拡大していくサスティナブル市場に対応するため、昨年、新規事業部である「繊維再生事業部」を立ち上げました。
それ以降、特に今年に入り、おかげさまで同業界のみならず官学を含め様々な業界の皆さまより、全国からお問い合わせやご来社を賜っています。
先ずを以て心より御礼を申し上げます。
ご来社を賜りました際に、新事業のご説明や工場案内などは当たり前ですが誠心誠意させていただいていますが、おもてなしの一環といたしまして、特に気を付けているのが「トイレ掃除」です。
掃除については常日頃からも社員達に恐がられるほど心掛けていますが、それ以上にお客様が見えられるときは、工場も含めて会社全体の徹底した整理整頓と清掃を行います。
その中でも特に徹底して心掛けているのがトイレ掃除です。
2年ほど前にも、ペンキを頭にかぶりながら、新築のトイレと同レベルまでピカピカに工場のトイレをリフォームしました。(工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>)
しかしそろそろまた劣化が気になるようになって来ましたので、今年に入り毎土日、祝祭日の社員の出社人数が少ない日には必ず、全トイレを私自ら掃除した後に、トイレの床のワックスを塗り直しピカピカに仕上げました。
ここでトイレ掃除と聞いてちょっと苦手だな!?と感じる人も多いかもしれません。
しかしパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、トイレを掃除することは常識や礼儀作法を身につけるのに必要だと述べています。
みんなが使う場所だからこそ、誰かが掃除すると思うのではなく、当たり前に謙虚に感謝し合い、そして自らも進んで綺麗にすることが大切だと思います。
ちなみに、松下氏自身、工場のトイレが汚れているのに憤り、従業員の前で自ら掃除し「便所はみんなが使う、自分たちのものである。それを掃除するのに、何の理屈があるものか!」とおっしゃられたという逸話も残されています。
私も正直、昔は汚れが多いトイレ掃除はちょっと苦手だと感じる人の一人でした。
しかし、高校3年生の時に松下幸之助氏の本を読み、この言葉に触発されて、トイレ掃除に対する考え方が変わりました。
また私はこの言葉に感銘を受けて、トイレ掃除をすることで自分自身の精神を磨くという意識を持つようになりました。
風水や迷信でよく言われていることですが、トイレを掃除してキレイに保つことで、金運アップが期待できるという話がありますが、この話には肝心のBecauseの部分が抜けています。
「一時が万事」という言葉があります。
わずか一つの物事から、他のすべてのことを推し量ることができるという意味の言葉です。トイレは汚れやすい場所だからこそ、「トイレの清潔さ」から、その他さまざまな事を推し量れることを多くの人が知っています。
見学が行われる工場や事務所が整理整頓されて清潔なのは当たり前で、裏の部分にこそ会社の姿勢が表れます。裏の部分である従業員用のトイレもお客様が目にした際、しっかり綺麗ならば、「この行き届いた会社にだったら仕事を出しても一事が万事きっちりとした仕事をしてくれそうだ」と思っていただけることによって、一緒に仕事をするチャンスを頂け、そして仕事面でも誠心誠意期待にお応えすることで、金運アップが見込めるという意味だと私は考えています。
まあトイレ掃除に限らずいずれにしても、こまめに常日頃から丹念に掃除をしておくと、汚れが蓄積せず毎日のお掃除もラクになります。
【掃除について 関連ブログ】
■工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>(約2か月かけて工場のトイレを一人でリフォームした話)
■地獄掃除>>(会社の前の道路にも掃除機とコロコロかける話)
■地獄掃除のその上>>(奈良県M社のすごい掃除に参加させていただいた話)
■自分ばかり損をしている>>(心が折れて掃除するのをやめた話)
■大掃除、まだ終わらないんです・・・>> (掃除のゴールポストを動かしてしまう話)
■会社も立派やで!>>(長谷虎紡績株式会社さんのトイレの話)
■掃除とおもてなし>>(祖母からの掃除についての教え)
■トイレ掃除を侮ることなかれ>>(トイレ掃除には「気付ける力」「実行力」「奉仕の精神」が必要だという話)
【繊維 小耳ニュース】
2週間前に公開された、「経済産業省が進める『繊維製品の資源循環システム』を動画で解説 アパレルの未来像がここに」の動画が興味深いです。
国は今本気で、繊維製品を資源として循環させていこうとしているそうです。
経済産業省製造産業局の田上博道生活製品課課長が登壇されていたのですが、とくに私が興味深く思った言葉は下記です。
■「売れ残った商品がその後どうなったか、アパレル会社に開示をしていってもらう」
■「日清紡さん、東レさん、帝人さん、いずれの企業さんも日本の繊維産業をもう一回復活させるのだという思いで、このリサイクル繊維(※1)を次の重要な商材に使っていこうという意気込みですので、必ず成功していただけると信じている」
■「グローバルで時間軸を見た時、2030年には標準的にリサイクル繊維を使っていきなさいということになるので、チンタラやっているともう手遅れになる」
※1についいて
動画の中の「このリサイクル繊維」というのは、文脈からいえばケミカルリサイクル繊維についてだと思いますが、マテリアルリサイクル繊維も今後必ず重要な商材になっていくと私は信じています。
反毛では水も薬品もほとんど使いません。100年以上の歴史があるとてもエコなリサイクル方法です。従来の反毛綿は用途が限られていましたが、当社の最新設備ではこれまで難しかった繊維to繊維のリサイクルも可能になりました。電力は100%再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。
「繊維製品を資源として循環させていく。これはまだ、この国だけではなく、誰もまだきちんと実現していないこと」という言葉が動画の冒頭でありました。
身が引き締まる思いがするのと同時に興奮も覚えます。
当社の技術が我が国の資源循環システムの一助となれるよう励んでまいります。
【動画】
経済産業省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルの未来像がここに
NEWS PICKS 2024年1月14日の記事より引用
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