのですか?実は私の家にも来てくださいます!」と、おっしゃられ、1時間ほど「座敷童子さん」の話題で盛り上がりました。
私は座敷童子さんにお会いしたことは無いのですが、一人で残業をしていると深夜0時過ぎに何度か廊下を足早に歩く子供らしき足音と気配を感じたことがあります。
そう私がお答えすると、検査官の方も、
「私も似たような感じです。お会いしたことは無いのですが、最初は玩具を置いていなかったので、ゴミ箱のゴミが散乱していたり、部屋の隅にあった電気のコードが部屋を斜めに横切る形で移動していたり、また閉めていたはずの箪笥の引き出しが勝手に開いていたりしまして気付きました。そして最近になって、玩具を置くようにしています」とのことでした。
続けて検査官の方は「実は家内からは『空き巣が入って、うちの家は何も取るものが無かったので、何も取らずに帰ったのでは?もしくは鼠を追いかけて入って来た野良猫じゃないの?あなたは科学的な仕事をしているのに真剣にそんなことを本当に思っているの?いい歳して大人が笑われるよ!』と言ってバカにされていますが、私は確かに、科学的に検証は出来ないけど、来てくださった!と信じている」とのことでした。
しかしながら奥様は納得できず反論が続いたそうで、検査官の方はこう返したそうです。
「パナソニックの松下幸之助さん、HONDAの本田宗一郎さん、国語学者の金田一京助さん等の著名な方が、わざわざ遠野の緑風荘まで出向いて体験したことは、そしたらどう説明するの?」
注釈ですが前述の著名な方々は「緑風荘」で座敷童子に会い、運を掴んだとされています。他にも首相を務めた原敬さん、三木武夫さん、福田赳夫さんなど。
検査官の方は「家内とは交わらない会話で終始するんです」と笑っておいででした。
そこで私も、「実際に見たわけではないですが、座敷童子さんの存在を信じています!」とお伝えし、以下のようなお話をさせていただきました。実際にお話した内容より、もう少し丁寧に書いてみます。
当社には座敷童子さんがいると信じることで、幸運が訪れるかもしれないと前向きな気持ちになれます。次に進むためのエネルギーやモチベーションを得ることもできます。また目に見えるもの以外の存在を受け入れることで、神様的な何かに見守られていると感じ、心の平安を感じやすくなりますし、感謝の気持ちや謙虚さ、自制心にもつながります。
自分自身の心の中に神様的な何かが居るか居ないかが重要なので、科学的に神様や座敷童子さんが存在するかしないかの証明は必用無いのです。
世界の多くの宗教や信仰で「神・仏はあなたと共にある。あなたの信じる心と一緒にある。」というようなことが唱えられています。まさに「信じる者は救われる」ですね。
今回、仕事を通じて、同じ趣味を持った方達や、話が合う方と出会うことができました。この出会いも座敷童子さんが運んで来てくれたのやもしれません。
最後になりましたが改めて暑さ厳しい折、ご自愛の程お祈り申し上げます。
2024年
6月
26日
水
60代こそデジタルを味方につける
【ご存知ですか?死亡最頻値】
今回のブログは、同年代に向けて綴りたいと思います。
高齢者の定義を「65歳以上」から「70歳以上」に引き上げることを検討するべきだと、政府の経済財政諮問会議で意見が出されたとのニュースを先月見ました。
現在、日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳です。しかし「平均寿命」は外れ値(例えば0歳で死亡など)の影響を受けやすいため、実際の数値を正確に反映しているとは言い難いです。
そこで最近注目されているのが「死亡最頻値」です。
死亡最頻値は、最も多くの人々が死亡する年齢を示します。
最新のデータである2020年のデータでは、男性は88歳、女性は93歳で亡くなる人が最も多いということです。
今の60代が80代になる頃には、もっと長生きの数値になっていると思います。
人生100年時代が、ますます現実味を帯びてきたと言えそうです。
【自分の衰えを、デジタルを使って補う】
歳を重ねると、自然の摂理で、自分の中から様々なものが減っていくような感じがします。
例えば、視力や聴力。私は数年前からメガネの度数を何回か上げました。さらに去年から、お客様とお会いする時には補聴器を付けるようになりました。
