社内規定の整備

ここ数年来、事業内容が多角化したことに伴い社員数が増加したことで、労働関連法規のカテゴリー(規制枠)が社員数49人以下から社員数50人以上枠へと昨年4月から変更になった。

社員数が50人以上になると、労働基準法はもちろん労働安全衛生法の義務が増える。

例えば産業医の選任や、衛生管理者の選任や、社員たちのストレスチェックの実施etc.である。それらの実施に加えて、私はカテゴリー変更以来、社内規定とくに就業規則の整備を進めてきた。

 

さて本日は、社内規定について、田舎の経営者である私らしいアナログな方法での整備の仕方を、恥ずかしながら綴ってみようと思う。

まず始めに、大手企業に就業経験のある社員を片っ端から呼び出しては、「他社さんはどうだった?」が口癖になるほどヒアリングをして比較検討した。

内容は当社の現在の社内規定を叩き台にして、不足している所、規定の度合いが他社より低い所、新規に追加した方が良い所などである。

私はキーボードを早く打てないので、社員たちから聞き取った内容はすべて鉛筆で叩き台のペーパーに手書きした。

次にヒアリング終了後は、鉛筆で書いたペーパーの字を消しゴムで消しながらすべて筆ペンで清書した。

清書したものをこの後に数度の役員会議にかけて、若干の訂正を経て社内的には完成した。それから社会保険関連の業務をお願いしているコンサルさんに社内規定が法律的に照らし合わせて瑕疵がないか精査を依頼した。

約2週間で精査も完了し、ほぼ訂正なしに完成し、社員代表と共同捺印の上、労働基準局に提出したのである。

過程を綴ってみたら、なんともアナログやなぁ~と自分で苦笑いである。

社員数が少人数だった時は、社内規定や就業規則はここまで厳密に整備されておらず、

「残業手当たっぷり出すから、なんとしても今日中に仕上げてくれよー!」「よっしゃぁー!」の世界であったし、ボーナスも経営者の匙加減で、「彼はまだ結果は出してないけど、一生懸命がんばっていたから弾もうか」など浪花節も出来たが、今は何でも合理的に細部まで規定が存在するので、もうそんな事は過去のことである。

義理や人情で経営できていた頃の方が私の性分には合っていたなぁと思うが、

いつまでも過去を美化して懐かしんでいたら、アナログ人間から抜け出せない時代遅れの経営者になってしまう。デジタル人間にならねば!