【ビジネス本は読まないと公言していたけれど】
私は、10年前の2013年に書いたブログ「歴史のリーダー達から学ぶ>>」のなかで、「ビジネス本は読んだためしがない。なぜならばリーダーの姿や組織作り、戦略などは、失敗も含め歴史本から全て学べるからである。」と書きました。
しかしその後、そんなことを言っていられない状態になりました。
2013年当時、世界におけるスマートフォン普及率は約20%でした。それが近年のデータでは60%を超えました。
つまり世界の6割以上の人達が、最新の情報にリアルタイムにアクセスできる環境、そして自分の主義主張をSNSなどで発信できる環境ということですから、アッと言う間に世の中のトレンドが変化するようになりました。
情報が世界へ拡散されるスピードが尋常ではなく速いですから、去年まで当たり前に行われていたことが今年からは「非常識なこと」と非難されるようになったり、最先端だとされていたものが半年後には時代遅れになっていたり、ビジネスの場でもどんどん新しい言葉が使われるようになり、そしてその言葉もすぐに普及したり、全てにおいてスピードが加速しています。
SDGsや脱炭素についても欧州がルールメイキングをして、それに大企業が倣い、大企業と仕事をしていると当社のような田舎の中小企業にも、そのルールに倣うことが求められる。そこまでのプロセスのスピードがとても早いです。
そのため、アンテナを高くして自ら情報を取りに行かなければ、あっという間に置いていかれる時代になってしまいました。デジタルの進化も信じられない速さで進んでいます。
時代に取り残されないために、近年はビジネス本も読むようになりました。世界の動向にも敏感に目を向けますし、情報感度が高い人とよく壁打ちをします。
最近では、学んだフレームワークを使って事業環境を整理しました。
新しい言葉もなるべく覚えるようにしています。新しい言葉をインストールすることによって世界の見え方が変わってきます。
たとえば「グリーンウォッシュ」という言葉。
本当は環境に配慮していないにもかかわらず、しているように見せかけて商品やサービスを提供することです。
社会の問題になっており、こういう言葉が誕生していることを知ることで、「ではグリーンウォッシュ対策のためには具体的に数値や実績で証明できるものが必要だな」などと考えて動くことが出来ます。
【ほんと大切です。行動力】
ただ、やはり30年間以上経営者としてやってきた自分の経験値や感は、大きな意思決定を行う時ほど大切にしています。
情報収集だけをしていても会社が成長するわけじゃないですし、いくら座学をしていても机上の空論ですし、経営は実際にやってみて壁にブチ当たらなければ分からないことが沢山あるので、まずフットワーク軽く動き出してみるのが良いと思います。
考えすぎて立ち止まってしまい結局何もしないという人が世の中一番多いような気がします。
その点、私は行動力だけは物凄くあると思います(笑)。
実際に動き出すと、協力してくれる人や情報なども自然と集まって来やすいです。
【先輩方から直接経営を学ぶ】
私は大学を中退したあと、東建コーポレーション株式会社 左右田鑑穂会長兼社長のご自宅で書生をさせていただいた時期があります。
師や諸先輩から直接教えてもらった経営についての考え方や哲学などは、短い年月で簡単に変わってしまうようなものではないので、20代の時から現在に至るまで心に留めています。
師や諸先輩から学ばせていただいたことを過去に沢山ブログで綴ってきましたが、いくつかピックアップしてご紹介いたします。
■仕事に取り組む姿勢>> (師である左右田鑑穂会長兼社長のお話)
■業界として若手を育てる>> (繊維業界の先輩に、教えを乞いに行った時の話)
■自分の背丈以上のことはしない>> (投資についての考え方)
■便座も積もれば山となる>> (無駄に対するコスト意識)
【未来を見る】
「仕事の優先順位や時間管理>>」の回でも書きましたが、「現在」の仕事はできれば社員の皆さんに任せて、経営者は「未来」を作る仕事に専念できるようになるのが理想的です。
未来を作る仕事とは、顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなどです。
日々の仕事に追われなかなか難しいですが、「未来の創造」が欠けてしまうと会社は将来低迷してしまいますので、とても重要な仕事です。
私はこれまで会社の規模の大小問わず様々な業界の経営者の方々と接してきましたが、惹かれる経営者に共通していたものがあります。
それはビジョンを持っているということです。自分の事業や組織がどうなりたいか、どうあるべきかという将来像のことです。ビジョンを明確に語る経営者とお会いすると、やはり魅力的だなと感じます。ビジョンは牽引力でもあると感じます。
【繊維 小耳ニュース】
■欧州議会とEU加盟国は12月5日、売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための新たな法律を発表したそうです。
■いま、使い終わった天ぷら油などの「廃食油」が世界で争奪戦になっているそうです。というのも国際ルールとして、世界の航空会社(JALもANAも)は今後ジェット燃料には必ず何割かの廃食油を使用しなければペナルティが課されることになったからだそうです。
以上2件の小耳ニュースから、世界がゴミの削減、省資源、省エネルギー、リサイクル推進の方向へ進んで行っているのが分かります。泉州地場産業のリサイクル技術”反毛”の復興を期待したいです。
【最後に】
本年もたいへんお世話になり誠に有難うございました。心より深謝申し上げます。
このブログで本年最後のブログを〆させていただきます。 来る令和6年も皆様方のご多幸をお祈り申し上げると共に変わりませぬご厚情の程、お願い申し上げる次第であります。
【お知らせ】
”5年連続” 東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2025年度版に掲載されました。
5年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。