最初のうちは、補聴器をつけることに抵抗感というか、恥ずかしさのようなものがありました。しかし、それを友人に伝えると「なんで?何度も聞き返す方がビジネスでは失礼だし、眼鏡と同じで、道具を使って自分の機能を維持しているだけのことやん」と言われ納得しました。
あと最近衰えを感じるものは記憶力です。「後でやろう」と思っている事は、たいてい幾つかは忘れています。
そこで最近私が愛用しているものが、スマホの「To Do リスト」というアプリです。iPhoneなら初めからiPhone版のTo Do リストが入っていて、アンドロイドなら、こちらからダウンロード>>できます。
例えば、「6月8日11時、Aさんに△の件について電話する」と入力すると、8日の11時には、自分のスマホやタブレットに、この件が通知されるので、それを見て思い出して実行するという風です。自動的にGoogleカレンダーにも反映されます。
私は、このTo Do リストに、「〇〇を買う」「〇〇の件を確認する」など、思いついたそばからどんどん入力していきます。
入力のほとんどは音声で行うので、ただスマホに向かって喋るだけです。
音声入力も数年前とは違って、今のスマホは大変スムーズになっていて、ほぼ正確に聞き取ってくれます。
入力した用件を実行し終えたら、チェックボックスにチェックを入れて終了とします。
チェックを入れない限り、いつまでもTo Do リストに表示されるので、やり漏れることがないです。
このアプリを使用すれば、リストに要件を入力し終えた後には安心してその件を忘れることができるので、その分、脳のリソースを他のことに割けます。
老化で衰え始めた自分が今までと同じパフォーマンスで働けるよう、自分の衰えをデジタルを使って補っていこうと思っています。
デジタルはシニアの敵ではなく、メガネや補聴器と同じようにデジタルをシニアの味方にするのです。
【デジタル化して行く社会で老後を迎えるには】
また、私たちの年代ではキャッシュレスに抵抗感がある人が多いと感じます。
操作面でどうのこうのと言うより、「精神面」で抵抗感がある人が多いようです。
しかしこの先、老眼で目が見えにくくなったり、指先が動かしにくくなったりした時のことを考えると、小銭一枚一枚を財布から取り出して会計をするのは大変だと思います。順番待ちの人達からのプレッシャーを感じる時もあるかもしれません。
ですからやはり、精神面でもキャッシュレスに慣れておくのが良いのでは?と思います。
ビザタッチのようなタッチ決済ならば、クレジットカードを端末にピッと当てるだけで支払いが完了するので、スマホの操作が難しい歳になっても、苦労せず会計ができるのと思います。
まだ全ての交通機関というわけではないですが、このクレカを改札にタッチすれば切符やSuicaが無くても在来線に乗れるようになっています。
シンガポールやイギリスの電車であっても、日本円の両替や切符の購入をしなくても、タッチ決済のクレカを改札口にピッとするだけで乗車できます。
みどりの窓口が続々と廃止されていたけれど、苦情が多いため一旦、削減を凍結したというニュースを見ました。
しかし人手不足が進むことや、人件費が経費のなかでも最大の比率を占めていることや、子供の頃からデジタルのある環境で育ったデジタルネイティブの人口はこの先増えていく一方であることを考えれば、デジタル化が止まるはずがありません。
厚生労働省の資料によると、2035年には警備・防犯、農業、物流、建築や土木、そして、日常生活における調理や掃除といった領域などでもデジタルによる変革が起こることが予想されているそうです。
政府が発行するデジタル円も実現しているかもしれません。
「デジタルを使う人が便利になる社会」が設計され、その方向に向けて社会は進んでいるので、使う人にとってはどんどん便利な社会に、使わない人にとってはどんどん不便な社会になっていきます。
今年63歳になる私ですが、2035年には74歳になります。冒頭の「死亡最頻値」から考えても、その後もまだまだ生きねばならないようです。
約10年後、デジタル化が一層進んだ社会で心底不便を感じ、よし自分もデジタル化を頑張るか!と、ようやく一念発起しても、70代の自分がいきなりスタートするのはハードルが高過ぎます。60代で出来ないことを70代からやるのは非常に困難です。
