私は、私の師匠である左右田鑑穂社長の著書はバイブルとしているが、それ以外のビジネス本は読んだためしがない。
なぜならばリーダーの姿や組織作り、戦略などは、失敗も含め歴史本から全て学べるからである。
私の趣味の一つに読書が有るのだが、戦国時代の歴史物を読むことが多い。
中でも特に信長、秀吉、家康、が大変おもしろく学ぶところが多い。
ご存知の通りこの3人の功績により、戦国時代各地に点在していた勢力が統一され、近代日本の基礎が形づくられたのである。
この3人が生きた時代の変化を「会社の形の変化」、そして3人のリーダーを「一人の社長の変遷」に置き換えてみると、社長の役割や組織作りのヒントが見えてくる。
そのことを左右田社長は「成功へのアドバイス」の中で述べられている。
まず、何もない所から形(会社)をつくった織田信長。
信長は、自が先頭に立って行動してみせ、強い牽引力で皆を率いて行くリーダーであった。
そして造られたもの(会社)を広げた豊臣秀吉。
協調性があり、根回しや懐柔が得意で人を使うのが上手いリーダーであった。
そして広げたもの(会社)を、より強固なものにした徳川家康。
人を育てるのが上手く、組織作りがうまく、マニュアル化することにより長期安定政権の基礎を築いたリーダーであった。
こうして見てみると、会社の変化と共に、求められるリーダーの形も変化して行くのが分かる。
今の私をこの三人に当てはめてみると、信長に近い秀吉ってところだろうか。
経営者として約30年の年月を経て、体力的な理由もあり、最近ようやく何とか人を使うことを覚えてきた。
しかし秀吉のままでは先細りしてしまう。家康になる必要がある。
家康は、幕藩体制により地方分権をし、地方のことはそれぞれの大名たちに任せていた。
任せられると大名たちも一層責任感を持ったであろうし、自分の藩を発展させようと努力したであろう。
何でもリーダーが決定するのではなく、任し、権限を与え、責任を待たせる。
それが人を育てるということでもあるだろう。
会社が業績を上げて発展していく為には、「人を適材適所に配置して上手に使うこと」、そして会社を永続させるには「人を育てること」が大切である。
また徳川幕府は、拡張主義に奔らず内政の安定に努めることにより、長きに渡り政権を保った。
結論としていま私が考えていることは、今後やみくもに年商を伸ばすことだけに注力するのではなく、長期に渡り安定経営を保つということである。
人を育てる能力が長期安定経営の必須条件であること、そしてそれが我が社の今後の課題であることを私自身が肝に銘じて進むべきであろう。
・・・と、ここまで書いた事と相反するかもしれないが、私の経営理念としてはやはり「まず自分が先頭に立って一番働くこと」である。誰よりも働くリーダーの下であるからこそ部下は自ら動くのであり、先頭に立つリーダーの姿を見て部下は育つのである。と私は思っている。
いきなり家康にはなれない。
まずは信長から。そして秀吉、家康へと、私も含め社員一人一人が変化して行かねばならない。