機会損失の排除

今回は、中小企業におけるビジネスチャンス損失の排除について書きたい。

大まかに「営業」・「電話対応」・「製造」の3つに分けて、当社における具体例や目標も含めながら、書き進めていきたい。

 

営業においての機会損失の排除

まず中小企業の営業部門においての機会損失の一番の原因は、営業拠点と人員が少ないことである。

その欠点をカバーするためには?

1、

代理店さまを1店でも多く開拓すること。そして定期訪問における商品の勉強会や、より多く販売して頂くために魅力あるパンフレットを作成し、少しでも当社の商材が売り易いように販売の後方支援をさせて頂くこと。

2、

ITを中心とした販売促進資料を高度化させると同時にPR効果を高めること。

HPは24時間営業活動をしてくれるものであるから、営業マンにすぐに連絡が付かないことによる機会損失を排除するためにも、最新の情報をwebからお客様に取得して頂けるようにマメに更新を心がけること。そして一人でも多くのエンドユーザーさまの目にも触れるようにすること。

ちなみにテキスタイル事業部ではアプリを作成しアプリを使っての営業や見積もり、シニア事業部ではパワーポイントを使っての営業などで、営業拠点や人員の少なさをカバーしている。

3、

全員営業>>を心がけること。

そのためには情報を自分の部署内(事業部内)だけに留めてしまわず、社内全体で共有すること。

社員全員がアンテナを高くして、自分の部署(事業部)以外の情報にも敏感になることで、部署外のことをお問い合わせいただいても、皆がその場で受け答えが出来る体制を目指すこと。

 

電話対応においての機会損失の排除

「ビジネスチャンス到来は電話対応の如何にある」言っても過言では無い。

電話での問い合わせにおいて、会社の第一印象はその「受け答え」で決まる。

シニア事業部を開設し、多くの新入社員やスタッフが入社して来た。電話対応が上手い者もいれば、そうでない者もいる。電話対応の斑(むら)による機会損失を排除するために、各自のポテンシャルに任せるのではなく「電話対応マニュアル」の厳密化と更新に取り組んで、大企業並みの電話対応品質向上にむけて日夜、研修を怠らないこと。

その他にはアフターサービスとクレーム処理も大事な要素の一つである。

アフターサービスは次のビジネスチャンスに繋がっているし、特にクレーム処理の内容は、次の商品開発にも繋がっている。

 

製造においての機会損失の排除

中小企業であるが故、端境期に赤字を出さない最小限の製造体制を敷いている関係上、繁忙期には製造キャパの限界値にすぐに達してしまう。ここが中小企業の一番大きな泣き所である。

キャパが無ければたとえ大きな仕事が舞い込んでも断るしかない。これではビジネスチャンスの大損失である。

そこで当社では「端境期の自社でのある程度の作り貯め」・「繁忙期に派遣社員投入での24時間製造体制」・「繁忙時期に差異のある産地への協力依頼製造体制の構築」・「同業他社との在庫融通化による協力体制」・「最後は海外での緊急買付」という5本柱で対処している。

 

その他に機械損失を挙げるとすれば、大手さんに比べて製造コストが高くなってしまうというところであろうか!?

中小企業は、製造コストの安い海外への進出は資金力の脆弱さから簡単には儘ならない。

そこで小回りが出来ることとレスポンスの速さという特性を生かして商品自体の付加価値を高めた「なるべくコスト競争の影響を受けにくい物づくり」で、対処して行くという道しか無いと思うのである。

そしてここで一番恐いのは既得概念に囚われて、去年も売れたから今年も引き続き売れるだろうと楽観視してしまうことから起こる商品の開発遅延と、既成概念に囚われて、「過去に作った経験の無いものだから」と簡単に「出来ません」と断ってしまうことでビジネスチャンスを逃すことであろう。

 

 

いくつか例を挙げたが、結局は「ヒューマン」である。

(ITの例も挙げたが作成するのも更新するのも使うのも人である)

これが経営の要諦の中でも昔から言われている「企業は人なり」という言葉の意味であり、「社員教育の重要性」の如何だと私は理解している次第である。