頑張ればまだ色々と吸収できる60代のうちからコツコツと、自分をデジタル社会に慣れさせておかないと、この先どんどん不便で不自由になってしまう。
今、デジタルを拒否してはあかん。10年後、今よりもっと老化した自分が、今よりもっとデジタル化した社会で生きていかなければならないのです。だから未来の自分のためにも、デジタルを味方に付けておこう!と、なんとか頑張っています。
身近に教えてくれる人が居なくても、知りたいことをYouTubeで検索すれば、赤の他人が一から十まで、信じられないぐらい懇切丁寧に操作方法を動画で説明してくれていますからだいじょうぶですよ!笑
2024年
5月
18日
土
第三の創業
2015年、異業種へ参入し、クリニック併設サービス付き高齢者向け住宅フラワーホームを開設しました。ありがたいことに皆様のご協力のおかげで現在では満室に近い状態を維持できています。
その2015年に書いたブログ「第二の創業>>」で「変化の多いこのタイミングを最高の機会と捉えて、社内の制度や経営システムの精査も含め、なおざりになっている事項を思い切って全て見直して行くつもりである」と書きました。
そこから8年。昨年は繊維再生事業部を立ち上げ、フェルト事業部を統廃合しました。
「第三の創業」と言っても良いほど変化の一年で、一年をかけてさまざまな準備をしてきました。(くわしくは「再スタートの春>>」を参照)
そして現在、鋭意進めているのが経費削減です。
前述しましたように、なおざりになっている事項を今回もまた、聖域を作らず思い切って細かなものまで全て見直して行きます。
【営業利益5兆円のトヨタの経費削減】
トヨタ生産方式の根本は、仕事や原材料の使い方に「ムダ」がないかを徹底的に考え、終わりなく改善していくことにあるそうです。
ムダの排除には限界がなく、一つの改善を行った状態は、次の改善を行う上でのスタートラインだという意味で、「改善後は、改善前」という言葉が使われているらしい。
トヨタは毎年、年間3000億円の原価低減を目標に掲げ、その意識は現場の一人一人にまで根付いており、記者が取材をした工場の従業員は「車1台あたり、0.3円の改善に成功しました」と胸を張ったそうです。
記者は、あまりの単位の小ささに、聞き間違えではないかと感じたとのこと。
話を聞いてみると、工程の1つである、紙を貼る向きを反対にすることで使用するテープの量を16センチから14センチへと減らし、1台あたり0.3円の原価低減につながったという。
また別の従業員は、塗装で使用する液体を最後の最後まで使い切ることで、1台あたり0.02円の削減を行ったとのこと。
マヨネーズの容器と同じように、最後まで使い切るのが難しかったのだが、自作の装置を制作して最後の1滴まで絞り出すことに成功したとのことでした。
工場には“今、製造部に求められることは、『開発の原資を稼ぐこと』”の貼り紙が貼られているそう。
従業員一人ひとりが知恵を絞り、こうした小さな改善を積み重ねることで、毎年、年間3000億円近い原価低減を実現しているそうです。
この記事を読んだ時には、現場から一つ一つを積み上げていくトヨタの企業文化に感嘆しました。
(関連記事:便座も積もれば山となる>>)
【1万円の経費削減で29万4千円の売上と同じ効果】
経営者の読者の方には今更な話かと思いますが、社員に向けて経費についての考え方を改めて書きたいと思います。
まず製造業の平均的な営業利益率は3.4%ですから、それで計算してみます。
仮に1億円の売上高の場合、営業利益は340万円です。更に、ここから税金や利息その他費用も引かれるため、純利益となるとさらに少なくなります。
「売上」は多くの従業員が意識する数字でしょうが、「利益」を意識する社員はそう多くないはずですので、1億円を稼いでも残るのは、そんなに少ないのか・・・とガックリするかと思います。
1億円の売上高で営業利益は、たった340万円。
しかし経費の数字はそのままなのです。1万円削減できれば1万円の利益が出たのと同じ。
営業利益率3.4%で計算すると、1万円の利益は約29万4千円の売上を上げたこととイコールになります。
1万円の経費削減で29万4千円の売上と同じ効果。
経費を意識したことが無かった人は、経費削減の効果に驚いたのではないですか?
