『何事も諦めず気が遠くなるまで繰り返す!』
私は柔道の中でこの事を学ばせて頂きました。諦めず精進を続けている限り未来に続く道は必ずあるはずです。この歳になっても今尚、なかなか未来はスッキリとは見通せません。しかし日々に危機感を持って覚悟を決めて、走り続けております!
2024年
10月
23日
水
「稲むらの火の館/津波防災教育センター」に当社の商品が展示されています
先般、災害備蓄用生理用品等で協業させていただいている、花王カスタマーマーケティング(株)様と、花王(株)様の研修センターにて協業会議及び合宿、そして「稲むらの火の館」の見学をさせていただきました。
今回の花王カスタマーマーケティング(株)様との協業会議及び合宿は、二日間に渡り、地域社会や避難所の災害備蓄品に関する様々な問題や、避難時に新たに発生するであろう課題を一段深く掘り下げて、理解を深めさせていただきました。
また避難者のニーズに沿った新たな製品開発の検討や、災害備蓄品を取扱う事業者として、備蓄の普及啓発を社会貢献活動と並行して進める取り組みについて意見交換させていただきました。そして持続可能な社会の実現と災害に強い町づくりに貢献できるよう、共に取組みを進めていくことを確認いたしました。
ところで今回、訪問させていただいた「稲むらの火の館」は和歌山県有田郡広川町に位置し、安政南海地震の大津波から村人を救った濱口梧陵さんの功績を紹介している濱口梧陵記念館と、津波被害の実情や防災について学べる「津波防災教育センター」からできています。
記念館では、濱口梧陵さんの業績や「稲むらの火」の物語の成り立ちと合わせて津波防災に対する様々な施策などの貴重な資料がパネル展示されており、訪問される人々に防災の重要性を訴えていました。
また、津波防災教育センターでは津波の恐ろしさを体感できる模型や映画の上映及び防災に関する様々な実情を踏まえたパネル展示がありました。特に災害発生時における皆が一体となって助け合い、迅速に避難するための「共助」について具体的に提示されていることが特徴的でありました。
有難いことに、こちらの施設内に、花王(株)さまと当社の災害用備蓄衛生用品とパネルが展示されています。(関連商品HP>>)
災害用備蓄品の参考品として様々な備蓄品とともに展示していただいていることに感謝申し上げます。大変励みになります。
過去の災害時には、生理用品・おむつなどの衛生用品類が不足することが多くありました。女性にとっては必用不可欠な物資にもかかわらず、女性特有のニーズや問題が十分に考慮されず、他の緊急物資に比べて優先度が低く見なされていたことが一因かと思います。
東日本大震災の経験から、災害時の生理用品の重要性について社会の認識はかなり高まったと感じますが、しかし災害避難時の衛生管理に関する備蓄は依然として不十分のようです。
過去の災害から得られた教訓を踏まえ、政府や自治体は一定の対策を講じてきましたが、現実には避難所での衛生環境が未だに確保されていないケースが多々あるようです。
例えば、消毒液やトイレ用品や口腔衛生品やウェットティッシュなどの基本的な衛生用品の不足は健康問題や感染症にもつながります。地域社会や企業や個人も自己防衛のために備蓄を行うことが大切だと感じます。
また今回の「稲むらの火の館」を訪問させて頂きました折、光栄にも崎山館長様に直々にご案内頂きまして先人の知恵を学ばせて頂ける貴重な機会となりました。
そしてこの時代には、すでに現在と同じような「応急・復旧・予防」が行われていたことと、約八百数十年前より八回発生した南海沖地震に関しましての詳細な津波の記録があることに驚きました。そしてその記録が在ったからこそ「稲むらの火」の物語が起こり、早期の避難を成し得たのだと記録の大切さを痛感致しました。
このような貴重な機会をお与えくださいました、花王カスタマーマーケティング株式会社様、「稲むらの火の館」をはじめとする全ての皆さま、また参加者の方々に深く感謝申し上げますと共に今後も、このような協業及び協力関係を礎に社会に貢献すべく精進を重ねる覚悟であります。
2024年
10月
03日
木
楽しい時間
秋分の日が過ぎ、まだ日中の暑さはそれほど和らいではいませんが、朝夕は虫の音もちらほら聞こえて涼しく感じられるようになってまいりました。
さて先般、天理高校柔道部の後輩である中野寛太君(現 旭化成)が、平成六年度 全日本柔道選手権で優勝し、また同じく後輩の新添左季さん(自衛隊体育学校)がパリオリンピック柔道団体で銀メダルを獲得されたことを祝し、記念の祝賀会が天理柔道会主催で開催されました。
この日、私は千葉からやって来る先輩を関西国際空港まで迎えに行き、そのまま奈良県の天理市まで車を走らせました。
会は約700名が参加する盛大なものでした。
私の世代にとっては、旧知のなつかしい顔ぶれが一堂に会し、お互いの現状と健康状態を確認し合い、旧交を温める場となりました。
祝賀会の後は、高校時代の寮生活で同じ部屋だった先輩1名、後輩2名、私の合計4名で、天理市から大阪の泉佐野市に移動し、(私は一旦車を会社に置いてから)2次会に行きました。
後輩の1人が今年還暦を迎えたので、その祝いを兼ねて居酒屋で3時間昔話に花を咲かせました。
さらに3次会はカラオケに行きましたが、ほとんど歌わず、時間が経つのも忘れてまだまだ喋り続けました。
4次会は深夜営業の食堂で焼きおにぎりを夜食の締めに食べるつもりが、そこでもまた飲み、その後ようやく解散となりました。
長い長い宴でした。
この年になると普段は夕方頃に疲れが出たりするのですが、旧友に会うとまるで高校時代に戻ったかのような気分になり、昔話にアドレナリンが噴出し、バカ話に大笑いし、大人になってから出会った人に言うと絶縁されそうなほど失礼な事を互いに言い合い、心が若返ることで体も元気を取り戻し、「次いこ」「次いこ」と4次会までの長丁場になりました。
午前中から深夜まで、ずっと喋りとおしたので、一人タクシーに乗り込むと気が抜け、満足した気分と同時に、もう声も出ないぐらいクタクタになりました。
学生時代、同じ屋根の下で共に寝起きし、笑い、柔道に汗を流し、悩み、楽しんだ時間があったからこそ、還暦を越えた今でもこんなに特別な時間を過ごすことができるのだと思います。
皆さん、これからも健康に気をつけて、それぞれの道で精一杯頑張っていきましょう。
そして今後もたまに、時を忘れるほど楽しい時間を共に過ごしましょう!ありがとう。
2024年
8月
24日
土
南海トラフで注目集まるBCPと当社の防災対策
先般、初の「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。その後、呼びかけは終了しましたが、いつ大規模地震が発生してもおかしくないという想いは益々強くなりました。
地震だけではありません。
当社があるここ泉南市に私は約60年近く暮らしていますが、これまで大きな災害に遭ったことは1度も無かったのに、ここ6年ほどの間に台風被害に2度も遭いました。(関連記事:■2018年の台風被害>>■2023年の台風被害>>)。さらに現在進行中の懸念ですが、台風10号が関西に上陸のおそれがあり進路図を連日注視しています。
また2020年~には新型コロナのパンデミックが日本でも発生するなど、近年は企業の事業活動に甚大な影響を及ぼすようなリスクが相次いで発生しているような印象があります。
先日「南海トラフ地震の防災対策で注目集まるBCP策定」という記事を見ました。
BCPというのは事業継続計画のことで、企業が災害などの緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業を継続し早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
私は2018年の大きな台風被害、2020年のパンデミックを経験した結果、2021年にISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の認証を取得すること決めました。
その時の気持ちを「事業継続マネジメントシステムを構築する>>」の記事の中で次のように綴っています。抜粋してみます。
「次また当社が被災した時には、前回の反省点を教訓とし、より効率的で効果的な対応が出来るように事業継続計画(BCP)を策定しようと思いました。
BCPがあれば、各事業部のリーダー達も、逐一私に判断を仰ぐ必要もなく、不安を持ちながらの自己判断でもなく、合理的な根拠に基づいて行動を順次起こせると思いました。私自身も意思決定がしやすくなります。
しかしただ事業継続計画を策定するだけでは、いざという時に計画倒れになってしまう可能性があります。BCPを従業員に浸透させ、定期的に改善と最適化を組織的に行うシステム(BCMS)を構築したいと考え、どうせやるならばBCMSの国際規格であるISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の取得を目指し、この度、皆様のお陰で認証を取得することが出来ました。
災害発生後からの事業再開が遅くなればなるほど、お取引先を失うリスクも高まります。
また、これだけ自然災害が増えて来ると、ESGやSDGsと同様に、BCP策定の有無がビジネスパートナーの条件になる未来も近いと考えています。
またそのBCPも専門の第三者機関が審査した国際規格となると、当社の強みにもなると考えています。
また当社のテキスタイル事業部は、主に官公庁向けの災害用毛布を製造しているという特色から考えても、災害から早期復旧し、いち早く物資を社会に供給することは当社の使命でもあり社会的責任でもあると考えています。」
実際これまでの大災害でも政府から災害用備蓄毛布の緊急要請が私たちの業界にあり、伊豆大島の全住民島外避難の際には2日間で毛布2万枚(関連ブログ:無茶な要請>>)、東日本大震災の際には近所の校庭に自衛隊のヘリコプターが毛布を取りに来るなどがありました。当社は災害用品を取扱っているのですから、たとえ自社が被災したとしても早期復旧することが求められていると自覚しています。
またシニア事業部では高齢者住宅の運営を行っているため、災害への備えの再確認や設備の点検を定期的に実施し、できることは全て行っています。(関連ブログ:フラワーホームスタッフブログ>>)
丸竹コーポレーションは、地震発生時における入居者様と社員の安全確保と迅速な情報伝達を最優先事項としています。
地震発生時に全社員に警報を発する社内放送システムを使用して即座に伝えることにより、社員の安全確保及び避難を行います。
さらに当社は、地域社会との連携を重視しています。泉南市と協力し、地域住民へのAEDや備蓄物資等の供給、また社内防災教育及び防災訓練を定期的に実施しており、災害発生時には地域社会への支援も行う体制を整えています。
私たちは現在、地震や台風といった自然災害に直面しています。
私たちの組織は事業継続マネジメントシステムを構築し、危機に立ち向かうための準備を整えています。
目下の問題としては現在進行中の台風が、当社が被災した台風21号の時と同じ進路が予報されているので、どうなるか心配ですが、これまでも多くの関係者の方達に支えていただきながら、丸竹は緊急事態を乗り越えて来ました。困難な状況でも、冷静に対処し、社員一同皆で協力して前進しましょう。
皆様のご健康と安全を心よりお祈り申し上げます。
2024年
7月
26日
金
暑中お見舞い申し上げます
昨年より国連のアントニオ事務総長が「地球沸騰化」という言葉を使われていますが、ここ大阪も梅雨明けを境に、毎日の酷暑は天気予報士の言葉通りに「身の危険を感じる」ほどのものです。
平安時代の古より季節のご挨拶で使われている「暑中お見舞い~」を「酷暑お見舞い~」に変えても良いような気がします。どこまで地球温暖化が続くのか考えますと不安に苛まれます。
さて6月下旬より時候の挨拶も兼ねまして、ご訪問させていただいたり、お越しいただけたりする機会や、新しく開設した繊維再生事業部に見学や取材に来ていただけたりする機会が多く、ここ1か月ほどは多くの方々にお会いしました。
そんな中で今回は「やっぱり類は友を呼ぶなぁ」と思ったお話を2つほど書いてみようと思います。
1つ目は繊維関連最大手の某新聞社の方々ですが、取材にお越しいただいた2名どちらの方も本格的に歴史を趣味にされている方々でした。
取材後のことです。
当社の社章は、家紋の丸に橘に若干のアレンジを加えたものなのですが、橘の伝承の話題を皮切りに、私も稚拙ながら俄か歴史好きですのでお話が弾み、邪馬台国から大和朝廷への変遷、鎌倉時代まで白熱した論争が進み、約2時間素晴らしく盛り上がりました。
帰り際にお聞きいたしましたが、お一人の方は歴史検定1級をお持ちの方でしたし、もう一方の方からは翌日に「丸に橘」の家紋の由緒をメールで頂きました。
2つ目は繊維関連の某研究機関の方で、当社の新製品のデータを検証していただいている検査官の方ですが、当社の応接間の隅に子供用の昔ながらの鞠やでんでん太鼓等の玩具が置いてあるのを見付けられて、データのお話が終了すると間髪を入れずに
「御社にも座敷童子さんが来るのですか?実は私の家にも来てくださいます!」と、おっしゃられ、1時間ほど「座敷童子さん」の話題で盛り上がりました。
私は座敷童子さんにお会いしたことは無いのですが、一人で残業をしていると深夜0時過ぎに何度か廊下を足早に歩く子供らしき足音と気配を感じたことがあります。
そう私がお答えすると、検査官の方も、
「私も似たような感じです。お会いしたことは無いのですが、最初は玩具を置いていなかったので、ゴミ箱のゴミが散乱していたり、部屋の隅にあった電気のコードが部屋を斜めに横切る形で移動していたり、また閉めていたはずの箪笥の引き出しが勝手に開いていたりしまして気付きました。そして最近になって、玩具を置くようにしています」とのことでした。
続けて検査官の方は「実は家内からは『空き巣が入って、うちの家は何も取るものが無かったので、何も取らずに帰ったのでは?もしくは鼠を追いかけて入って来た野良猫じゃないの?あなたは科学的な仕事をしているのに真剣にそんなことを本当に思っているの?いい歳して大人が笑われるよ!』と言ってバカにされていますが、私は確かに、科学的に検証は出来ないけど、来てくださった!と信じている」とのことでした。
しかしながら奥様は納得できず反論が続いたそうで、検査官の方はこう返したそうです。
「パナソニックの松下幸之助さん、HONDAの本田宗一郎さん、国語学者の金田一京助さん等の著名な方が、わざわざ遠野の緑風荘まで出向いて体験したことは、そしたらどう説明するの?」
注釈ですが前述の著名な方々は「緑風荘」で座敷童子に会い、運を掴んだとされています。他にも首相を務めた原敬さん、三木武夫さん、福田赳夫さんなど。
検査官の方は「家内とは交わらない会話で終始するんです」と笑っておいででした。
そこで私も、「実際に見たわけではないですが、座敷童子さんの存在を信じています!」とお伝えし、以下のようなお話をさせていただきました。実際にお話した内容より、もう少し丁寧に書いてみます。
当社には座敷童子さんがいると信じることで、幸運が訪れるかもしれないと前向きな気持ちになれます。次に進むためのエネルギーやモチベーションを得ることもできます。また目に見えるもの以外の存在を受け入れることで、神様的な何かに見守られていると感じ、心の平安を感じやすくなりますし、感謝の気持ちや謙虚さ、自制心にもつながります。
