先般、母校の学生約十数名と会う機会があった。
食卓を囲みながら色々と話す中で、気づかされることが沢山あった。
驚いたことに、ほとんどの学生とは初対面だったのに、なぜか多くの学生が私の事を知っていた。
というのは会食が決定後、彼らは事前に私の事をHPやブログなどを見て下調べしていたのである。
我々現代のビジネスマンにとってそれは当たり前の事だが、自分のバンカラ学生時代と比べれば、今の子達はなんと洗練された身のこなしだろうと感心した。
今の時代、ITは人の暮らしやコミュニケーション、そしてビジネスに必要不可欠なものとなっている。
世の中がこんな風になる30年以上も前から、私の師匠である東建コーポレーション㈱の左右田鑑穂社長は、預言者のようにITの重要性を私に教示してくれていた。
30年以上前と言えばまだWindowsなんて存在せず、パソコンは高価で個人はもちろん大企業でも限られた部門でしか購入できなかった超アナログ時代。
そんな時代から東建コーポレーションの前身である東名商事の本社には、試験運用段階ではあったが、もうすでにコンピューターが存在し、社長はITの今後の有効性をたえず語られていた。
左右田社長のお話を聞かせて頂きITの有効性を感じていたものの経済的な問題もあり、当社がパソコンを導入したのは、社長に遅れること十数年以上後であった。
その後、当社は名刺の延長線上程度の簡単なものではあったがHPを製作した。
その当時は中小企業の製造業者でHPを作っていた会社は少なく、「問屋さん相手の商売で、なんでそんな物がいるの?」と不思議がられたり、私が若かったせいもあったのだろうが「目立ちたがり屋」と冷笑を浴びせられた事もあった。
また「ほかにすることがもっとあるだろう」と、年配の中小企業の社長にはお叱りまで受けた。
その後、当社のITの転機は今から約8年前。
左右田社長から「立花、次の段階を視野に入れるのならWebを今よりもっと充実させる事だ」とご指導頂いた事が、きっかけだ。
それを機に、名刺レベルの情報量であったHPの内容を充実させ、より詳細で新鮮な情報を発信するように努め、リニューアルを繰り返している。
その成果は確実に出ており、情報発信量の増加に伴い年々、ビジネスチャンスや取引先が増えている。
また本年度からはまだ1名ではあるが、4月よりWeb編集室も設けて、更なる情報発信を心掛けている。
最後に一つ、前出の学生達との会話の中で気になったことがあった。
学生達は就職先を選ぶ際にも、Webを通して様々な情報を収集し、就職先の取捨選択をしているとのことであった。
決して大手企業ばかりを選り好んでいる訳ではないが、情報量が少ない企業を就職先に選ぶのは二の足を踏んでしまい、情報量の多い企業から選択しようとすると結果的に大手企業が候補に残る、との事であった。
これは消費者の心理とも共通する事柄であり、我々中小企業の経営者も真摯に耳を傾けなければならない声だと思う。
情報の発信そして発信の積み重ねが、いかに大切かを再認識させられた出来事で有った。