【当社の経費削減の取組み】
当社では今期1000万円の経費削減を達成することを目標としています。
前述したように、製造業の平均的な営業利益率の3.4%で計算した場合1000万円の削減が達成すると約2億9千400万円の売上高を上げたのと同じ効果があります。
既に倉庫の統廃合、車両関連の見直し等で約500万円が達成可能になっています。
固定費は売上の増減に関係なく継続的に毎月発生する費用ですから、削減できれば大きな効果が期待できます。現在、見積書を取りながら一件一件全て見直し中です。
また消耗品や備品についても購入のルールを厳格化し、各事業部の管理者を改めて決めました。
ムダを減らして生産を効率化するために、通常年2回の大掃除に加えて、今月も大掃除を実施し、整理整頓を進めました。
マイクロマネジメントになってしまいますが、経費削減の精神が浸透するまでは、全ての稟議書の決裁を私が行います。
目標達成のためには、各事業部における無駄の削減、効率化の推進、そして何よりも一人ひとりの意識改革が必要不可欠です。
日々の業務において、どのような小さなことでも経費削減に繋がるアイデアを積極的に提案していただきたいと思います。また、無駄な経費が発生していないか、常に目を光らせ、改善に努めていただきたいと願っております。
削減できた経費の相応分を社員の賃上げにも結び付けたいと思います。
今後、原材料コストの上昇や、物価上昇率、賃金上昇率も高まることが予想されています。
どのような未来にも、しっかりと対応することが出来る盤石な企業体質を、社員たちの協力を得ながら構築していく覚悟です。
2024年
4月
11日
木
再スタートの春
【当社の再スタート!】
新年度がスタートいたしました。
旧年度中のご厚情に深謝申し上げますとともに本年度も変わらぬご厚情の程、重ねてよろしくお願い申し上げる次第であります。
さて、当社では「再スタートの春」という言葉を掲げてスタートを切りました。
既成概念に囚われず今できることから1つ1つ時代の変化に合わせて確実に変わっていくという経営方針と、毎年が創業だという意気込みで経営刷新を繰り返してまいりましたが、
コロナ禍による経営環境の変化や、国内のみならず世界をも含めた社会情勢及び市場の激変、新素材の登場などの影響を受け、フェルト事業部の業績が、ここ2~3年前から緩やかにですが右肩下がりになっていました。
そこで昨年の3月、コロナによるマスク着用の見直しが発表された頃から、業績の回復を目指し大なたを振るおうと決意し、事業部の統廃合を皮切りに、人員配置の最適化、社内制度の更新、不採算製品の製造中止、製品ラインナップの整理、利益率の高い商品の強化、設備投資による生産効率の向上、そして新たに導入した機械設備と従来の設備を組み合すことによる新製品の開発、プレスリリース、販売促進活動などを足早に進めてまいりました。
昨年は立ち上げの一年間、準備の一年間、変化の一年間で、社員の皆さんにとってもイレギュラーな仕事の連続で目まぐるしい一年だったと思います。
そしてようやく三月末には、ほぼ準備も整いました。
ここでようやくホッと一息・・・などついている暇はありません。
これまでのことは全て「準備」であって「目的」ではありません。
当社の新商品である、次世代の反毛技術(繊維to繊維を可能にした反毛技術)のサービスを、環境問題に取り組む多くの企業様に届け、繊維のリサイクルを普及させることが目的で、そのために昨年の準備&移行期間がありました。
今年度からが本当のスタートです。
「再スタートの春」と銘打って、社員一同一丸となって邁進する所存でございます。
【日本経済の再スタート!】
ところで、我が国の経済はバブル崩壊以来の長い停滞を経て、日経平均株価が33年8カ月ぶりの高値を記録しました。
また人手不足や物価上昇を背景に、賃上げ率は30年ぶりの高水準を記録しています。
そして日本銀行は2024年3月19日に、マイナス金利政策の解除と金利の引き上げを決定しました。これらは物価安定目標の持続的・安定的な実現が見通せるとの判断に基づくもので、日本経済の「正常化」への準備と言えるでしょう。
しかし、日経平均株価の上昇は円安による日本株の割安感や、輸出企業への期待感で上昇している部分が大きく、実体経済を反映した株価ではないと思います。
またインフレ率が賃上げ率を超えると、実質賃金は減少することになり、消費者は買い控えや安いモノを求めるようになります。そうすると企業は価格転嫁を進めることが出来ず、日本経済の低迷はさらに長期化しそうです。
また金利の引き上げは企業にとっては負担が増すことになり、設備投資や新商品の開発など挑戦へのハードルが高くなることになります。
そうやって失われた40年を歩むことになるのか、もしくは経済正常化が進み、過去30年のデフレがいよいよ終焉して好循環に入っていけるのか、いま日本国民は運命の分かれ道に立っているのだと思います。
さぁ、2024年度は再スタートの年です。変化の年です。重要な年です。
受け身にならず、自ら考えて動いて、次の未来を目指して一緒にがんばっていきましょう!
