昨年、定年まで公立学校で社会科の先生をしておられたという方とお会いする機会があった。
自己紹介をし合い、いくつか話をした後、話題はおのずと歴史の話に移行して行った。
ツーと言えばカーで話が通じ合うので、思わず先生を前に戦国時代について熱弁をふるってしまい、「本当にお好きですね」と呆れられた。
さて私は子供の頃から何事にも好奇心いっぱいで、見るもの聞くもの全てに反応してしまい、まわりに居る大人達を「これは何?あれはどんな仕組み?」と質問攻めにする「不思議だなぁ少年」であった。
小学校2年生のある日、こんな事があった。
学校の帰り道、ある1匹の虫を見つけて家に持ち帰った。そして理科の教科書で調べてみたが、どこを探しても載っていなかった。その後、父にその虫を見せて名前を聞いてみたが、父も名前を知らなかった。
私は父に「大人やのに、こんな虫も知らんの?アホな大人やな!」と言った記憶がある。
しかし父は、私の暴言に怒りもせず何も言わなかった。
翌日、学校から帰ると小学館の「昆虫図鑑」が机の上に置かれていた。
その本を見つけるなり私は夢中になり、夜遅くになって父から「明日も学校やろ!早く寝なさい!」と言われるまで読み耽っていた記憶がる。
それ以降、父は誕生日や記念日ごとに、小学館の図鑑シリーズをプレゼントしてくれるようになり、6年生のころには全巻揃った。
その中でも特に、中国の始皇帝の陵墓発掘やエジプトのピラミッドなど、お宝探し系の図鑑が大好きだった。
というのも、その図鑑が手に入る以前に、シュリーマンの「トロイの発掘」と「ツタンカーメン王の呪い」というノンフィクション本を読み、「僕もどこか外国に行って、お宝を発掘しよう!」と夢を抱いたからである。
しかし暫くのち、私は「子供だから、まだ外国には行けない!?」と考えて、今度は「武田信玄の隠し蔵伝説」や「徳川幕府埋蔵金伝説」など日本史を中心に、あれこれと本を読み漁るようになった。
そして、それらの本を参考にしながら、「もしかしたら??」と近所の山や河原や空き地に穴を開けまくるようになった。
中学生になる頃には、小学生向けの図鑑から脱皮して、今度は古本屋で歴史本を探して読むようになった。
初めは、お宝発掘を目当てで読んでいたが、いつしか歴史上の人物(特に武将の人生)に魅了されるようになり、ますます歴史好きに拍車が掛かった。
ここから現在に至るまで、私の歴史好きは変わらない。
歴史のリーダー達から学ぶ>>でも書いたように、歴史本からリーダーの姿や組織作り、戦略など、失敗も含めビジネスに生かせることが学べる。
歴史好きになったきっかけは、1冊の昆虫図鑑であった。
何がどこでどう繋がるか分からないものである。