意識して情報収集するようになってからは特に、時代が凄いスピードで変化して行っている事を、恐怖心を覚えるぐらいに感じています。
【所有することへの価値観の変化】
トヨタは「脱・車メーカー宣言」をし、モビリティ(移動)サービス事業の会社に転換していくと宣言しました。その背景には、「成人になったら車ぐらい持っていて当たり前」といった価値観を持つ者が少なくなり、「必要な時にだけ借りれば良い」という「シェア文化」が広がっていることが背景にあります。
時代は、所有する時代からシェアする時代へと変化して行っているようです。
月額定額制(サブスク)で、洋服やバッグをレンタル出来るサービスなども流行しているようです。音楽や映画もそうです。CDやDVDを買うのではなくサブスクで視聴する人が増加していますが、これもレンタルのようなものです。
インターネットを通して個人が容易にモノ・場所・乗り物etcを貸し借り出来る「シェアリングエコノミー」は、もっと発展していきます。
そうなれば物を所有することへの価値観は変化します。
【会社というものの価値観の変化】
いま大企業が続々とリストラを打ち出しています。
みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減、損保ジャパンが4000人削減、日産が世界で1万2500人削減etc。
「大リストラブーム」と揶揄する新聞もあるほどです。
経団連会長ですら終身雇用の限界を公言する時代です。そして働き方改革で、政府が副業を推進している時代です。あまりの流れの変化に戸惑っている人も多いのはないでしょうか?まさに私もその一人です。
当社は田舎の中小企業ゆえに、従来の日本企業っぽい「社員は家族」のような想いで経営して来たので、合理的というかドライな雇用関係や働き方改革に戸惑う気持ちがあります。
私の世代では多くの人が、「この会社で定年まで勤めあげる」という希望を持って就職していました。
しかし、大手企業のリストラのニュースを恒例行事のように見て育った今の10代の若者たちが社会人になる時代には、会社に希望なんて持たないのが当たり前になっているかもしれないな・・・と悲観しています。
悲しいかな、利害関係の一致だけで結びつくドライな割り切った雇用関係が一般的になっていくのでしょうか。
【暮らし方への価値観の変化】
驚いたのですが、かつて標準世帯と呼ばれていた「夫婦と子」の世帯は、構成比で今や3割弱しかいないそうです。一番多いのは、単身世帯(一人暮らし世帯)で構成比の35%を占めています。
単身世帯より「夫婦と子」世帯のほうが上回る県は、2015年時点では、埼玉・奈良・岐阜・滋賀・群馬・富山の6県ありましたが、2040年にはゼロになるそうです。
今日は価値観の変化について綴って来ましたが、最後に私の母方の祖母(故・亀田マツ)について書かせてください。
祖母は、すさまじい程の大変な苦労を重ねて歩んで来た人で、晩年は、夏の暑い日に洗濯物を干している最中に倒れ、寝たきりとなりました。
そんな祖母の語録を紹介させて頂きます。
・人間は朝起きたら寝るまで座る暇はない。(祖母は一日中働いていた)。
・ご飯は座って食べるな!(時間短縮のため、祖母は立って食事していた)。
・ご飯は只の働くためだけの燃料補給だから、黙々と喋らず只々さっさっと食え!
・眠れない日は寝なくていいが、明日の仕事の為に横になったら体は動かすな!
・夜は最後に寝て、朝はニワトリを起こしに行け!(幼少時に預けられていた数年間、祖母が寝ている姿を一度も見たことがない)。
いかがでしょうか?今の時代では考えられないような価値観ですが、価値観は時代とともに変化して行くものだから、正しいも間違いも無いと思います。
ただ、こんな祖母に育てられたからこそ、あの時、乗り越えることが出来たんだと思えるような場面が、人生に何度かありました。