【お知らせ】
■【4年連続】経済産業省「健康経営優良法人2024」に認定されました。
■ラジオ大阪「藤川貴央のニュースでござる」の番組内の、東京商工リサーチご協力のコーナー「がんばってるで関西!」にて、関西の元気な企業として、ご紹介していただきました。
2024年
3月
30日
土
今の時代、「情報収集」「情報発信」しないと始まらない
【真面目にIRをやらねば投資家に理解が得られない】
2013年の私のブログ「素晴らしい執念!!>>」の回で、私の師匠である東建コーポレーション㈱ 左右田鑑穂会長の御友人の株式会社中広の後藤一俊会長が5年間毎日ブログを書き続け、2000回を迎えられたというお話を書きました。
それから11年間、後藤会長はその後も毎日ブログで発信を続けてこられ、今月で6000回を迎えられました。
毎日毎日欠かすことなく長年に渡り発信を続けるのは並み大抵のことではなく、粘り強く取り組むチカラや、地道にコツコツ続ける精神力や、話題の豊富さや知見の深さが必要です。
私など1か月に1回程度ブログを更新するぐらいですが、それでもネタに困ってしまう時や面倒になってしまう時があります。
そんな私がなんとかブログを続けているのは、やはり情報を発信することが今の時代とても大切だと思うからです。
後藤社長が6000回のブログの中でお話されていましたが、ブログを始めることになったキッカケの出来事は、名古屋証券取引所に上場する際、証券会社から「お前のところなど小さな会社だ」「真面目にIRをやらねば投資家に理解が得られない」と指導をうけ、IR活動をされたそうですが、コストが掛かる割には目立った成果もない。そこでHPを毎日動かせば、我が社に注目してくれる方も増えるのではと思い立ち・・・ということが始まりだそうです。
【情報発信の効果】
昨年、当社の繊維再生技術>>についてプレスリリースを行いました。
30年以上経営者としてやってきましたがプレスリリースを行ったのは初めてでした。当社のような中小企業にそんなものは必用無いと思っていたというよりも、そういうことに疎かったため、そもそも考えたことも無かったのですが、関係者に勧められて行うことにしました。
いらなくなった制服なども再び繊維に戻せるというような技術ですので、繊維業界の人だけではなく、専門的な知識が無い別業界の人達にも伝わるように分かりやすい言葉で解説したり、図解したり、撮影したり、なかなか手間のかかる作業でしたが、やって良かった。
正直、プレスリリースの反響の大きさに大変驚きました。
良い技術を持っていても、それを知ってもらわなければ何も始まらないです。
でも情報発信をすれば今の時代は、その技術を求めて「検索」している人達に情報が届く可能性が高いです。情報が潜在顧客にリーチした時、わが社はどのような会社なのか、どのような考えを持った経営者なのかをHPやブログで見える化しておけば、安心につながります。それもここ最近1、2年の情報だけではなく、ブログも5年10年15年と積み重ねることで、より安心感や信頼感が増すのではないのでしょうか?