自分自身の心の中に神様的な何かが居るか居ないかが重要なので、科学的に神様や座敷童子さんが存在するかしないかの証明は必用無いのです。
世界の多くの宗教や信仰で「神・仏はあなたと共にある。あなたの信じる心と一緒にある。」というようなことが唱えられています。まさに「信じる者は救われる」ですね。
今回、仕事を通じて、同じ趣味を持った方達や、話が合う方と出会うことができました。この出会いも座敷童子さんが運んで来てくれたのやもしれません。
最後になりましたが改めて暑さ厳しい折、ご自愛の程お祈り申し上げます。
2024年
6月
26日
水
60代こそデジタルを味方につける
【ご存知ですか?死亡最頻値】
今回のブログは、同年代に向けて綴りたいと思います。
高齢者の定義を「65歳以上」から「70歳以上」に引き上げることを検討するべきだと、政府の経済財政諮問会議で意見が出されたとのニュースを先月見ました。
現在、日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳です。しかし「平均寿命」は外れ値(例えば0歳で死亡など)の影響を受けやすいため、実際の数値を正確に反映しているとは言い難いです。
そこで最近注目されているのが「死亡最頻値」です。
死亡最頻値は、最も多くの人々が死亡する年齢を示します。
最新のデータである2020年のデータでは、男性は88歳、女性は93歳で亡くなる人が最も多いということです。
今の60代が80代になる頃には、もっと長生きの数値になっていると思います。
人生100年時代が、ますます現実味を帯びてきたと言えそうです。
【自分の衰えを、デジタルを使って補う】
歳を重ねると、自然の摂理で、自分の中から様々なものが減っていくような感じがします。
例えば、視力や聴力。私は数年前からメガネの度数を何回か上げました。さらに去年から、お客様とお会いする時には補聴器を付けるようになりました。
最初のうちは、補聴器をつけることに抵抗感というか、恥ずかしさのようなものがありました。しかし、それを友人に伝えると「なんで?何度も聞き返す方がビジネスでは失礼だし、眼鏡と同じで、道具を使って自分の機能を維持しているだけのことやん」と言われ納得しました。
あと最近衰えを感じるものは記憶力です。「後でやろう」と思っている事は、たいてい幾つかは忘れています。
そこで最近私が愛用しているものが、スマホの「To Do リスト」というアプリです。iPhoneなら初めからiPhone版のTo Do リストが入っていて、アンドロイドなら、こちらからダウンロード>>できます。
例えば、「6月8日11時、Aさんに△の件について電話する」と入力すると、8日の11時には、自分のスマホやタブレットに、この件が通知されるので、それを見て思い出して実行するという風です。自動的にGoogleカレンダーにも反映されます。
私は、このTo Do リストに、「〇〇を買う」「〇〇の件を確認する」など、思いついたそばからどんどん入力していきます。
入力のほとんどは音声で行うので、ただスマホに向かって喋るだけです。
音声入力も数年前とは違って、今のスマホは大変スムーズになっていて、ほぼ正確に聞き取ってくれます。
入力した用件を実行し終えたら、チェックボックスにチェックを入れて終了とします。
チェックを入れない限り、いつまでもTo Do リストに表示されるので、やり漏れることがないです。
このアプリを使用すれば、リストに要件を入力し終えた後には安心してその件を忘れることができるので、その分、脳のリソースを他のことに割けます。
老化で衰え始めた自分が今までと同じパフォーマンスで働けるよう、自分の衰えをデジタルを使って補っていこうと思っています。
デジタルはシニアの敵ではなく、メガネや補聴器と同じようにデジタルをシニアの味方にするのです。
【デジタル化して行く社会で老後を迎えるには】
また、私たちの年代ではキャッシュレスに抵抗感がある人が多いと感じます。
操作面でどうのこうのと言うより、「精神面」で抵抗感がある人が多いようです。
しかしこの先、老眼で目が見えにくくなったり、指先が動かしにくくなったりした時のことを考えると、小銭一枚一枚を財布から取り出して会計をするのは大変だと思います。順番待ちの人達からのプレッシャーを感じる時もあるかもしれません。
ですからやはり、精神面でもキャッシュレスに慣れておくのが良いのでは?と思います。
ビザタッチのようなタッチ決済ならば、クレジットカードを端末にピッと当てるだけで支払いが完了するので、スマホの操作が難しい歳になっても、苦労せず会計ができるのと思います。
まだ全ての交通機関というわけではないですが、このクレカを改札にタッチすれば切符やSuicaが無くても在来線に乗れるようになっています。
シンガポールやイギリスの電車であっても、日本円の両替や切符の購入をしなくても、タッチ決済のクレカを改札口にピッとするだけで乗車できます。
みどりの窓口が続々と廃止されていたけれど、苦情が多いため一旦、削減を凍結したというニュースを見ました。
しかし人手不足が進むことや、人件費が経費のなかでも最大の比率を占めていることや、子供の頃からデジタルのある環境で育ったデジタルネイティブの人口はこの先増えていく一方であることを考えれば、デジタル化が止まるはずがありません。
厚生労働省の資料によると、2035年には警備・防犯、農業、物流、建築や土木、そして、日常生活における調理や掃除といった領域などでもデジタルによる変革が起こることが予想されているそうです。
政府が発行するデジタル円も実現しているかもしれません。
「デジタルを使う人が便利になる社会」が設計され、その方向に向けて社会は進んでいるので、使う人にとってはどんどん便利な社会に、使わない人にとってはどんどん不便な社会になっていきます。
今年63歳になる私ですが、2035年には74歳になります。冒頭の「死亡最頻値」から考えても、その後もまだまだ生きねばならないようです。
約10年後、デジタル化が一層進んだ社会で心底不便を感じ、よし自分もデジタル化を頑張るか!と、ようやく一念発起しても、70代の自分がいきなりスタートするのはハードルが高過ぎます。60代で出来ないことを70代からやるのは非常に困難です。
頑張ればまだ色々と吸収できる60代のうちからコツコツと、自分をデジタル社会に慣れさせておかないと、この先どんどん不便で不自由になってしまう。
今、デジタルを拒否してはあかん。10年後、今よりもっと老化した自分が、今よりもっとデジタル化した社会で生きていかなければならないのです。だから未来の自分のためにも、デジタルを味方に付けておこう!と、なんとか頑張っています。
身近に教えてくれる人が居なくても、知りたいことをYouTubeで検索すれば、赤の他人が一から十まで、信じられないぐらい懇切丁寧に操作方法を動画で説明してくれていますからだいじょうぶですよ!笑
2024年
5月
18日
土
第三の創業
2015年、異業種へ参入し、クリニック併設サービス付き高齢者向け住宅フラワーホームを開設しました。ありがたいことに皆様のご協力のおかげで現在では満室に近い状態を維持できています。
その2015年に書いたブログ「第二の創業>>」で「変化の多いこのタイミングを最高の機会と捉えて、社内の制度や経営システムの精査も含め、なおざりになっている事項を思い切って全て見直して行くつもりである」と書きました。
そこから8年。昨年は繊維再生事業部を立ち上げ、フェルト事業部を統廃合しました。
「第三の創業」と言っても良いほど変化の一年で、一年をかけてさまざまな準備をしてきました。(くわしくは「再スタートの春>>」を参照)
そして現在、鋭意進めているのが経費削減です。
前述しましたように、なおざりになっている事項を今回もまた、聖域を作らず思い切って細かなものまで全て見直して行きます。
【営業利益5兆円のトヨタの経費削減】
トヨタ生産方式の根本は、仕事や原材料の使い方に「ムダ」がないかを徹底的に考え、終わりなく改善していくことにあるそうです。
ムダの排除には限界がなく、一つの改善を行った状態は、次の改善を行う上でのスタートラインだという意味で、「改善後は、改善前」という言葉が使われているらしい。
トヨタは毎年、年間3000億円の原価低減を目標に掲げ、その意識は現場の一人一人にまで根付いており、記者が取材をした工場の従業員は「車1台あたり、0.3円の改善に成功しました」と胸を張ったそうです。
記者は、あまりの単位の小ささに、聞き間違えではないかと感じたとのこと。
話を聞いてみると、工程の1つである、紙を貼る向きを反対にすることで使用するテープの量を16センチから14センチへと減らし、1台あたり0.3円の原価低減につながったという。
また別の従業員は、塗装で使用する液体を最後の最後まで使い切ることで、1台あたり0.02円の削減を行ったとのこと。
マヨネーズの容器と同じように、最後まで使い切るのが難しかったのだが、自作の装置を制作して最後の1滴まで絞り出すことに成功したとのことでした。
工場には“今、製造部に求められることは、『開発の原資を稼ぐこと』”の貼り紙が貼られているそう。
従業員一人ひとりが知恵を絞り、こうした小さな改善を積み重ねることで、毎年、年間3000億円近い原価低減を実現しているそうです。
この記事を読んだ時には、現場から一つ一つを積み上げていくトヨタの企業文化に感嘆しました。
(関連記事:便座も積もれば山となる>>)
【1万円の経費削減で29万4千円の売上と同じ効果】
経営者の読者の方には今更な話かと思いますが、社員に向けて経費についての考え方を改めて書きたいと思います。
まず製造業の平均的な営業利益率は3.4%ですから、それで計算してみます。
仮に1億円の売上高の場合、営業利益は340万円です。更に、ここから税金や利息その他費用も引かれるため、純利益となるとさらに少なくなります。
「売上」は多くの従業員が意識する数字でしょうが、「利益」を意識する社員はそう多くないはずですので、1億円を稼いでも残るのは、そんなに少ないのか・・・とガックリするかと思います。
1億円の売上高で営業利益は、たった340万円。
しかし経費の数字はそのままなのです。1万円削減できれば1万円の利益が出たのと同じ。
営業利益率3.4%で計算すると、1万円の利益は約29万4千円の売上を上げたこととイコールになります。
1万円の経費削減で29万4千円の売上と同じ効果。
経費を意識したことが無かった人は、経費削減の効果に驚いたのではないですか?
【当社の経費削減の取組み】
当社では今期1000万円の経費削減を達成することを目標としています。
前述したように、製造業の平均的な営業利益率の3.4%で計算した場合1000万円の削減が達成すると約2億9千400万円の売上高を上げたのと同じ効果があります。
既に倉庫の統廃合、車両関連の見直し等で約500万円が達成可能になっています。
固定費は売上の増減に関係なく継続的に毎月発生する費用ですから、削減できれば大きな効果が期待できます。現在、見積書を取りながら一件一件全て見直し中です。
また消耗品や備品についても購入のルールを厳格化し、各事業部の管理者を改めて決めました。
ムダを減らして生産を効率化するために、通常年2回の大掃除に加えて、今月も大掃除を実施し、整理整頓を進めました。
マイクロマネジメントになってしまいますが、経費削減の精神が浸透するまでは、全ての稟議書の決裁を私が行います。
目標達成のためには、各事業部における無駄の削減、効率化の推進、そして何よりも一人ひとりの意識改革が必要不可欠です。
日々の業務において、どのような小さなことでも経費削減に繋がるアイデアを積極的に提案していただきたいと思います。また、無駄な経費が発生していないか、常に目を光らせ、改善に努めていただきたいと願っております。
削減できた経費の相応分を社員の賃上げにも結び付けたいと思います。
今後、原材料コストの上昇や、物価上昇率、賃金上昇率も高まることが予想されています。
どのような未来にも、しっかりと対応することが出来る盤石な企業体質を、社員たちの協力を得ながら構築していく覚悟です。
2024年
4月
11日
木
再スタートの春
【当社の再スタート!】
新年度がスタートいたしました。
旧年度中のご厚情に深謝申し上げますとともに本年度も変わらぬご厚情の程、重ねてよろしくお願い申し上げる次第であります。
さて、当社では「再スタートの春」という言葉を掲げてスタートを切りました。
既成概念に囚われず今できることから1つ1つ時代の変化に合わせて確実に変わっていくという経営方針と、毎年が創業だという意気込みで経営刷新を繰り返してまいりましたが、
コロナ禍による経営環境の変化や、国内のみならず世界をも含めた社会情勢及び市場の激変、新素材の登場などの影響を受け、フェルト事業部の業績が、ここ2~3年前から緩やかにですが右肩下がりになっていました。
そこで昨年の3月、コロナによるマスク着用の見直しが発表された頃から、業績の回復を目指し大なたを振るおうと決意し、事業部の統廃合を皮切りに、人員配置の最適化、社内制度の更新、不採算製品の製造中止、製品ラインナップの整理、利益率の高い商品の強化、設備投資による生産効率の向上、そして新たに導入した機械設備と従来の設備を組み合すことによる新製品の開発、プレスリリース、販売促進活動などを足早に進めてまいりました。
昨年は立ち上げの一年間、準備の一年間、変化の一年間で、社員の皆さんにとってもイレギュラーな仕事の連続で目まぐるしい一年だったと思います。
そしてようやく三月末には、ほぼ準備も整いました。
ここでようやくホッと一息・・・などついている暇はありません。
これまでのことは全て「準備」であって「目的」ではありません。
当社の新商品である、次世代の反毛技術(繊維to繊維を可能にした反毛技術)のサービスを、環境問題に取り組む多くの企業様に届け、繊維のリサイクルを普及させることが目的で、そのために昨年の準備&移行期間がありました。
今年度からが本当のスタートです。
「再スタートの春」と銘打って、社員一同一丸となって邁進する所存でございます。
【日本経済の再スタート!】
ところで、我が国の経済はバブル崩壊以来の長い停滞を経て、日経平均株価が33年8カ月ぶりの高値を記録しました。
また人手不足や物価上昇を背景に、賃上げ率は30年ぶりの高水準を記録しています。
そして日本銀行は2024年3月19日に、マイナス金利政策の解除と金利の引き上げを決定しました。これらは物価安定目標の持続的・安定的な実現が見通せるとの判断に基づくもので、日本経済の「正常化」への準備と言えるでしょう。
しかし、日経平均株価の上昇は円安による日本株の割安感や、輸出企業への期待感で上昇している部分が大きく、実体経済を反映した株価ではないと思います。
またインフレ率が賃上げ率を超えると、実質賃金は減少することになり、消費者は買い控えや安いモノを求めるようになります。そうすると企業は価格転嫁を進めることが出来ず、日本経済の低迷はさらに長期化しそうです。
また金利の引き上げは企業にとっては負担が増すことになり、設備投資や新商品の開発など挑戦へのハードルが高くなることになります。
そうやって失われた40年を歩むことになるのか、もしくは経済正常化が進み、過去30年のデフレがいよいよ終焉して好循環に入っていけるのか、いま日本国民は運命の分かれ道に立っているのだと思います。
さぁ、2024年度は再スタートの年です。変化の年です。重要な年です。
受け身にならず、自ら考えて動いて、次の未来を目指して一緒にがんばっていきましょう!
