全員営業

「不確実性」という言葉が、現在の激しく変化する経営環境の代名詞として多用されるようになる中、この厳しい環境を乗り切る為の「生き残り施策」として、「全員営業」という言葉が、規模の大小を問わずどこの企業でも、以前にも増して益々声高に叫ばれるようになってきた。

ご多分に漏れず、当社でも社員数が増え始めた10年ほど前より、色々な形で取り組みを行っている。

そこで今回は、「全員営業」について今後の深化を重ねるため、現状を考察してみたいと思う。

 

<社長の営業>

まず「全員営業」と言うからには、社長である私が自らの汗で先頭に立つことはもちろんで、金額ベースでも目下私が当社のトップセールスマンである。

以前にも書いたが、人と人の関係には「真実の付き合い」と「実用の付き合い」があると私は考えている。用件が有っても無くても顔を出したり、連絡を取ったりして、相手のことを心に掛けるのが「真実の付き合い」、反対に用事がある時にだけ付き合いをするのは、私の造語だが「実用の付き合い」と呼んでいる。

営業の基本は「真実の付き合い」だと考えているので、もうお取引が無くなってしまった会社の方々、廃業された方々、退職された方々にも、現住所の解る範囲で年に約1~2回、手土産やパンフレットを持参し、感謝を込めて現状報告をしに行かせて頂いている。

亡くなられた方にはそのご家族に、命日の月に毎年お花を送らせて頂いている。

これらの行為が直接的な利益に結びつくわけではないが、困っていた時に力添えをしてくださったり、助け舟を出してくださったりした事もあり、あちらこちらに「繋がり」があるというのは会社を経営して行く上で心強いものである。

また、たった一言でも当社を評価する言葉を外側に向けて話して下さった方たちのことを、不肖失礼ながら当社の「営業マン」「営業ウーマン」だと思わせて頂いている。(スミマセン!)

 

<事務職の営業>

情報を共有すれば、事務職員の電話対応一つとっても、「伝言」ではなく「営業」にすることが出来る。実際に当社の総務部長は、注文の電話を同じ担当者から何度も受けているうちに世間話を交えるようになり、そうなれば接待させて頂こうという話になり、そんな訳で営業職に係らず一般職も交際費を使えるように変更した。

 

<工場職の営業>

当社のよく売ってくれる営業マンたちは各製造部門の責任者でもあり製造業務にも就いているが、工場で働く皆が皆、外に出て営業するわけではない。

例えば、当社には1日に10台以上の入出荷のトラックが工場に来る。

製造事業の目で見ればトラックの運転手さん達はビジネスパートナーだが、サ高住事業の目で見れば、運転手さん達もどなたかを紹介してくれるかもしれないお客様の一人である。

そこで当社に来られる運転手さん達に、汗を拭いてもらうための社名入タオル等と一緒にサ高住のパンフレットを工場の出荷担当者から手渡しさせて頂いている。

また工場の社員が直接お取引先に配達に行かせて頂く場合にも、ちょっとした粗品(今の季節なら扇子など)と共にパンフレットを添えさせて頂く。

また工場に来られたお客様に、気持ちの良い挨拶をすることだけでも、営業マンの後方支援であり間接的営業であると思う。

 

今月の自分の仕事を遣り終えたからお給料が入るのではなく、お客さまが商品やサービスを購入して下さったからお給料が入る。そう意識を変革することで、社員のすべて誰でもが、心からお客さまに「ありがとうございます!」と感謝して言える、そんな「社内体制作り」が今後の必須課題であり、「全員営業」ひいては企業経営の要諦であると思う次第である。

 

 

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