新事業部の関係で、最近は新しいお客様とお会いすることも多いのですが、事前に私のことをブログやHPで知ってから来てくださる方も多く、初対面であってもゼロから自分を紹介する必要が無く、その分ほかのお話をする時間が生まれます。
そういった面でもブログの効果を実感しています。
【情報は経営資源。情報収集は必須】
私は元来から読書好きで、小学生時代には毎日小学生新聞を購読していました。
大人になってからは日経と読売の2紙を長年読んでいます。法人契約をしているので、社員にも読むように勧めています。
近年はタブレットで電子版も読めるので、手元に新聞が無い隙間時間にも気軽に読めるので便利です。
最近もう1紙追加しました。当社の繊維再生技術もニュースに取り上げてくださった、日刊繊維総合紙「繊維ニュース」さんです。
毎日ありとあらゆる繊維に関する情報が掲載されおり、同じ繊維でも異業種と言ってもよいくらいの繊維関連の情報までふんだんに掲載されており、まさに情報の宝の山と言っても過言ではない充実した内容になっています。
ネットでの情報収集はアルゴリズムの影響で、どうしても情報が偏りがちになってしまいます。自分の観点に合わない情報からは隔離された状態になってしまいがちです。
その点、新聞など紙面で見る情報はアルゴリズムの影響が無いため視野が広がります。
あと色んな人と会って話すことも私の大切な情報収集です。年代が違う人と話すと、同じ物事でも捉え方や考え方が違ったりして、私が昭和の価値観でバイアスをかけていたのかも・・・と気づかされることなどもあります。
新しい情報や知識を自分にインストールすること= 自分のアップデート
そう思うと情報収集が面倒に感じる日もヤル気になれる気がします。
2024年
3月
01日
金
一事が万事「トイレの清潔さ」
拡大していくサスティナブル市場に対応するため、昨年、新規事業部である「繊維再生事業部」を立ち上げました。
それ以降、特に今年に入り、おかげさまで同業界のみならず官学を含め様々な業界の皆さまより、全国からお問い合わせやご来社を賜っています。
先ずを以て心より御礼を申し上げます。
ご来社を賜りました際に、新事業のご説明や工場案内などは当たり前ですが誠心誠意させていただいていますが、おもてなしの一環といたしまして、特に気を付けているのが「トイレ掃除」です。
掃除については常日頃からも社員達に恐がられるほど心掛けていますが、それ以上にお客様が見えられるときは、工場も含めて会社全体の徹底した整理整頓と清掃を行います。
その中でも特に徹底して心掛けているのがトイレ掃除です。
2年ほど前にも、ペンキを頭にかぶりながら、新築のトイレと同レベルまでピカピカに工場のトイレをリフォームしました。(工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>)
しかしそろそろまた劣化が気になるようになって来ましたので、今年に入り毎土日、祝祭日の社員の出社人数が少ない日には必ず、全トイレを私自ら掃除した後に、トイレの床のワックスを塗り直しピカピカに仕上げました。
ここでトイレ掃除と聞いてちょっと苦手だな!?と感じる人も多いかもしれません。
しかしパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、トイレを掃除することは常識や礼儀作法を身につけるのに必要だと述べています。
みんなが使う場所だからこそ、誰かが掃除すると思うのではなく、当たり前に謙虚に感謝し合い、そして自らも進んで綺麗にすることが大切だと思います。
ちなみに、松下氏自身、工場のトイレが汚れているのに憤り、従業員の前で自ら掃除し「便所はみんなが使う、自分たちのものである。それを掃除するのに、何の理屈があるものか!」とおっしゃられたという逸話も残されています。
私も正直、昔は汚れが多いトイレ掃除はちょっと苦手だと感じる人の一人でした。
しかし、高校3年生の時に松下幸之助氏の本を読み、この言葉に触発されて、トイレ掃除に対する考え方が変わりました。
また私はこの言葉に感銘を受けて、トイレ掃除をすることで自分自身の精神を磨くという意識を持つようになりました。
風水や迷信でよく言われていることですが、トイレを掃除してキレイに保つことで、金運アップが期待できるという話がありますが、この話には肝心のBecauseの部分が抜けています。
「一時が万事」という言葉があります。