【お知らせ】
■【4年連続】経済産業省「健康経営優良法人2024」に認定されました。
■ラジオ大阪「藤川貴央のニュースでござる」の番組内の、東京商工リサーチご協力のコーナー「がんばってるで関西!」にて、関西の元気な企業として、ご紹介していただきました。
2024年
3月
30日
土
今の時代、「情報収集」「情報発信」しないと始まらない
【真面目にIRをやらねば投資家に理解が得られない】
2013年の私のブログ「素晴らしい執念!!>>」の回で、私の師匠である東建コーポレーション㈱ 左右田鑑穂会長の御友人の株式会社中広の後藤一俊会長が5年間毎日ブログを書き続け、2000回を迎えられたというお話を書きました。
それから11年間、後藤会長はその後も毎日ブログで発信を続けてこられ、今月で6000回を迎えられました。
毎日毎日欠かすことなく長年に渡り発信を続けるのは並み大抵のことではなく、粘り強く取り組むチカラや、地道にコツコツ続ける精神力や、話題の豊富さや知見の深さが必要です。
私など1か月に1回程度ブログを更新するぐらいですが、それでもネタに困ってしまう時や面倒になってしまう時があります。
そんな私がなんとかブログを続けているのは、やはり情報を発信することが今の時代とても大切だと思うからです。
後藤社長が6000回のブログの中でお話されていましたが、ブログを始めることになったキッカケの出来事は、名古屋証券取引所に上場する際、証券会社から「お前のところなど小さな会社だ」「真面目にIRをやらねば投資家に理解が得られない」と指導をうけ、IR活動をされたそうですが、コストが掛かる割には目立った成果もない。そこでHPを毎日動かせば、我が社に注目してくれる方も増えるのではと思い立ち・・・ということが始まりだそうです。
【情報発信の効果】
昨年、当社の繊維再生技術>>についてプレスリリースを行いました。
30年以上経営者としてやってきましたがプレスリリースを行ったのは初めてでした。当社のような中小企業にそんなものは必用無いと思っていたというよりも、そういうことに疎かったため、そもそも考えたことも無かったのですが、関係者に勧められて行うことにしました。
いらなくなった制服なども再び繊維に戻せるというような技術ですので、繊維業界の人だけではなく、専門的な知識が無い別業界の人達にも伝わるように分かりやすい言葉で解説したり、図解したり、撮影したり、なかなか手間のかかる作業でしたが、やって良かった。
正直、プレスリリースの反響の大きさに大変驚きました。
良い技術を持っていても、それを知ってもらわなければ何も始まらないです。
でも情報発信をすれば今の時代は、その技術を求めて「検索」している人達に情報が届く可能性が高いです。情報が潜在顧客にリーチした時、わが社はどのような会社なのか、どのような考えを持った経営者なのかをHPやブログで見える化しておけば、安心につながります。それもここ最近1、2年の情報だけではなく、ブログも5年10年15年と積み重ねることで、より安心感や信頼感が増すのではないのでしょうか?
新事業部の関係で、最近は新しいお客様とお会いすることも多いのですが、事前に私のことをブログやHPで知ってから来てくださる方も多く、初対面であってもゼロから自分を紹介する必要が無く、その分ほかのお話をする時間が生まれます。
そういった面でもブログの効果を実感しています。
【情報は経営資源。情報収集は必須】
私は元来から読書好きで、小学生時代には毎日小学生新聞を購読していました。
大人になってからは日経と読売の2紙を長年読んでいます。法人契約をしているので、社員にも読むように勧めています。
近年はタブレットで電子版も読めるので、手元に新聞が無い隙間時間にも気軽に読めるので便利です。
最近もう1紙追加しました。当社の繊維再生技術もニュースに取り上げてくださった、日刊繊維総合紙「繊維ニュース」さんです。
毎日ありとあらゆる繊維に関する情報が掲載されおり、同じ繊維でも異業種と言ってもよいくらいの繊維関連の情報までふんだんに掲載されており、まさに情報の宝の山と言っても過言ではない充実した内容になっています。
ネットでの情報収集はアルゴリズムの影響で、どうしても情報が偏りがちになってしまいます。自分の観点に合わない情報からは隔離された状態になってしまいがちです。
その点、新聞など紙面で見る情報はアルゴリズムの影響が無いため視野が広がります。
あと色んな人と会って話すことも私の大切な情報収集です。年代が違う人と話すと、同じ物事でも捉え方や考え方が違ったりして、私が昭和の価値観でバイアスをかけていたのかも・・・と気づかされることなどもあります。
新しい情報や知識を自分にインストールすること= 自分のアップデート
そう思うと情報収集が面倒に感じる日もヤル気になれる気がします。
2024年
3月
01日
金
一事が万事「トイレの清潔さ」
拡大していくサスティナブル市場に対応するため、昨年、新規事業部である「繊維再生事業部」を立ち上げました。
それ以降、特に今年に入り、おかげさまで同業界のみならず官学を含め様々な業界の皆さまより、全国からお問い合わせやご来社を賜っています。
先ずを以て心より御礼を申し上げます。
ご来社を賜りました際に、新事業のご説明や工場案内などは当たり前ですが誠心誠意させていただいていますが、おもてなしの一環といたしまして、特に気を付けているのが「トイレ掃除」です。
掃除については常日頃からも社員達に恐がられるほど心掛けていますが、それ以上にお客様が見えられるときは、工場も含めて会社全体の徹底した整理整頓と清掃を行います。
その中でも特に徹底して心掛けているのがトイレ掃除です。
2年ほど前にも、ペンキを頭にかぶりながら、新築のトイレと同レベルまでピカピカに工場のトイレをリフォームしました。(工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>)
しかしそろそろまた劣化が気になるようになって来ましたので、今年に入り毎土日、祝祭日の社員の出社人数が少ない日には必ず、全トイレを私自ら掃除した後に、トイレの床のワックスを塗り直しピカピカに仕上げました。
ここでトイレ掃除と聞いてちょっと苦手だな!?と感じる人も多いかもしれません。
しかしパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、トイレを掃除することは常識や礼儀作法を身につけるのに必要だと述べています。
みんなが使う場所だからこそ、誰かが掃除すると思うのではなく、当たり前に謙虚に感謝し合い、そして自らも進んで綺麗にすることが大切だと思います。
ちなみに、松下氏自身、工場のトイレが汚れているのに憤り、従業員の前で自ら掃除し「便所はみんなが使う、自分たちのものである。それを掃除するのに、何の理屈があるものか!」とおっしゃられたという逸話も残されています。
私も正直、昔は汚れが多いトイレ掃除はちょっと苦手だと感じる人の一人でした。
しかし、高校3年生の時に松下幸之助氏の本を読み、この言葉に触発されて、トイレ掃除に対する考え方が変わりました。
また私はこの言葉に感銘を受けて、トイレ掃除をすることで自分自身の精神を磨くという意識を持つようになりました。
風水や迷信でよく言われていることですが、トイレを掃除してキレイに保つことで、金運アップが期待できるという話がありますが、この話には肝心のBecauseの部分が抜けています。
「一時が万事」という言葉があります。
わずか一つの物事から、他のすべてのことを推し量ることができるという意味の言葉です。トイレは汚れやすい場所だからこそ、「トイレの清潔さ」から、その他さまざまな事を推し量れることを多くの人が知っています。
見学が行われる工場や事務所が整理整頓されて清潔なのは当たり前で、裏の部分にこそ会社の姿勢が表れます。裏の部分である従業員用のトイレもお客様が目にした際、しっかり綺麗ならば、「この行き届いた会社にだったら仕事を出しても一事が万事きっちりとした仕事をしてくれそうだ」と思っていただけることによって、一緒に仕事をするチャンスを頂け、そして仕事面でも誠心誠意期待にお応えすることで、金運アップが見込めるという意味だと私は考えています。
まあトイレ掃除に限らずいずれにしても、こまめに常日頃から丹念に掃除をしておくと、汚れが蓄積せず毎日のお掃除もラクになります。
【掃除について 関連ブログ】
■工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>(約2か月かけて工場のトイレを一人でリフォームした話)
■地獄掃除>>(会社の前の道路にも掃除機とコロコロかける話)
■地獄掃除のその上>>(奈良県M社のすごい掃除に参加させていただいた話)
■自分ばかり損をしている>>(心が折れて掃除するのをやめた話)
■大掃除、まだ終わらないんです・・・>> (掃除のゴールポストを動かしてしまう話)
■会社も立派やで!>>(長谷虎紡績株式会社さんのトイレの話)
■掃除とおもてなし>>(祖母からの掃除についての教え)
■トイレ掃除を侮ることなかれ>>(トイレ掃除には「気付ける力」「実行力」「奉仕の精神」が必要だという話)
【繊維 小耳ニュース】
2週間前に公開された、「経済産業省が進める『繊維製品の資源循環システム』を動画で解説 アパレルの未来像がここに」の動画が興味深いです。
国は今本気で、繊維製品を資源として循環させていこうとしているそうです。
経済産業省製造産業局の田上博道生活製品課課長が登壇されていたのですが、とくに私が興味深く思った言葉は下記です。
■「売れ残った商品がその後どうなったか、アパレル会社に開示をしていってもらう」
■「日清紡さん、東レさん、帝人さん、いずれの企業さんも日本の繊維産業をもう一回復活させるのだという思いで、このリサイクル繊維(※1)を次の重要な商材に使っていこうという意気込みですので、必ず成功していただけると信じている」
■「グローバルで時間軸を見た時、2030年には標準的にリサイクル繊維を使っていきなさいということになるので、チンタラやっているともう手遅れになる」
※1についいて
動画の中の「このリサイクル繊維」というのは、文脈からいえばケミカルリサイクル繊維についてだと思いますが、マテリアルリサイクル繊維も今後必ず重要な商材になっていくと私は信じています。
反毛では水も薬品もほとんど使いません。100年以上の歴史があるとてもエコなリサイクル方法です。従来の反毛綿は用途が限られていましたが、当社の最新設備ではこれまで難しかった繊維to繊維のリサイクルも可能になりました。電力は100%再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。
「繊維製品を資源として循環させていく。これはまだ、この国だけではなく、誰もまだきちんと実現していないこと」という言葉が動画の冒頭でありました。
身が引き締まる思いがするのと同時に興奮も覚えます。
当社の技術が我が国の資源循環システムの一助となれるよう励んでまいります。
【動画】
経済産業省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルの未来像がここに
NEWS PICKS 2024年1月14日の記事より引用
画像クリックでリンク先に飛べます。
2024年
1月
07日
日
還暦過ぎると色々ありますね
【ごあいさつ】
