常に感度の良いアンテナを!

以前にも何度か書いていることだが、私は不安症である。(関連記事:不安の哲学 自分の背丈以上のことはしない

それゆえ24時間、いつも頭の中から仕事に対する不安が離れない。

仕事とは関係のない話をしていても、休日にどこかに出掛けていても、脳の一部には常に仕事のことがある。

そのせいか自分の意思とは関係なく昼夜を問わず突然に「経営手法のひらめき」が生まれて来る。その為、若い頃から常に枕元にはメモとペンを常備しているし、日中も手帳を手放したことはない。

ところで最近になって、生まれて来る「経営手法のひらめき」には2種類あることに気付いた。

 

まず一つ目は、忘れていた記憶や知識や経験などの情報を思い出すことによって生まれる「ひらめき」である。

私は経営に関して、すぐには解決できないような悩みを抱えた時にはいつも、約40年間に渡り師事させていただいている左右田鑑穂社長を頭に浮かべ、

「左右田社長なら、この状況を打開するにはどうされるだろうか?」と自分自身に問いかける。

現在では東証一部上場の大企業である東建コーポレーション(株)も、私が社長のご自宅でしばらく書生をさせていただいていた頃には、ちょうど今の当社と同じぐらいの規模であった。(当時社長はなんと30歳、現在私は55歳。年齢から考えても社長の偉大さが分かる!)

業種は違っていても会社の規模が同じぐらいであると、抱える悩みは同質のものが多い。

「あの頃の社長は今の私と同じような悩みを抱えていただろうか?社長はどのような考え方をし、どのような手法をとっていたか?」と記憶を辿る。また書生の頃から現在に至るまでに、ご教授してくださった数多くの教えをあれこれ脳内に蘇らせて、現状に当てはめながら解決方法を考察するのである。

するとそのまま問題解決に繋がる記憶が蘇えって来ることもあるし、また、何か月もたった時に突然忘却していた記憶が蘇えって来て、それが問題解決の糸口になることもある。

 

2つ目は、記憶や知識や経験などの情報が連結することによって生まれる「ひらめき」である。

具体的な例を出すと『「介護のことで専門家に相談したいけど、わざわざ出向くのも、電話で顔が分からない人に相談するのも嫌」というお声があったという記憶』が私の頭の中にあった。また、『フラワーホームカップには多くの高齢者が集まり、プレイをしていない空き時間もある』という経験からの知識もあった。それらが連結して、「大会会場の隅に介護の相談コーナーを作ろう!」という「ひらめき」が生まれる。といった具合である。

 

今回この記事を書こうと思ったのは、社員や職員そして若い人たちに、「ひらめきは情報から生まれるのである」と言いたかったからである。

ひらめきは何もないところから突然生まれるのではない。

だから常に感度の良いアンテナを立て、記憶や知識や経験を蓄積することが大切である。

 

【関連記事:ひらめきは情報を蓄積してから

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