わずか一つの物事から、他のすべてのことを推し量ることができるという意味の言葉です。トイレは汚れやすい場所だからこそ、「トイレの清潔さ」から、その他さまざまな事を推し量れることを多くの人が知っています。
見学が行われる工場や事務所が整理整頓されて清潔なのは当たり前で、裏の部分にこそ会社の姿勢が表れます。裏の部分である従業員用のトイレもお客様が目にした際、しっかり綺麗ならば、「この行き届いた会社にだったら仕事を出しても一事が万事きっちりとした仕事をしてくれそうだ」と思っていただけることによって、一緒に仕事をするチャンスを頂け、そして仕事面でも誠心誠意期待にお応えすることで、金運アップが見込めるという意味だと私は考えています。
まあトイレ掃除に限らずいずれにしても、こまめに常日頃から丹念に掃除をしておくと、汚れが蓄積せず毎日のお掃除もラクになります。
【掃除について 関連ブログ】
■工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>(約2か月かけて工場のトイレを一人でリフォームした話)
■地獄掃除>>(会社の前の道路にも掃除機とコロコロかける話)
■地獄掃除のその上>>(奈良県M社のすごい掃除に参加させていただいた話)
■自分ばかり損をしている>>(心が折れて掃除するのをやめた話)
■大掃除、まだ終わらないんです・・・>> (掃除のゴールポストを動かしてしまう話)
■会社も立派やで!>>(長谷虎紡績株式会社さんのトイレの話)
■掃除とおもてなし>>(祖母からの掃除についての教え)
■トイレ掃除を侮ることなかれ>>(トイレ掃除には「気付ける力」「実行力」「奉仕の精神」が必要だという話)
【繊維 小耳ニュース】
2週間前に公開された、「経済産業省が進める『繊維製品の資源循環システム』を動画で解説 アパレルの未来像がここに」の動画が興味深いです。
国は今本気で、繊維製品を資源として循環させていこうとしているそうです。
経済産業省製造産業局の田上博道生活製品課課長が登壇されていたのですが、とくに私が興味深く思った言葉は下記です。
■「売れ残った商品がその後どうなったか、アパレル会社に開示をしていってもらう」
■「日清紡さん、東レさん、帝人さん、いずれの企業さんも日本の繊維産業をもう一回復活させるのだという思いで、このリサイクル繊維(※1)を次の重要な商材に使っていこうという意気込みですので、必ず成功していただけると信じている」
■「グローバルで時間軸を見た時、2030年には標準的にリサイクル繊維を使っていきなさいということになるので、チンタラやっているともう手遅れになる」
※1についいて
動画の中の「このリサイクル繊維」というのは、文脈からいえばケミカルリサイクル繊維についてだと思いますが、マテリアルリサイクル繊維も今後必ず重要な商材になっていくと私は信じています。
反毛では水も薬品もほとんど使いません。100年以上の歴史があるとてもエコなリサイクル方法です。従来の反毛綿は用途が限られていましたが、当社の最新設備ではこれまで難しかった繊維to繊維のリサイクルも可能になりました。電力は100%再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。
「繊維製品を資源として循環させていく。これはまだ、この国だけではなく、誰もまだきちんと実現していないこと」という言葉が動画の冒頭でありました。
身が引き締まる思いがするのと同時に興奮も覚えます。
当社の技術が我が国の資源循環システムの一助となれるよう励んでまいります。
【動画】
経済産業省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルの未来像がここに
NEWS PICKS 2024年1月14日の記事より引用
画像クリックでリンク先に飛べます。
2024年
1月
07日
日
還暦過ぎると色々ありますね
【ごあいさつ】
2024年、新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
最初に、元旦夕方に発生致しました能登地方を震源とする大規模地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域の一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げますと共に、当社も災害用品に携わる企業として救援物資の支援に全力を尽くす所存でございます。
【網膜裂孔のレーザー治療を受けました】