2024年、新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
最初に、元旦夕方に発生致しました能登地方を震源とする大規模地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域の一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げますと共に、当社も災害用品に携わる企業として救援物資の支援に全力を尽くす所存でございます。
【網膜裂孔のレーザー治療を受けました】
さて、実は昨年末ぎりぎりに、私は左目の網膜裂孔のレーザー治療を受けました。
人間ドックの結果「眼底写真に異常所見が認められます。眼科にて詳しい検査をお受けください」と医者に言われてしまいました。
自覚症状は無かったですし、医者も「一応念のため」くらいの感じでしたので、とくに心配もせずに気軽な感じで専門医の診察を受けました。
精密検査の結果、異常所見が認められた箇所については何も問題無し。しかし人間ドックの検査では分からなかったのですが、網膜に裂け目ができているとのことで、このままでは網膜剥離に進行してしまう危険性が高いということで、緊急に今からレーザー治療を行う選択肢を提示されました。
心の準備もほとんどできていないまま手術同意書にサインをし(この時が一番緊張しました)、診察室からそのまま治療室へ。すぐにレーザー治療開始。10分程度で治療は終了しました。
眼帯ぐるぐる巻きにでもされるのかな?と思ったのですが、そんなことは何もなく、普通の姿で病院を出て、スマホもすぐに見られますし、拍子抜けするぐらい呆気なく終了しました。
問題発見から解決まで、待ち時間を入れても3時間ほどで、思い悩む暇もないまま流れるように解決しました。当日少し重痛いような感じがしただけで、翌日には普通でした。
【同年代の友人たちとの会話】
11月中頃から年末にかけて今年は数回、忘年会が有りました。
その中でも中学時代の柔道部と剣道部の同窓有志の会と、高校時代の柔道部とラクビー部の同窓有志の会について今回は書きたいと思います。
還暦を超えてこの歳になりますと、共通の話題は病気の話であり、どちらの会も乾杯の後は病気話から始まりました。
どちらの会のメンバーも、この年になりますと、ほぼ全員が何らかの疾病もしくは手術歴を抱えていました。
冒頭のように、私の網膜裂孔のレーザー治療の話から始まり、次に昨年晩秋に腰椎分離症の手術をして未だにコルセットをしている友人が話し始め、そのあとは今年から入れ歯になった話とか、春になって暖かくなったら人口股関節の手術をする話や、昨年、心筋梗塞になりバイパスとステントを入れた話、脊椎の軟骨が加齢により仮骨し神経に触りカテーテルで削った話、果ては前立腺肥大症、神経痛になった話まで、どちらの会もさまざまな疾病のオンパレードでした。
【友人たちの体験談を聞いて心が楽になった】
我々の年代になると加齢により、今までの人生で起こったことが無いような体調の変化が次々と起こり始めます。
見えにくい、聞こえにくい、膝が痛い、つまずきやすい、疲れやすい、腰が痛い、記憶力が悪くなるetc・・・つまり老化現象。
悲しいけれど還暦を超えると誰にでも起こることです。そして老化現象に加え、年を取れば取るほど疾病リスクも高くなります。
私は不安症なので、いつもと違う体調になると全てのスケジュールを後回しにしてスグさま病院に飛んで行くのですが、それでも人間ドックのたびに「なにか病気が見つかるのでは?」と不安になります。
体が痛い日、疲れが取れない日が続くと、自分の健康はいつまで続くかなぁ?と心が曇ります。
しかし、いざ同年代と集まってお互いの疾病の経緯を経験者に聞くと、現代の医学の進歩を感じられますし、なんらかの疾病を抱えても騙しだましやっていけるし、それに疾病を抱えた以降も、こうやって皆で楽しく飲めるのだからと、必要以上の過度の不安が消えて、お互い「同類相哀れみ」ながら心が楽になりました。
飛蚊症と光視症で網膜剥離リスクに不安を抱えていた友人に、私の網膜裂孔の体験談を話したところ、「今の治療ってそんな感じなのか?!実際に体験したお前から話を聞いて、ぴんぴんしているお前の様子を見たら、長年抱えていた不安が取れた」と言ってくれました。私も友人達の疾病に対して同じ気持ちでした。
【ひびの入った茶碗でも】
会を終了するころになって、一同が「今後はますます油断はできない年齢に差しかかる」との結論になり、定期的な受診による健康管理と適度な運動そしてバランスの良い食生活を心掛け、「ひびの入った茶碗でも大切に労わりながら大事に使えば100歳まで生きられる」と話し、1年後の再開を誓って、病気の話から始まり病気の話で終わった忘年会でしたが、お互いの約半世紀にわたる変わらぬ友情も確認し合い、散会となりました。
あと最後に一言、私が提案したことですが、半数以上が未利用者でしたので、「社会インフラとしての役割と利便性の観点から、1年後の今日までに、全員がラインと割り勘の計算がしやすいようペイペイを始めよう」と勧め、ブーイングを浴びたところで、各々がお店を後にしました。
2023年
12月
28日
木
経営に必要なもの
【ビジネス本は読まないと公言していたけれど】
私は、10年前の2013年に書いたブログ「歴史のリーダー達から学ぶ>>」のなかで、「ビジネス本は読んだためしがない。なぜならばリーダーの姿や組織作り、戦略などは、失敗も含め歴史本から全て学べるからである。」と書きました。
しかしその後、そんなことを言っていられない状態になりました。
2013年当時、世界におけるスマートフォン普及率は約20%でした。それが近年のデータでは60%を超えました。
つまり世界の6割以上の人達が、最新の情報にリアルタイムにアクセスできる環境、そして自分の主義主張をSNSなどで発信できる環境ということですから、アッと言う間に世の中のトレンドが変化するようになりました。
情報が世界へ拡散されるスピードが尋常ではなく速いですから、去年まで当たり前に行われていたことが今年からは「非常識なこと」と非難されるようになったり、最先端だとされていたものが半年後には時代遅れになっていたり、ビジネスの場でもどんどん新しい言葉が使われるようになり、そしてその言葉もすぐに普及したり、全てにおいてスピードが加速しています。
SDGsや脱炭素についても欧州がルールメイキングをして、それに大企業が倣い、大企業と仕事をしていると当社のような田舎の中小企業にも、そのルールに倣うことが求められる。そこまでのプロセスのスピードがとても早いです。
そのため、アンテナを高くして自ら情報を取りに行かなければ、あっという間に置いていかれる時代になってしまいました。デジタルの進化も信じられない速さで進んでいます。
時代に取り残されないために、近年はビジネス本も読むようになりました。世界の動向にも敏感に目を向けますし、情報感度が高い人とよく壁打ちをします。
最近では、学んだフレームワークを使って事業環境を整理しました。
新しい言葉もなるべく覚えるようにしています。新しい言葉をインストールすることによって世界の見え方が変わってきます。
たとえば「グリーンウォッシュ」という言葉。
本当は環境に配慮していないにもかかわらず、しているように見せかけて商品やサービスを提供することです。
社会の問題になっており、こういう言葉が誕生していることを知ることで、「ではグリーンウォッシュ対策のためには具体的に数値や実績で証明できるものが必要だな」などと考えて動くことが出来ます。
【ほんと大切です。行動力】
ただ、やはり30年間以上経営者としてやってきた自分の経験値や感は、大きな意思決定を行う時ほど大切にしています。
情報収集だけをしていても会社が成長するわけじゃないですし、いくら座学をしていても机上の空論ですし、経営は実際にやってみて壁にブチ当たらなければ分からないことが沢山あるので、まずフットワーク軽く動き出してみるのが良いと思います。
考えすぎて立ち止まってしまい結局何もしないという人が世の中一番多いような気がします。
その点、私は行動力だけは物凄くあると思います(笑)。
実際に動き出すと、協力してくれる人や情報なども自然と集まって来やすいです。
【先輩方から直接経営を学ぶ】
私は大学を中退したあと、東建コーポレーション株式会社 左右田鑑穂会長兼社長のご自宅で書生をさせていただいた時期があります。
師や諸先輩から直接教えてもらった経営についての考え方や哲学などは、短い年月で簡単に変わってしまうようなものではないので、20代の時から現在に至るまで心に留めています。
師や諸先輩から学ばせていただいたことを過去に沢山ブログで綴ってきましたが、いくつかピックアップしてご紹介いたします。
■仕事に取り組む姿勢>> (師である左右田鑑穂会長兼社長のお話)
■業界として若手を育てる>> (繊維業界の先輩に、教えを乞いに行った時の話)
■自分の背丈以上のことはしない>> (投資についての考え方)
■便座も積もれば山となる>> (無駄に対するコスト意識)
【未来を見る】
「仕事の優先順位や時間管理>>」の回でも書きましたが、「現在」の仕事はできれば社員の皆さんに任せて、経営者は「未来」を作る仕事に専念できるようになるのが理想的です。
未来を作る仕事とは、顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなどです。
日々の仕事に追われなかなか難しいですが、「未来の創造」が欠けてしまうと会社は将来低迷してしまいますので、とても重要な仕事です。
私はこれまで会社の規模の大小問わず様々な業界の経営者の方々と接してきましたが、惹かれる経営者に共通していたものがあります。
それはビジョンを持っているということです。自分の事業や組織がどうなりたいか、どうあるべきかという将来像のことです。ビジョンを明確に語る経営者とお会いすると、やはり魅力的だなと感じます。ビジョンは牽引力でもあると感じます。
【繊維 小耳ニュース】
■欧州議会とEU加盟国は12月5日、売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための新たな法律を発表したそうです。
■いま、使い終わった天ぷら油などの「廃食油」が世界で争奪戦になっているそうです。というのも国際ルールとして、世界の航空会社(JALもANAも)は今後ジェット燃料には必ず何割かの廃食油を使用しなければペナルティが課されることになったからだそうです。
以上2件の小耳ニュースから、世界がゴミの削減、省資源、省エネルギー、リサイクル推進の方向へ進んで行っているのが分かります。泉州地場産業のリサイクル技術”反毛”の復興を期待したいです。
【最後に】
本年もたいへんお世話になり誠に有難うございました。心より深謝申し上げます。
このブログで本年最後のブログを〆させていただきます。 来る令和6年も皆様方のご多幸をお祈り申し上げると共に変わりませぬご厚情の程、お願い申し上げる次第であります。
【お知らせ】
”5年連続” 東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2025年度版に掲載されました。
5年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。
2023年
12月
05日
火
泉州地場産業、復活のチャンス到来?!
