信念のない仕事は空疎である

先般、『南海難波駅で陸上自衛隊が大型不発弾を撤去!』という記事を新聞で見かけた。

第2次世界大戦中に米軍が落とした不発弾の中でも強力な部類であり、1トンもある爆弾であるらしい。

破片は半径1キロメートルの範囲で飛散する可能性があり、半径300メートルに渡り立ち入り禁止にし、住民を一時避難させた状態で撤去作業が行われたと記事に書かれていた。

過去にも不発弾の記事は何度も見かけたことは有るが、今回はいつも市内に出る時に利用する南海電車いうこともあって関心をひかれ、紙面を読んだ後、ネットで詳細を調べてみると、驚きの事実を知った。

 

まず信管は経年劣化により生きてはいないと思うが、爆発の可能性はゼロではないこと。

そしてもしこの1トン爆弾が爆発したら地面に数十メートルの大穴が開くこと。

過去5年間だけでも256.7トンの不発弾が全国各地で見つかり処理されたこと。

防衛省の推計であるが、まだこの他にも全国で未発見の不発弾が2,000トン以上有り、今後も全国各地で処理が行われること。

また過去に不発弾処理中に爆発して、負傷者が出たことがあること等である。

 

幸いにも不発弾処理は陸上自衛隊 第103不発弾処理隊 猪原卓也隊長の指揮と隊員の方々のご尽力のもと無事に回収された。

が、不発弾処理は自衛隊員の任務といえ、地面に大穴が開くほどの爆弾の処理とは何と危険な命がけの仕事であろうか!?

昨年、「仕事とは」でも書いたが、自衛隊や消防隊員や警察官の方々は、命を落としかねない状況の中でも自らの危険を顧みず、自分の職務を遂行されている。

この歳になって考えることだが、自分自身がもしこの立場になったら命を顧みず勇気を持ってこのような仕事に従事することが出来るであろうか?と思った。

その時、頭に浮かんだのが「信念」という言葉である。

「国民の安全を守る。そのことにより社会に貢献する」という信念。

この「信念」なしには、いくら命令されても、いくら給料をもらったところで遂行できないだろう。

 

信念が無ければ仕事は単なる労働である。

自分の人生の大半の時間を費やす仕事が、「単なる労働」で「単に生計を立てる手段」とは虚しい。

信念のない仕事は空疎である。

では信念とは何なのだろうか?

自分が仕事を通して何をしたいのか?そのマクロ的な目標。

それが信念だと私は考えている。

私自身の信念は「三方良し」である。

自衛隊員の方々のように「命を顧みず」とまでは出来なくても、私は私の仕事と役割に信念を持って邁進し、少なからず社会に貢献出来るよう精進を重ねて行かなければならないと、この度のニュースを見て、改めて誓った次第である。

 

今回、色々調べた中の余談だが、不発弾処理を行った場合の特殊勤務手当は出動1回につき5,200円と定められているそうだ。

崇高な信念をお金の金額に換算するのは良くないとは考えますが、あまりにも安すぎるので国会議員の方々・防衛省の首脳の方々。

特殊勤務手当の増額を要求いたします。

 

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