さて、実は昨年末ぎりぎりに、私は左目の網膜裂孔のレーザー治療を受けました。
人間ドックの結果「眼底写真に異常所見が認められます。眼科にて詳しい検査をお受けください」と医者に言われてしまいました。
自覚症状は無かったですし、医者も「一応念のため」くらいの感じでしたので、とくに心配もせずに気軽な感じで専門医の診察を受けました。
精密検査の結果、異常所見が認められた箇所については何も問題無し。しかし人間ドックの検査では分からなかったのですが、網膜に裂け目ができているとのことで、このままでは網膜剥離に進行してしまう危険性が高いということで、緊急に今からレーザー治療を行う選択肢を提示されました。
心の準備もほとんどできていないまま手術同意書にサインをし(この時が一番緊張しました)、診察室からそのまま治療室へ。すぐにレーザー治療開始。10分程度で治療は終了しました。
眼帯ぐるぐる巻きにでもされるのかな?と思ったのですが、そんなことは何もなく、普通の姿で病院を出て、スマホもすぐに見られますし、拍子抜けするぐらい呆気なく終了しました。
問題発見から解決まで、待ち時間を入れても3時間ほどで、思い悩む暇もないまま流れるように解決しました。当日少し重痛いような感じがしただけで、翌日には普通でした。
【同年代の友人たちとの会話】
11月中頃から年末にかけて今年は数回、忘年会が有りました。
その中でも中学時代の柔道部と剣道部の同窓有志の会と、高校時代の柔道部とラクビー部の同窓有志の会について今回は書きたいと思います。
還暦を超えてこの歳になりますと、共通の話題は病気の話であり、どちらの会も乾杯の後は病気話から始まりました。
どちらの会のメンバーも、この年になりますと、ほぼ全員が何らかの疾病もしくは手術歴を抱えていました。
冒頭のように、私の網膜裂孔のレーザー治療の話から始まり、次に昨年晩秋に腰椎分離症の手術をして未だにコルセットをしている友人が話し始め、そのあとは今年から入れ歯になった話とか、春になって暖かくなったら人口股関節の手術をする話や、昨年、心筋梗塞になりバイパスとステントを入れた話、脊椎の軟骨が加齢により仮骨し神経に触りカテーテルで削った話、果ては前立腺肥大症、神経痛になった話まで、どちらの会もさまざまな疾病のオンパレードでした。
【友人たちの体験談を聞いて心が楽になった】
我々の年代になると加齢により、今までの人生で起こったことが無いような体調の変化が次々と起こり始めます。
見えにくい、聞こえにくい、膝が痛い、つまずきやすい、疲れやすい、腰が痛い、記憶力が悪くなるetc・・・つまり老化現象。
悲しいけれど還暦を超えると誰にでも起こることです。そして老化現象に加え、年を取れば取るほど疾病リスクも高くなります。
私は不安症なので、いつもと違う体調になると全てのスケジュールを後回しにしてスグさま病院に飛んで行くのですが、それでも人間ドックのたびに「なにか病気が見つかるのでは?」と不安になります。
体が痛い日、疲れが取れない日が続くと、自分の健康はいつまで続くかなぁ?と心が曇ります。
しかし、いざ同年代と集まってお互いの疾病の経緯を経験者に聞くと、現代の医学の進歩を感じられますし、なんらかの疾病を抱えても騙しだましやっていけるし、それに疾病を抱えた以降も、こうやって皆で楽しく飲めるのだからと、必要以上の過度の不安が消えて、お互い「同類相哀れみ」ながら心が楽になりました。
飛蚊症と光視症で網膜剥離リスクに不安を抱えていた友人に、私の網膜裂孔の体験談を話したところ、「今の治療ってそんな感じなのか?!実際に体験したお前から話を聞いて、ぴんぴんしているお前の様子を見たら、長年抱えていた不安が取れた」と言ってくれました。私も友人達の疾病に対して同じ気持ちでした。
【ひびの入った茶碗でも】
会を終了するころになって、一同が「今後はますます油断はできない年齢に差しかかる」との結論になり、定期的な受診による健康管理と適度な運動そしてバランスの良い食生活を心掛け、「ひびの入った茶碗でも大切に労わりながら大事に使えば100歳まで生きられる」と話し、1年後の再開を誓って、病気の話から始まり病気の話で終わった忘年会でしたが、お互いの約半世紀にわたる変わらぬ友情も確認し合い、散会となりました。
あと最後に一言、私が提案したことですが、半数以上が未利用者でしたので、「社会インフラとしての役割と利便性の観点から、1年後の今日までに、全員がラインと割り勘の計算がしやすいようペイペイを始めよう」と勧め、ブーイングを浴びたところで、各々がお店を後にしました。