【EUは再生繊維を使わない製品を市場から排除する方針で、日本も対応を急ぐ】
先月、当社の繊維再生技術>>についてプレスリリースをさせていただきました。
想像以上の反響があり、繊維リサイクルについての社会の関心の高さに逆に驚かされました。
今年9月の日経新聞の記事に「欧州連合(EU)は再生繊維を使わない製品を市場から排除する方針で、日本も対応を急ぐ。」という記事がありました。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2660E0W3A920C2000000/
「市場から排除」という言葉は、かなりインパクトのある言葉で驚きました。
欧州の有名なファストファッションブランドであるH&Mを偵察がてら最近覗いてみましたが、驚いたことに、私が見た限りほぼ全ての商品が再生繊維(ペットボトルからの再生など)を使用されていたものに置き変わっていました。
再生繊維が何パーセント使用されているのかが一目で分かるように、商品1点1点にそれぞれ大きな紙のタグも付けられていました。
欧州ブランドの変化の速さに衝撃を受けながら、その足でユニクロに向かって様子を伺いましたが、ダウンのリサイクルをしていた以外は、軽く見た範囲ではこれといった変化は無い様子。日本はまだまだかと思っていましたが、HPを見てみると「ユニクロは2030年度までに、全使用素材の約50%をリサイクル素材などに切り替えることを目標にしています。」と書かれていました。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/planet/products/material/recycle/
日経平均に最も影響を与えているユニクロ(寄与度1位)が、このような目標を立てているわけですから、きっと他の企業も同様に続くのではないでしょうか。
そう考えると日本の繊維リサイクルの市場について期待が持てそうです。
【石油は、あと約50年で使い切ってしまう】
この半世紀で急激に地球環境が変わりました。人口減少の日本にいると実感が湧かないですが、50年前と比べて地球の人口は2倍の80億人になりました。2050年までにほぼ100億人に達する見込みだそうです。
そして天然ガスや石油は、新しい資源が発見できなければ、今の資源は約50年で使い切ってしまう予測だそうです。
また地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるという世界の目標を達成するためには、原材料調達やゴミ廃棄で排出されるCO2の削減についても減らしていく取り組みが進められています。
このような環境ですから、今リサイクルが注目されています。
今後ますます様々な業界で、ものづくりの時点から、捨てなくて良いものづくり、資源も最小限で済むものづくりを設計することが求められるようになります。
しかし繊維to繊維のリサイクルは難しく、これまでなかなか進んできませんでしたが、アパレル業界も、リサイクルしやすいように単一の素材での服づくりを増やすなどの取り組みなどもされているようです。
【泉州の地場産業。リサイクル技術“反毛”】
泉州地域の地場産業は古くから繊維産業が中心となり発展してきました。
特に泉南地域では風雨の影響を受けにくい温暖な気候と砂地であるという特性を生かして戦前までは綿花の栽培が盛んでした。
そのようななか、使い古された和布団や座布団等の中綿を取り出し、表面を引っ搔いて再び毛羽立たせて柔らかくふわふわした風合いに戻し、バージンの綿を一定量加えて、再び綿製品に戻す、和布団の打ち直し等が反毛技術の始まりです。
この技術は江戸時代に中国から伝えられたとされ100年以上の歴史があり、泉南の反毛綿は品質が高く、当時は大阪や京都などの都市部で人気があったそうです。
明治時代になると、反毛技術は機械化され、さらに生産性が向上しました。
戦後は資源不足によってリサイクルの需要が旺盛で、作れば売れる時代でした
しかしその後、化学繊維や合成繊維の普及により、反毛綿の需要は減少し、さらに高度経済成長期以降はグローバル化によって安価な輸入品のバージン製品が普及し、大量生産大量消費時代になり、リサイクル技術である反毛は、急激な衰退を余儀なくされました。
残った反毛業者は、新たなる需要と販路を模索しながら反毛機に改良を加え、主にフェルトや軍手を製造するようになりました。
しかしフェルトに変わる新素材の登場や、軍手編み機の高速化(反毛綿混の糸では高速化織機の強みを生かせない)などで、既存販路での需要は減少しつつ、反毛業者の数はさらに減りつつあります。
しかしこの先、資源循環の意識が高まり、リサイクルの需要が増えれば、設備投資して高度な反毛技術(出来るかぎりバージンに近い形に繊維を再生する)を行う事業者も増えるのではないでしょうか。それには補助金などの政策的な支援も強化していただければと考えます。
当社が今回、設備投資を出来たのも、ものづくり補助金の助成を受けられたからです。
【泉州の地場産業。毛布】
日本で毛布を製造しているのは、ほぼ泉州だけです。 国内製造品出荷額等で 90%を超えるシェアを有します。
泉州の毛布製造は専門の事業者の分業制になっており、染色、紡績、整経、織、検反、起毛、縫製、梱包加工まで地域内で一貫生産を行う体制があります。
当社だけでも、これまで30年以上にわたり、1000以上の官公庁や企業に販売した災害用備蓄毛布の数は500万枚以上にのぼります。真空パック加工の工程のみで携わった数も合わせると1000万枚以上です。これらの毛布も、いつかはゴミになります。
しかし災害用備蓄毛布は難燃素材で製造されているため、燃やして処分することは出来ません。
産廃で埋め立てるには高い処理費用がかかります。また、ゴミの埋め立て地は飽和状態に近づいています。社会の環境意識が高まりつつあるなか簡単に捨てることは出来ません。
これらの毛布をゴミにせず、新しい毛布の原料にすれば、省資源、CO2排出削減、ゴミ削減において貢献できます。
「捨てずに再生」が日本の新スタンダードになれば、輸送コストやそれにともなうエネルギー量やCO2排出量を考慮すれば、国内で資源循環するのが一番効率が良く、そうなれば繊維産業の国内回帰が期待できるのではないでしょうか。
また環境配慮の点から、製品の長寿命化についても企業は求められています。
価格の面で輸入品に負けたとしても、各工程ごと専門の職人さんたちによって作られている日本製の毛布は品質や耐久性が高く、色落ちしにくく、長寿命という点において競争優位性が高いです。
大量生産・大量廃棄の時代には安さは大変大きな競争力だったかもしれませんが、サステナビリティが重要視されるこれからは違うと私は信じています。
【最後に】
泉州地域の繊維産業は、歴史的にも現在も、日本の繊維産業において重要な役割を果たしてきました。しかしこの20年間、輸入品に市場を奪われてきました。
サステナビリティの意識や資源循環の需要がもっと高まり、それにともなって泉州地域の地場産業が復興を遂げることを期待しています。
<お知らせ>
繊維再生工程の動画が完成しました。よろしければご覧ください。
2023年
10月
29日
日
次世代の反毛技術「繊維再生事業部」を新設いたしました
丸竹コーポレーションでは、市場の変化に対応するため、新たに「繊維再生事業部」を新設いたしました。
また、既報のように「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。
今回はその詳細を分かりやすくご紹介させていただきます。
【次世代の反毛技術】 繊維to繊維 毛布to毛布 制服to制服
上記の最新設備とは、いらなくなったあらゆる繊維製品を繊維原料に戻して、もう一度同じ種類の製品に再生させるための設備なのです。
たとえば繊維から繊維、毛布から毛布、制服から制服、軍手から軍手、etc…です。
化学繊維や天然繊維・混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維製品でも、この設備に投入すると、細かく引き裂かれて綿(ワタ)となって出て来ます。その後、この綿とバージン原料とを相応しい割合でブレンドして紡績工場で糸にし、糸から生地、生地から製品になります。
いらなくなった繊維を無数の針で引っ搔いてバラして綿にすることを「反毛」、出来た綿を「反毛綿」、加工に使用する機械を廻切機と言います。
反毛は100年以上前からあるリサイクル技術ですが、“毛布や制服の生地に再生できるレベルの反毛綿”を製造できるのは、当社と大企業の数社のみだと思います。
当社では、生地に出来るレベルの高品質な反毛綿を「もったいない繊維」とネーミングし、商標登録に出願いたしました。
当社の「次世代の反毛技術」を、もっと深くご理解していただくために、従来の反毛についてお話を進めます。
【従来の反毛綿は、用途が限られていた】
従来の反毛の技術は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。そして、下記の図のように、いくつもの工程を経るため、そのたびに繊維が損傷しますし、繊維クズが大量に発生します。繊維長も元より短くなります。
元の状態よりも品質が下がってしまうため、反毛綿の用途は限られていました。
一番多い用途はフェルトです。港湾土木用のバンカーマットや、自動車の内装材、カーペットのクッション材などです。ニードルパンチという機械で反毛綿を叩いて、繊維を絡み合わせてフェルトにします。
それ以外の用途としては軍手です。
反毛綿を軍手にするにはまず「特殊紡績」という紡績の方法で反毛綿を糸にします。特殊紡績で作られた糸は特紡糸と言います。「撚りが甘く、糸が太い」のが特徴です。
しかし、この特殊紡績は低速のため生産能力がかなり低いのです。そのため採算を取るのが難しく、実は当社も特殊紡績の事業を行っていましたが、約30年ほど前にやめました。
コロナ前までは、家内工業的に営まれている工場が数件ありましたが、しかし現在は高齢化や後継者・社員不足、そしてコロナ不況や機械の老朽化・物価の高騰により採算が合わずに、特殊紡績の「大阪南部太糸組合」も昨年解散し、現在国内で残っているのは数社のみになりました。
【従来の反毛綿は、細い糸には出来なかった】
繊維製品の生地は、経糸と横糸で織られて作られています。
例えばTシャツ生地を作るための糸は、セーターを作るための糸と比べて、とても細いです。
この細さの糸を作るには「空気精紡」という高速回転する機械が必要なのですが、従来の反毛綿は繊維長が短く、繊維自体の波型波形(クリンプ)も伸びきってしまっているため、空気精紡にかけることが出来ません。つまり従来の反毛綿はTシャツ生地を作れるような細い糸にすることは出来ませんでした。
【余談ですが、毛七について】
繊維産地である尾州では、ウールの再生技術で「毛七」というものがあります。
使わなくなったウールの衣類を集め、反毛し、ウールが7割その他繊維が3割の比率で作る「リサイクルウール」です。
毛七の製法ではウールを起毛させることは出来ないので、毛七で「毛布to毛布」のリサイクルは出来ないかと思います。
【次世代の反毛技術。あらゆる繊維で“反毛綿から生地”が可能に!】
従来の反毛は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。
しかし当社の最新設備での反毛は生地を引き裂きます。そのため繊維長を従来よりも長く残すことが出来、強度と風合いがUPしました。
また、工程数を減らしたことにより、繊維の損傷が抑えらます。これまで反毛には5台の機械が必要でしたが、1台で可能になったため、繊維クズが減り、原料を無駄なく使用できます。
この再生過程では水や化学薬品をほとんど使いません。電力は100%再生可能エネルギー(CO2排出ゼロ)由来の電力を使用します。
できあがった反毛綿は従来品の倍以上の細かさで、新品と見間違うほどの高品質です。
バージンのワタとほとんど変わらない品質のため、当社の設備で製造した反毛綿なら「空気精紡」にかけられるので、糸になり、生地にすることが出来るのです。
【地球人口80億人社会のなかの企業の在り方】
1970年代には40億人だった地球の人口が、この50年間ほどで、なんと2倍の80億人になりました。この後まだ増え続けることが予想されています。
水槽でも魚の数が増えれば環境が汚染されます。地球も同じです。
水・食料・エネルギー・あらゆる資源は有限ですから、需要量に供給量が追いつかなくなる可能性があります。
このような地球環境ですから、企業は環境問題と真剣に向き合うことを社会から求められています。
また、リサイクルを促進させて、資源の枯渇や価格の高騰を防ごう、そしてリサイクルでゴミの量を減らしてエネルギーの消費や二酸化炭素の排出を抑えようという動きが各産業で高まっています。
【車の製造に使用されるプラの25%はリサイクル材の使用が義務付け】
今年、欧州委員会は、新車の製造に使用されるプラスチックの25%にリサイクル材を使用することを義務付けました。そのうち25%は廃車部品からリサイクルしなければならないとのことです。
現在、日本国内で最大のプラ再生工場を持っているのはトヨタグループです。
EUで車を販売するには、リサイクルに本気で取り組むしかないのです。
繊維製品に関してもEUは「2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。
フランスでは22年、売れ残った衣類の廃棄を禁止する法律が施行されました。
さらに、この10月からは、服や靴の修理に補助金が設けられ、認可を受けた店で修理をすれば、料金の一部の払い戻しが受けられるようになったそうです。この施策のためにフランス政府が設定した予算は5年で240億円。
複数の主要国が10年ほど前から導入しているライドシェアを、日本はまだ検討検討と言っているような状況ですから、日本がすぐに欧米のようにダイナミックに変化するとは思っていません。しかし遅れながらもゆるやかに確実に、世界の大きな流れと同じ方向に進んで行くと思います。そして一定の割合を超えると付和雷同で一気に変化が進む。日本はいつもそんな感じです。
【最後に】
地球人口が40億人ほどだった20世紀は、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代でしたが、地球人口が80億人になり、さらに増加して行く21世紀は資源の無駄使いが出来ませんから、丈夫で長持ちするモノ、リペアできるモノ、リサイクルの時代になって行くと思います。
当社は、これまでも繊維のリサイクル(反毛)を36年続けてまいりました。
これからは「次世代の反毛技術」で、地球人口80億人の社会に貢献して行く所存です。
2023年
9月
20日
水
地球環境の未来と当社の取り組み
【ここ5年で2度の台風被害。それ以前は0回。これは偶然?気候変動?】
9月半ばを過ぎましても厳しい残暑が続いていますね。今年の夏は過去126年で最も暑い夏だったそうです。
誰かと会話するたびに、「近年の夏は、あまりに暑いから、日本でもサマータイムやシエスタを導入した方が良いんじゃないだろうか?」と、半分冗談、半分本気で言い合うぐらい、とても暑い夏でした。
8月中旬には台風が、当社のある泉南市に直撃の予報ということで身構えました。
5年前の台風21号のときには、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。
暴風に弱い箇所は、5年前の台風で飛んで行ったり壊れたりして修理をしていたので、今回は大丈夫なはずと思ってはいるものの、前回の記憶はまだ生々しく、直撃の予報となると不安な気持ちになりました。本社はお盆の連休中だったのですが、社員も数名出勤してくれ、台風対策に尽力してくれました。
シニア事業部のサ高住では停電の備えとして非常用自家発電機の設置に加え、予備の自家発電機を3台備えており、非常食や水、非常用トイレなどは万全ですが、夏場の停電は熱中症が心配だということで、ハンディファンを人数分と、氷枕、冷凍庫を急遽購入し凍らせたペットボトル(飲用したり、体に当てて冷やしたり)を備蓄品に追加しました。
ええい!やれるだけのことはやった、後は万事を尽くして天命を待つのみ!の精神で台風当日を迎えました。
台風の右側に泉南市が入ってしまいましたが、暴風雨は心配していたほどではなく、これならほとんど被害は無いだろうと安堵したものの、台風通過後に調べてみると、21号の時よりかは遥かにマシですが、細かな被害が15か所以上に発生しており、約300万円規模の被害が発生しました。
長年ここ泉南市で事業を営んでいますが、近年まで自然災害の被害に遭ったことはほとんどありませんでした。しかし、この5年で2回も被害に遭ってしまったのは偶然なのでしょうか?それとも気候変動によるものなのでしょうか?
【大きく変化している地球環境があります。何だと思いますか?】
気候変動に関しては「変化している」「してない」など様々な意見があるので現時点では答が出ませんが、昔と今とでは大変大きく変化している地球環境があります。
何だと思いますか?
