強い企業の体質作り

昨今、巷の書店では「高体温に体質改善しよう」、「高体温は病気になりにくい」というような類の書籍を多く見かける。
有難いことに、私は子供のころから平熱が37度近くという高体温な体質である。高体温から来る代謝の良さと免疫力の高さから、この歳まで病気らしい病気は、ほとんどしたことが無い。
学生時代に集団食中毒があり全寮生約60名中の内、58名が罹患した時も、私は何ともなかった。寮長の先生からは「お前ら2人は、どんな時代になっても、どんなところに流されても、何を食っても、生きて行けるな!」とお褒めの言葉を頂いた。(笑)

しかし油断は禁物なので人間ドックは欠かさず受けている。

 

前置きが長くなってしまったが、今回は「企業体質」について述べたい。
始めに企業を人間の体に置き換えると、その共通点の多さに驚く。例えば「体格」「体力」「体質」。
まず「体格」は、売上高や社員数、会社の総資産等、すなわち会社の全体規模の大小であろう。

次に「体力」はズバリ金融や経理の状況であり、すなわち総資産経常利益率や自己資本比率であろう。

大きいに越したことはないが、「体格」「体力」が強大だからといって必ずしも企業の存続をこの2つは保証するものではないと思う。
体格も立派で体力のある格闘家が、必ずしも長生きとは言えないのと同じで、長生きするには「病気になりにくい体質」が重要な要素である。
では「体質」とは具体的に何かというと、経営者を含めた全体の人材の質であり、また経営方針・戦略の周智徹底、コストパフォーマンスやリスクマネージメントであろう。
長期安定経営の企業を目指すならば、「企業体質の強化」が必要不可欠だ。
体格の大きい人でも、病にかかれば長生き出来ない。そこに体力があれば、病と闘うことが出来、もしかしたら復活することも出来るかもしれない。
けれども「長生き」を目標にするのならば、体を大きくすることよりも、体力を付け、病気にならない体質を作り、それを維持し続けることが大切だ。
勘違いされやすいのだが、当社が新規事業へ進出するのは体を大きくする為ではなく、経営環境の変化に対応しやすくする為であり、「病にかからない為の強い体質作り」の意味合いが強い。


ところで「体格」「体力」「体質」と並んで重要なのが、「健康に気を配る生活習慣」である。
自分は病にかかる可能性がある事を前提とし、その病を予防する為に、ウガイ手洗い、定期健診を行なうのと同じように、過信や油断をせず「たえず見直し」を行って不安要素を改善することを習慣化することで、企業の長生きは得られるのではないか。
こうして考察してみると、企業も人間も、どちらも生き物であり、やはり同質なのだと改めて感じた。