それは地球の人口です。私が小学生の時に習った地球の人口は確か30億人台でした。それが今や80億人です。私が生きて来た約60年間の間に約2.7倍に増加しています。
日本では人口減が社会問題になっていますが、外側に目を向けると人口爆発が世界の課題になっています。
あと15年ほどで90億人、あと35年後の2058年頃に100億人に到達すると国連が予測しています。
【今後、資源が枯渇して行く社会から求められる商品は、リサイクル製品】
人口爆発により世界全体の資源や食料や水が不足し、奪い合いになると言われています。
そのような地球環境ですから、すでに時代遅れの感がありますが「大量消費、大量生産」の時代ではなくなっていきます。
繊維に焦点を当てますと、合成繊維の製造には化石燃料や大量の水が必要で、その分CO2も増えます。
人口爆発により資源が枯渇して行く社会では、資源を大切にするリサイクルが、ますます重要視されていくのは当然の成り行きだと思います。
【どんな繊維でも再生できる世界初の最新設備を導入】
「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。
化学繊維や天然繊維、混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維でも、この機械に入れると、細かく分解されてリサイクルされた反毛原綿として生まれ変わります。
この再生過程では、水や化学薬品をほとんど使わず、エネルギー消費も半分以下に低減されます。また、反毛原綿を製造する5つの工程それぞれに発生していた大量の繊維クズの量も激減します。
従来品と比べて反毛綿が倍以上の細かさになっており、新品と見間違うほどの高品質です。
当社は現在、この新しい再生技術(リサイクルプロセス)によって製造された繊維を「もったいない繊維」という商標で出願中です。
【リサイクルの課題:「工程が多く、その分コストとエネルギーが必要」を解決】
リサイクルには、いくつか課題があります。
まず工程の多さです。バージン素材製品の製造工程よりもリサイクルする分だけ余計に工程が増えます。(通常、6工程ほど増えます)
工程が増えた分、人件費をはじめとしたコストが増えますし、6工程に必要な機械5台を動かすエネルギーが必要で、その分CO2が排出されます。
しかし当社の新しい設備では、これまで機械5台6名が必要であった工程が、機械1台2名で可能になりました。
将来的な人手不足にも対応できます。
【リサイクルの課題:「バージン素材製品に比べ、耐用年数が短い」を解決】
バージン素材から作られた既存の製品と同じ作り方をすると、どうしてもリサイクル繊維は強度が落ちてしまうので、耐用年数が短くなるという問題が有ります。
短期間の間に何度も買い替えなければならないのなら、それはエコとは言えません。
社会から必要とされている製品は、たとえリサイクルされたエコ製品であっても、バージン素材製品と同レベルの耐用年数を持った寿命が長い製品だと思います。
そこで当社のサスティブブランケット(リサイクル繊維で製造された毛布)においては、縦糸と横糸の番手をそれぞれ変更することで、そしてサスティブフェルト(港湾土木用バンカーマット)では製造工程を変更することで(特許出願済み)、バージン製品と同等の強度を持ち、耐用年数の長い製品を製造しています。
【広まりつつある環境経営 当社への依頼】
環境経営とは、環境問題に取り組み、社会的責任を果たしながら、自社の企業価値も高めていく経営のことです。
SDGsの環境問題に対する取り組みの1つとして、自社で使う製品を購入する際に、地球環境に配慮した製品を選択される企業が増えてきたと感じます。
バージン製品ではなく、多少割高になっても、そのコスト増を環境に対する付加価値だと捉えてリサイクル製品の方の毛布を選択されるお取引先が増えています。
また近頃、当社への依頼で増加しているのが、毛布(災害備蓄用毛布、リネンサプライ毛布)、企業の制服・ユニフォーム(大手飲食店や量販店など)のリサイクルで、古くなった毛布や制服をリサイクルで反毛原綿にして、そこから糸へ、そして再びその糸を使って毛布や制服を製造するリサイクル。他には、大手ガス会社の通電しない軍手を、同じように糸にして再生するというリサイクルなどです。他にはシートベルトやタイヤコードを反毛原綿にすることも可能です。
近年、企業は「自社のSDGsの取り組み」をHPなどで掲示しています。
不要になった毛布やユニフォームや手袋をゴミにせず、リサイクルすることで、環境問題に真剣に取り組んでいる企業だとエンドユーザーに示すことが出来ます。
【最後に】
欧州では2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、「耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。
本当に微力ではありますが、当社が現在取り組んでいることの全てが、上記の文言に含まれています。
諦めず、一人一人が環境問題に意識を向け行動すれば、地球環境の未来は「良い方向へ変わって行くはずと私は信じています。
2023年
8月
27日
日
マザコン宣言
先日、お盆前に久しぶりに亡き母のお墓にお参りしました。
高校生の時に母を亡くして以来、大学や書生の為に泉南を離れていた時以外は、30年以上に渡り週一回のペースでお墓参りを続けていましたが、昨年8月に感染性心筋内膜炎で入院したことをキッカケに(現在は完治しております)、自分の健康を最優先にして、最近は月に1回程度に控え気味になっています。(関連ブログ:入院しておりました>>)
それまでは、ほとんど毎週のように墓地に通っていたので、同じように毎週通っている方々と顔なじみになり、墓参り仲間として親しくなったりしていました。
また、ポリッシャーを持ち込んで墓石を磨いていた時には「精が出ますね。ご一基おいくらですか?」と業者さんに間違えられて「えっ?!身内の墓です」と大笑いしたこともありました。
また、墓地の花屋さんとは顔見知り以上の長年のお付き合いになり、「もう年なので、近々花屋を廃業しようと思っているから、この店を買ってくれないか?」と声をかけてもらったこともありました。
では私がなぜそんなに頻繁に墓参りをしていたのかといいますと、まず亡き母に対する感謝の気持ちから。そして、墓前で手を合わせると、聞こえるはずもない亡き母の声が聞こえるような気がするからです。
もし母が生きていたら、こんな時、母は私にどんなアドバイスをくれるだろうか?と自問自答をするのです。
すると「俺はこう思っているけど、母ならこう言うかもしれない」などと、距離を持った目で自分を見ることが出来るのです。
複雑な感情に囚われた時も、母のフィルターを通して物事を解釈すると、さまざまな思いも後方に退き、心が落ち着きます。
私にとって墓前で手を合わせる時間は、内省の時間で、それにより自分で自分にブレーキを掛けたり、アクセルを踏めたり、心を整理したり出来るのです。
詳しいことは以前このブログで書きましたが、私が生まれて8か月の時に、母は腎臓結核にかかってしまいました。
最後は人工透析を繰り返しながら、私が高校生の時に亡くなってしまいました。
今振り返ってみると、亡き母の人生は闘病以外のすべてを私に捧げたと言っても過言ではありません。
私は亡き母との間にたくさんの思い出がありますが、特に印象が深いのは、病院から体調の良い時に一時退院して自宅に戻っている時は、いつも私と手をつないで寝てくれたことです。
私が寝ている間に母が再入院してしまったことがあり、それがトラウマで、私が寝ている間にまた母が居なくなってしまうのではないかと不安に駆られて、いつもなかなか眠れなかったのですが、母は手を繋いで一緒に居てくれることで私を安心させてくれました。
母の私への愛情は言葉では言い表せないほど深くて強かったと思います。
私は人との会話の中でよく亡き母の話をしますが、相手の方は悪気は無いと思いますが、「社長さんはもしかしたらマザコンかも?」「社長さんはマザコンですよね」とか、茶化されたり、からかわれたりすることがあります。
私は自分でもマザコンだと思いますし、それを否定しません。
人生は予測できないことばかりですから、今できることを頑張って、後悔しないように心がけ、ご縁あるすべての方々へ感謝して生きて、いつの日か再び母に会った時には
「いろいろあったけど良い人生だった。お母さん生んでくれて本当にありがとう」と言える自分でありたいと思います。
というわけで、61歳、本日ここに堂々とマザコンを宣言いたします。
【母について 関連ブログ】
■十五夜の告白>>(母から深刻な病状を告白された日の話)
■不安の哲学>>(母の死を常に恐れていた子供時代の話)
■「一生恨んで、大人になったら必ず仕返しするからね」>>(母と、母に辛く当たる小姑の話)
■担任の先生が毎日家にやって来る!>>(母と担任の先生との話)
■野球場の母>>(墓地で母を思い出して泣いた話)
■恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>(母と一緒に退学届けを出しに行った日の話)
■背伸び>>(母から生き方を教えられた話)
■知恵をしぼる>>(母が入院する病院で、私が勝手にバルサンを炊いた話)
■二宮金次郎と母>>(母に騙された話)
■母とピンクと私>>(幼少期、ピンクの服ばかり着せられていた話)
2023年
7月
27日
木
61歳 一生成長する気持ちで一生勉強
【過去の自分の経験が役に立たなくなっている】
近年のIT関連の発展のスピードは日進月歩という表現では追い付かず、秒進分歩です。
それにともなって、社会は早いスピードでありとあらゆるものが変化していると感じます。
新しいテクノロジーやビジネスモデルが次々と登場し、そのため従来のスキルや知識だけでは対応できなくなってきているため、昨年、岸田内閣は個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じると表明したほどです。
私は、このようなビジネス関係のブログを10年ほどやっていることもあり、若手経営者向けの会で話をしてくれと頼まれることが時々ありますが、現在の社会では過去の自分の経験が役に立たなくなっていると感じているため、人様に教えられることが無いのです。
たとえば昔は新商品開発の資金調達は銀行融資ぐらいでしたが、最近ではクラウドファンディングで調達するなど、私の分からない世界です。
終身雇用・年功序列の日本的経営の昔と、スキルアップのための転職が普通の今では、会社と従業員との関係性も違います。
働き方改革により、働き方も変わり多様化しました。(当社では人手不足に備えるために、そして多様な働き方に対応するため、週4日正社員の採用枠を現在準備中です)
お取引先とのコミュニケーションの取り方も私と若い社員とでは違います。
【ネットから学ぶことができない重要なこと】
それに今の時代、年長者の経営者にわざわざ教えてもらわなくても、ネット検索すれば、ありとあらゆる専門的な情報がすぐに出てきます。
けれどもネットから学ぶことができない重要なこともあります。でもそれは教えることが出来ないものです。
たとえば「第六感」などです。材料的にはGOサインであっても、第六感でNOの経営判断をすることや、その逆で、材料的にはNOであっても、第六感でGOサインを出すことなども結構あります。
しかしこれも、純粋な感というよりかは経験値から無意識に感じるもののような気がします。
また一つ一つの問題に対しての意思決定や行動などはケースバイケースな為、「これをやっていれば成功する!」という定石のようなものは経営には無いと思います。
【この石を踏むと確実に失敗する】
しかし、この石を踏むと確実に失敗するというものは存在しています。
成功は運などの要素も関係してくるため再現性は低いのですが、失敗は原因があるので再現性が高いです。
私が思うに「運と縁(えにし)」を大切にしない場合は、色んな面で失敗する確率が高いです。
運については11年前に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。(努力を極めてからじゃないと運(天命)は来ない>>)
縁については、人との縁が大切なのは耳タコだと思いますので、縁の生み方・育て方を、身も蓋もなく書いてみます。
それはズバリ「我慢と謙虚と感謝」です。
世の中の上手く行っている夫婦関係もそうではないですか?親しい友人であってもそうではないですか?
人は一人ひとり違う価値観や考え方や生活習慣を持っているため、人間関係の中で、少しのストレスも我慢も無い関係は存在しないと思うのです。
だから時には不満に感じたりイライラしたりもします。しかしそこで「この人とは合わないなぁ」と感じるたびに疎遠にしていると、自分の社会的なネットワークがどんどん減少してしまいます。また自分と違う価値観や考え方を知る機会を失って、自分の成長も止まってしまいます。
ですから人間関係の中でストレスを感じても、まず我慢。そして次に自分の意見や考え方が絶対的なものではないから、相手の意見に否定的になったり、反論したりするのではなく、「学びの機会」として捉えると素直に相手の話に耳を傾けやすくなると感じます。
現に、この年齢になると意見してくれる人が少なくなるので、自分と違う視点を持った人の意見は有難いのです。とくに若い人の意見や価値観は自分と全然違っていたりするので、私が教えるどころか逆に「今の世の中」を学ばせてもらうことが多いです。
そして一番大切なことは、感謝。
〇〇してもらって当たり前、この気持ちは相手の心をとても疲弊させます。
当たり前や当然の権利だと思う気持ちばかりが強くなり、要求ばかりしていると、心を込めて一生懸命に提供してくれている人ほど拭いきれない徒労感が蓄積し、最後は離れていくものです。
どんなに親しくても、金銭が発生するビジネスの関係性であっても、人間関係の全ての関係性において、お互いに感謝する気持ちは必須だと思います。
(関連ブログ:「当たり前」に感謝>>)
これらをお座なりにしていると失敗の確率は確実に高まると感じています。
最後にこのブログを書きながら、好きな作家の「あいだみつお」先生の、「一生勉強 一生青春」という言葉を思い出しました。
2023年
6月
21日
水
自分に向いていることは、苦しくても続けよう!
Netflix「サンクチュアリ-聖域-」を見ました。
北九州の不良が、才能と体格を見初められ相撲部屋に入門し、大相撲界でのし上がろうとする姿を描いたドラマです。
大変人気があるようで、日本だけではなく、世界で見られているとのことです。
私も一気見しながら、まさに天理高校、柔道部時代を思い出しました。
私が高校生だったのは、今から40年以上も前の昭和の話なので、現在とは大きく違うでしょうが、当時の天理高校柔道部の寮生活は非常に厳しいものでした。
早朝から夜の自主トレーニングまで、ほとんど毎日、休み無く稽古がありました。
柔道部は、入学式初日から稽古があり、修学旅行中も、そして卒業式当日の朝まで稽古がありました。(※関連ブログ:ゴールは無い>>)
寮での生活も厳密なルールがあり、掃除・洗濯・食事・練習の準備・夜の見回りまでが当番制で日課となっていました。
「サンクチュアリ」の主人公である猿桜も確か二度、相撲部屋から逃げ出そうとしましたが、私も同じく、あまりの苦しさに逃げ出すことを決め、同室の先輩に「今夜、夜の内に寮を脱走して身を隠します」と打ち明けました。笑(※関連ブログ:生涯の縁>>)
その後も、まぁ色々ありましたが、結果としては最後まで柔道を続け、結果を出すことが出来ました。
最近は、スポーツでも仕事でも「苦しいことから逃げるのは悪いことではない」などの意見を大変よく見かけます。また仕事選びについても「好き」や「嫌い」、「楽しい」「楽しくない」などの感情面が昔よりも重視されているなぁと感じます。
しかし私は、それには首を傾げてしまいます。
猿桜も最初は相撲をダサいと嫌がり、お金のために渋々始めました。
私も人生のターニングポイントとなった柔道は、飲食のツケが溜まり過ぎたため、渋々始めました。(※関連ブログ:人生のターニングポイント>>)
猿桜が相撲部屋から逃げ出そうとした時、「お前は相撲に向いているから、絶対に逃げるなよ」と、同じく相撲部屋から逃げ出した同僚に言われ、猿桜はお金が必要だったこともあり、悩んだ末、相撲部屋に戻りました。
その同僚は心から相撲を愛していましたが、体が小さく、相撲に向いていなかった為に力士になるのを諦めました。
猿桜は好きでも何でもなかった相撲に「向いていた」為、どんどん強くなって行きます。
そして強くなって行くと、どんどん楽しくなって行き、ある日、気が付けば「相撲たのしいー!」と叫んでいました。
そう!重要なのはこれだと思うのです。
好きや嫌い、楽しいや楽しくないよりも、重要なのは「向いているか、いないか」。
人より少し上手く出来るなにか、人より簡単に出来てしまうなにか。つまり、それが自分に向いている事。
向いている事ならば苦しくても続けることが出来、そのうち楽しく感じる「瞬間」がある。あくまで瞬間という「点」であり、継続的な「線」ではないのだけど、その「点」があるから続けていける。
私が30年間以上、経営を続けてこられたのは、人より少し経営に向いていたから。そして経営が楽しいか楽しくないかと聞かれたら、苦しいことは線、楽しいことは点、でもその「点」があるから続けてこられたのだと思います。
向いていないけど楽しいことは趣味。
向いていないことを仕事にすると苦しい。
自分に向いていることは、苦しくても続けよう!きっと、そこから何か生まれるはずです。
ここで、すでに鬼籍に入られていますが、今でも夢を見る日があり、思い出すたびに背筋が伸びる感覚に襲われる当時の天理高校柔道部監督 加藤秀雄先生の言葉を掲載させてください。今の時代には合わない言葉かもしれません。けれども最後の1行、それは真実なのではないでしょうか。
我々の目標
我々は如何に苦しむべきか
我々は苦しみを喜びとできる豊かな心と強い人間になろう
我々は苦しみを避けず勇気を以て立ち向かおう
その苦しみは我々に何をもたらすか
人生の栄光は苦しみの中から生まれるであろう
加藤秀雄
柔道部のあまりの練習の厳しさに、私はやる気を完全に無くし、母と共に退学を申し出に行きました。その時に私を引き留め「続けることの喜び」を教えてくれたのが、この加藤先生で、先生の講道館柔道九段昇段の記念品の湯飲みには「続けることの よろこび 九段 加藤秀雄」と書かれていました。
(関連ブログ:恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>)
2023年
5月
27日
土
仕事の優先順位や時間管理
<新社会人・新入社員の皆さんへ>
清々しい5月です。
「さわやか」は秋の季語で、初夏である5月は「清々しい」が季語だと、ご存知でしたでしょうか?私は最近知りました。
5月は過ごしやすい季節である一方、5月病と言って、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況が起こりやすい季節です。
特に新社会人は大きな環境変化の中で大変な毎日だと思います。
5月ごろになると、少しずつ任される仕事も増えてきて、仕事の優先順位や時間管理で悩む人も多いかと思います。
そこで今回のブログでは、新社会人や新入社員の方に向けて、私のお勧めの仕事の仕方をご案内します。
<仕事の優先順位>
・5分で済む用事は今スグする。
・15分内で済む用事は本日中に片付ける。
まずはコレです。
なぜならタスクを抱えすぎると人の脳はパニックになるので、すぐに済むものはサッサと終わらせて、抱えているタスクの数を減らした方が良いです。
すぐに終わる簡単なタスクでも終わらせれば達成感はそれなりにあるので、自転車の助走と同じで、次の仕事に勢いがつきます。
私はタスク1つにつき、1枚の付箋を使って、それを手帳に貼付けてTo Do リストを作っています。タスクを完了させると、せっせっと剥がしていきます。剥がす時は爽快です。
私はアナログ人間なので、手帖を使用していますが、スマホのアプリだと期限に合わせて通知が設定できるなど便利ですから、そういうデジタルツールを職場でも、どんどん積極的に使っていったら良いと思います。
締め切りが定められている仕事は、その期限までにまだ余裕があっても、もう先にやってしまいます。
提出期限が何日から何日までと定められているような場合(官公庁の書類などが多い)、私は受付1日目で出すようにしています。
すると受付で、間違いや改善点を教えてもらったり、別のアイディアを提案してもらったり、ブラッシュアップする時間がたっぷりあるのです。実際に何度もそのような事がありました。
期限ギリギリの火事場のクソ力でやる人も多いでしょうが、精神衛生上良くないし、間違いがあった場合は期限に間に合わなくなりますし、ブラッシュアップする機会を失います。
締め切りに対する姿勢というのは、その人の癖というかパターン化しやすいのです。ギリギリに提出する人は毎回毎回そんな風です。癖は一度付くと、直すのは難しいです。
ですから新人の方は、ギリギリに提出する癖が付いてしまわないように、受付1日目で出す心意気で向かってみてください。それを習慣化しましょう。
また上司や先輩から頼まれた仕事を完璧にしようとし過ぎて、1つの仕事に時間がかかりすぎるのは良くないです。
仕事の内容にもよりますが、とくに新人の場合は特別重要なことを任されることも少ないはずですから、95点を100点に近づけるために何時間も費やすよりかは、早く終了して、その浮いた数時間は別の仕事に充てた方が良いかと思います。
新人のうちは特に、色々なことを数多く経験することが何よりも大切です。
あれこれ仕事をしているうちに、会社全体での仕事の大きな流れや、その会社の方針みたいなものが見えて来るかと思います。
上司と新人とで、持って生まれた能力の開きが何倍もあるわけではないです。
何が大きく違うかと言うと、それは「経験値」です。
色んなことを何度も何度も経験して行くうちに、人は上手く対処できるようになって行きます。よく言われているセリフですが、「経験が1番大事。経験が人を成長させる」は真理です。
その前提で考えると、仕事が遅いと、「彼・彼女に頼んでも時間がかかるから、自分でやってしまおう」または「別の人に頼もう」となり、経験値を上げる機会の損失になります。
つまり仕事が遅いと成長も遅くなるということです。
<時間管理のマトリクス>
有名なフレームワークですが、仕事の優先順位は主に以下の4つに分けられます。
1,重要度が高い×緊急度も高いタスク
(締切が近い仕事・クレーム・重要設備の故障・重要なトラブルなど)
2,重要度が高い×緊急度は低いタスク
(顧客満足度や品質改善、社内のシステム作り、新商品・新規事業についての計画など)
3,重要度が低い×緊急度は高いタスク
(重要度の低い打合せ、重要度の低い差し迫った問題、突然の来客など、見込みの薄い営業)
4,重要度が低い×緊急度も低いタスク
(世間話・何もしない待ち時間、何もしない移動時間など)
経営者である私の日々の仕事は、1(重要度が高い×緊急度も高い)のタスクと・・・
3(重要度が低い×緊急度は高い)のタスクは、社員の皆さんにふることが多いです。
そのお陰で私が最も多く時間を費やしているのは、実は2(重要度が高い×緊急度は低い)のタスクです。
顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなど、未来に向けてのことを考える仕事です。
日々の緊急な仕事で「未来の創造」が欠けてしまうと、会社は将来低迷してしまいます。経営者やリーダーが、2(重要度が高い×緊急度は低い)に時間を費やせる環境が、会社として理想的な形だと思います。
そのためには、まずは3(重要度が低い×緊急度は高い)を安心して任せられる部下が必要です。これは新入社員の頑張りどころかと思います。そこで上司から信頼を得ると、1や2を一緒にやってくれるメンバーだと認識されます。
いきなり何もかも上手くやろうと思っても無茶ですから、新入社員の方は、まず3(重要度が低い×緊急度は高い)を自分の領域だと意識して行動してみると良いかと思います。
今回のブログが新社会人や新入社員の一助になれば幸いに思います。
2023年
4月
01日
土
ChatGPTを試してみたら、 思っていたのと違う未来が来るのだと感じた
ChatGPT、最近耳にする機会が増えましたがご存知でしょうか?基本無料で誰でも使える対話型AIです。
ChatGPTを試してみて大変驚きました。怖くすらなりました。まずはChatGPTの凄さを実感する為に、こちらをご覧ください。
私のオーダーと、ChatGPTの回答です。
私のオーダー
「地方の人口減少」「雇用」「中小企業」「地域貢献」「企業は社会の器」「地域の発展」「働く場所が無ければ人口は流出する」
以上のキーワードを盛り込んで、コラムを書いてください。
ChatGPTの回答
近年の日本では、地方の人口減少が深刻な問題となっています。若い人々は都市部へ流出し、高齢化が進む地方では雇用状況も悪化しています。このような状況下で、地方の中小企業にとっても厳しい状況が続いています。
中小企業は地域に密着した存在であり、雇用創出や地域貢献にも大きく貢献しています。しかし、地方の人口減少や雇用状況の悪化で、中小企業の事業環境は厳しさを増しています。多くの中小企業が、働く場所がなければ人材を確保できず、地域から離れざるを得ません。
そこで企業は社会の器であることを自覚し、積極的な地域貢献を行うことが必要不可欠です。地域の課題を把握し、地域の発展に貢献することで、中小企業の事業環境も良くなります。例えば、地方で産業を育成するための資金支援、地元の大学などと協力して研究開発を行うことなど、企業には様々な地域貢献の方法があります。
また、中小企業は人材を確保するためにも、社員が働きやすい環境づくりをすることが必要です。これには、フレックスタイム制度の導入や、充実した福利厚生などが挙げられます。さらに、地方での人材確保のためには、移住促進などの施策も必要です。例えば、地方の魅力をアピールするPR活動や、地方と都市部を繋ぐインターンシップ制度の導入などが考えられます。
中小企業が地域に根ざした発展を実現するためには、企業の社会的責任を果たすことが欠かせません。地域の課題に積極的に取り組み、社員が働きやすい環境を整備し、人材を確保することで、地方の中小企業の発展につながります。企業が地域を支えることで、地方の人々がより豊かな生活を送ることができるようになることを願っています。
いかがでしょうか?
若干おかしな箇所もありましたが、私がオーダーした単語が見事に盛り込まれた立派なコラムを、AIが、なんと5秒ほどで回答して来ました。
ビジネス文書やメールの作成も大変得意なようで、アッと言う間に、ほとんど完璧な文章を作って寄こします。
私も含め多くの人が想像していた未来は、人間の代わりに機械が肉体労働を引き受け、人間は「頭脳」の部分の仕事を引き受けるのだと思っていました。
しかし実際は製造業や建設業や農林水産業でも、機械化が難しい行程が多いし、エッセンシャルワークを機械化するのは更に難しい。
けれどもオフィスワークに関しては、様々なソフトウエアが開発され、例えば10人必要だった仕事を5人で出来るようになるなど、どんどんデジタル化が進んでいます。
そのうえ、このように日進月歩どころか秒進分歩で進化し続けているAIが登場し、これがビジネスの場でMicrosoftのワードやエクセルなどのオフィスアプリのように当たり前に普及してしまうと、必要とされるホワイトカラーの数は、今より遥かに少ない数になるでしょう。
またChatGPTはオーダーされた条件で小説を作ったり、オーダーされたテキストから画像を生成することも出来ます。
「当社のこの設備を使って製造出来るまだ世の中に無い新商品を考えて!」や、「当社の商品は、こういう特徴があるんだけど、キャッチフレーズを10個考えて!」なども試してみましたが、数秒でこなします。
クリエイティブな部分はAIが出来ない領域だと思っていましたが、アッと言う間に可能になってしまいました。
ChatGPTの登場は数年のうちに労働市場に大きな変化を与えるだろう。
そんな未来を感じました。
【ChatGPTで、心が空っぽの人間達が生成されるリスク?】
いったん話が変わりますが、当社が運営しているサ高住のHPへのアクセス数で、常に上位の人気ページがあります。
それは「人権についての基本的理解の研修を行いました>>」というページなのですが、このページは全国から頻繁にアクセスがあるのです。
なぜなのか推測するのは簡単です。
介護施設の多くは従業員の意識向上の為に、このような人権の研修会を行うものなのですが、研修の後、参加者にレポートを提出してもらうのです。
参加者は、そのレポート作成の参考にしようと、ネットを一生懸命に検索して、当サ高住のHPに辿り着くというわけです。
色んな人のレポートを参考にする行為、私はそれは良いと思うのです。
色んな人の意見を調べているうちに、新しい気づきがあったり、あぁ講師の言葉の意味はこういう事だったのか!と理解が深まったり、レポート作成を試行錯誤している間は、人権について自分なりに自分の頭で本当に考えている時間だと思います。
それがChatGPTのように、すでに最初から最後まで完成された文章を5秒ほどで、オーダーした文字数や、オーダーした理解度(小学生の文章レベルで作成して。などのオーダーも可能)で作り上げて来るものを皆がこっそり利用するようになると、レポートの意味があるのだろうか?もっと言えば人権研修の意味すらあるのだろうか?と憂慮してしまいます。
小・中・高の教育現場でのChatGPT利用の賛否が議論されているようですが、読書感想文や自由研究のレポートや夏休みの日記や、お詫びや感謝やラブレターなどの自分の気持ちを伝える文章、体験レポート、それらの作成にChatGPTを利用するようになると、文章だけは立派だけど、自分で考えていないから中身が伴っていない空っぽの人間達が増えてしまうのではないでしょうか?悲観的すぎるでしょうか?
また将来、ChatGPTの作成した文章で相手に思いを伝えて、相手もChatGPTが作成した文章で返信するようになると、もう言葉には何の価値も無くなってしまう気がします。
【時短、アイディア出し、ブラッシュアップで利用】
先ほど悲観的な事を述べましたが、時短の為にビジネスの場で、一般的なビジネス文章やメールの作成に利用したり、アイディア出しを試してみたり、プレゼン資料のブラッシュアップで利用するのは賛成です。
では最後になりましたが、私から新年度のご挨拶をさせてください。
私のオーダー
新年度(4月)のご挨拶を考えてください。中小企業の社長のブログに掲載します。意気込みは入れてください。
ChatGPTの回答
新年度を迎えました。皆様には益々ご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
当社は、中小企業ならではの柔軟性と創造性を活かし、お客様のニーズに応える商品とサービスを提供してまいります。また、社会的責任を果たす企業として、環境保護や地域貢献にも積極的に取り組んでまいります。
皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
このChatGPTの回答を私の新年度のご挨拶に代えさせて頂きます。笑
今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。皆様に感謝!!ありがとうございます。
2023年
3月
23日
木
当社商品が泉南市観光協会主催「ええもん せんなんもん」の認証を取得しました
このたび、当社新商品のSDGsシリーズ「サスティブブランケット>>」が、泉南市観光協会が主催する「ええもん せんなんもん2023>>」の認証を取得しました。
「ええもん せんなんもん」とは、泉南市観光協会が主催するプロジェクトです。
以下、泉南市観光協会のHPより
「せんなんもん」とは、わがまち泉南市の素晴らしさを表象する商品、サービスと、それを生み出して来られた事業者の総称です。泉南市のブランドを決める大事な投票に、あなたも是非ご参加下さい!
「ええもん せんなんもん」として認証された事業者の方には、市より認定証が送られるとともに、泉南市観光協会が全面的に事業者の方々の活動を応援させていただきます。」
つまり市民投票により、泉南市のブランド「せんなんもん」に相応しい商品を選び、地域経済活性化を目的とし、「せんなんもん」に選ばれた商品を全国の消費者や事業者にアピールする支援を協会が行ってくれる制度です。
イベント会場(イオンモールりんくう泉南店)とネットで行われた市民投票での結果、当社のサスティブブランケットが全得票数の過半数をはるかに超えた票数を賜ることができました。
これもひとえに、多くの関係者の皆様のご支援やご協力のおかげと心より深謝し御礼申し上げる次第でございます。誠にありがとうございます。
今回このブログにて、改めて当社の新商品「サスティブブランケット」の開発に至ったプロセスを書きたいと思います。1月のブログ「私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて>>」と重複している箇所もありますが、あしからず。
現在のものづくりは複雑で、昔のように良い商品を作ればそれで良いという単純なものではなくなりました。どのようなサプライチェーンで、どのようにして作られた商品なのか、その商品のバックグラウンドまで問われるようになってきました。
チョコレートで例えるなら、日本で売られているこのチョコのカカオは、アフリカの農園で児童労働により作られたものではないか?産地の環境や生産者の健康が守られているか?企業はサプライチェーンの末端である何百何千という農家の現状を調査し、もし問題があれば改善する取り組みをしなければならない。
とまぁ、このような感じで、「サプライチェーン全体」での企業に求められる責任が年々拡大しています。
その他、企業の環境貢献や社会課題への取り組み、公正・透明な経営、それらの情報開示などが必要とされ、これらがESGやSDGsにつながります。
当社も、その重要性に気づき、地域社会への貢献も含め、社会に有形無形の利益をもたらせるように様々な取り組みを重ねてまいりました。(当社の取り組みを見る>>)
そして2022年より、環境問題に対し、当社は新たなチャレンジを始めました。
それが「ECO PROJECT>>」です。
「ECO PROJECT」は不要になった毛布や繊維くずを回収し、それらを特殊専用機で綿状に加工し、フェルトや毛布の主原料として100%再生させます。
これは世界初のサスティナブルな技術です。
そしてこの技術で蘇らせた原料で製造された災害用備蓄毛布やリネンサプライ業務用毛布が、当社の新商品「サスティブブランケット>>」なのです。
いらなくなった毛布から作られた毛布です。
従来のように焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現へとつながります。
またサスティブブランケットは製造工程についても、本社及び工場では再生可能エネルギーを100%使用しています。
さらに当社は、製造工程はもとより、自社工場のすべての企業活動において、2030年CO2排出0に目標を定めて取り組んでいます。
また世界人口の増加により資源不足が懸念されていますが、サスティブブランケットは、いらなくなった毛布から製造されるため、省資源を実現できます。
これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。サスティブブランケットは持続可能な社会のために、ESG・SDGsに配慮して製造された毛布です。「暖かい」や「防炎」以外にも多くの付加価値を提供する毛布なのです。
2050年カーボンニュートラルの達成は世界の目標で、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。
環境省は、地域脱炭素ロードマップを作っており、2025年までに100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくることを掲げています。
脱炭素先行地域とは、家庭や業務部門の電気使用によるCO2排出量実質ゼロを実現する地域です。(大阪府では堺市)
そして2030年には「脱炭素ドミノ」を起こそうとしています。ドミノ倒し的に一気にあらゆる地域や産業で脱炭素化を起こそうとしているのです。
エコバッグやマイナンバーカードもそうでしたが、日本人は動き出すまでには時間がかかるけれど、付和雷同だから動き出すと一気に、周りから遅れをとるまいと動き出します。
2030年以降には、脱炭素化をしていなければ商売のスタートラインにも着けない世の中になっているかもしれません。
また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。
脱炭素の取り組みは、地球環境のためでもあるけれど、自社が「新しいシステムの社会」で生き残るためでもあるのです。
今回、ええもんせんなんもんの市民投票で、BtoB向けの「サスティブブランケット」が最多得票数を獲得できたのも、環境問題を意識している市民の方が少なくないからだと思います。
地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあり、ここ泉南市は2018年の台風21号で大きな被害を受けました。
今だから言えますが、台風21号が通過した後、私は工場の点検に行きましたが、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど、茫然とするような大きな被害を受けました。(台風21号のブログ>>)。社員の手前、気丈に振舞っていましたが、工場の惨状を見た時には体が震える思いでした。
もう二度とあの時のような思いはしたくないので、地球環境に良いと言われていることには積極的に取り組みたい気持ちも強いです。
令和4年度の年度末が間近に押し迫り、皆様ご多忙中のことと御推察申し上げます。
本年度は誠にありがとうございました。
新年度もより一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが「ええもん せんなんもん2023」認証に際し、泉南市観光協会様を始めとして関係各位様や多くの皆様のご支援・ご協力に重ねて心より深謝し御礼申し上げる次第であります。
2023年
2月
20日
月
進むデジタル化、進めないオヤジ達、そして今後の社会変化
<私のデジタル化状況>
コロナ禍の3年間で急速に、ズームなど非接触の会議が社会に浸透しました。
ズームでの会議や営業の案内は毎日のようにあります。しかし私は未だに、なかなか慣れるというか馴染むことができず、「御拝顔のうえの方が・・・・」とお願いしてしまいます。
飲食店で、メニューはQRコードで読み取りスマホで注文するようなお店に知らずに入ってしまうと、面倒だからもう2度と来たくないなどと辟易してしまいます。
「社長、スマホのカレンダーに予定を入力すれば、前日や当日朝に通知でお知らせしてくれて便利ですよ。」
「メモは口頭で入力すればスピーディーだし便利ですよ」
「単行本でも紙の書類でも、スマホで撮影すれば、文字をテキスト化してくれますよ」
「商品名が分からないものでも、スマホで撮影してGoogle検索したら一発で出てきますよ」など色々教えてもらう度に挑戦してみるのですが、不慣れだから面倒に感じ、数回利用した後は放置してしまうことが多いです。この面倒臭く思う気持ちに耐えながら慣れるまで続けて利用していれば、今より遥かに便利な世界になるのは分かっているのですが・・・。
一方、デジタル化と言っても無数にあるので、自分の感性にフィットしているデジタル化は直ぐに慣れることが出来ます。デジタル化にも相性があるように感じます。
スマホ決済は非接触IC決済もQRコード決済も、もう随分昔から色々入れて愛用しています。
ワクチン接種証明書やJAFの会員証など、そういう類の物をスマホのアプリの中に入れるのは荷物が減るし無くさないので、大変便利だなぁと感じて利用しています。
<デジタルネイティブが30代に突入し企業の意思決定者へ。社会は変わる>
デジタルネイティブとは、生まれたとき、また物心ついた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代のことで、日本では1990年代から2000年代に生まれた世代のことです。デジタルを利用することが根付いており、生活様式やコミュニケーションの取り方もそれ以前の世代とは違います。
そんな彼らが30代に突入しました。30代前半には係長、後半ぐらいには課長に昇進し、企業の意思決定を任される機会も年々増えて行くと思います。
JRは緑の窓口を7割削減することを発表していましたが、デジタルネイティブが企業の意思決定をする時代になると、「スマホで電車乗れるし券売機があるのに、緑の窓口って意味ある?」「生産年齢人口の減った現代では人件費が一番高いから、緑の窓口はもっと減らそう」「スマホ使えない人のために1割ぐらい残せば充分だろう」と、そういう社会になって行くのは確実だろうと思います。
実際、旅行支援などでPCR検査の陰性証明書を取りに行った方に聞いたのですが、全てはスマホありきの仕様になっていて、QRコードでアクセスして登録して、スマホの中で陰性証明を発行される仕様だそうです。スマホが無いとか苦手な人に向けてはどんな風に手続きするのだろうか?と簡単に調べてみましたが、情報を見つけられませんでした。
デジタルネイティブが30代40代50代に突入し、裁量権の範囲が拡大していくと、ありとあらゆる商品やサービスが、今の何倍もデジタル化された社会になるでしょう。
今後デジタルネイティブの人口は増える一方、非デジタルネイティブの人口は寿命などの自然減で減る一方です。
社会はどんどんデジタル化するでしょうから、デジタル化に対応出来る人達にとっては社会は益々便利に、逆にデジタル化出来ない人達にとっては社会はますます不便になって行くのでしょう。
とはいえ、まだまだ非デジタルネイティブの人口の方が多いので、「メニューもパンフレットもQRからご覧ください」などと振り切ってしまうのは機会損失になります。
当社でも、紙で見たいというお客様の為に物理パンフレットと、物理パンフレットでは紙面スペースの関係で書けないさらに詳しい詳細はQRからご覧いただくなどの工夫をしています。
<わが社のデジタル化状況>
「機械化」は進めていますし、その機械も最新式の機械に入れ替えするなどは絶えず行っています。
しかし「デジタル化」ましてや「DX化」となると、正直どうすれば良いのか良く分かりません。多くの中小企業の経営者が私と同じ気持ちなのではないでしょうか?
デスクワークに関しては、それぞれの事業部がそれぞれ専門的なソフトウェアを使って仕事をやっていますが、自分個人のデジタル化もままならない私が取り仕切って改革して行くのは難しいです。というかムリです。
ですから社員の方から「こういうソフトウェアが欲しい」などと提案があると、「どんどん進めてくれ!」と言っていますし、逆に「この作業はソフトウェアを導入してデジタル化したら?」と私が提案してみても「今のままの方が慣れているので良いです」などと言われるとガックリしてしまいます。
社員自ら、自分達が仕事しやすいように、失敗を恐れずどんどんデジタル化の提案をしてくれたら嬉しい。世の中の非デジタル人間の経営者達はきっとそう思っているはず。
生産年齢人口の減少は確定的なので、今後はもっと人手不足の世の中になるでしょう。
限られた従業員数で運営して行くには、一人一人の生産性を上げなければならない。その為にはデジタル化は必須なのでしょう。
私と同じ、非デジタル人間の経営者の皆さん。中小企業はスモールスタートで頑張りましょう!
<お知らせ>
泉南市観光協会の主催するプロジェクト「ええもんせんなんもん2023>>」に当社の新商品「サスティブブランケット>>」がエントリーされました。
サスティブブランケットは、廃棄予定の毛布を100%再利用可能にした世界初の再生技術で誕生した商品です。
よろしければ動画の再生と「ええもんせんなんもん」の投票をよろしくお願いいたします。投票はこちら>>
※動画の中で「昭和10年に改組」と申しておりますが「平成10年に改組」の言い間違いです。
2023年
1月
03日
火
私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて
2023年(令和5年) 新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
さて新年らしく、今私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて私なりに分かりやすく整理してみたいと思います。
◇2006年 ESG
2006年、ESGが世界の投資に組み込まれ始めました。
ESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3要素の英語の頭文字を並べたものです。
企業が長期的に成長し続けるためには、環境・社会・企業統治の課題への取組みが必要で、その課題にしっかり取り組んでいる企業は、受益者(最終投資家)に長期的な利益をもたらすはずなので、そのような企業に投資をして行こうというような考え方です。
この考え方により、従来の短期的な利益の追求型の経営から、中長期的な視点での経営に世の中はシフトし始めます。
大変遅ればせながら、そして大変恥ずかしながら、私がESGという言葉を知ったのは2018年です。しかし当社の企業理念である三方良し(お客様の満足・従業員の幸せ・社会貢献)の実現の為に、すでに行っていた取り組みの多くが、そのままESGに繋がることに気づき2019年から本格的にESGの取り組みをスタートさせました。(関連ブログ:ESG課題へ取り組んで参ります>>)
◇2015年 SDGs
2015年、国連が、持続可能な開発目標SDGsを策定しました。
この年から、世界最大級の機関投資家である日本の年金基金はESG投資の原則で投資するようになりました。年金こそ100年先を見据えて運用する必要があるとの判断です。
つまりESGやSDGsに取り組んでいる企業は投資してもらいやすく、もっと言うとESGやSDGsに取り組んでいない企業は投資撤退されるリスクまで出て来ました。
当初私は「これは大企業向けの取り組みだ」と思い込んでいましたが、自分の考えが間違っていたことに気づきました。
そこで当社でも2020年よりSDGsに取り組み始めました。
ESGで取り組んでいたことが、そのままSDGsでも役に立ちました。(当社の取組み>>)
田舎の中小企業にしては早めに取り組んだお陰で、驚いたことに内閣府から官民連携のプラットフォームに参画しないかと、お声掛けをいただけました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>)
◇2020年 カーボンニュートラル
2020年、菅元首相が所信表明演説の中で、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言しました(カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出されるCO2と、森林などによって吸収されるCO2量の合計の差し引きをゼロにする考え方)。
もちろん日本だけの取組みではなく、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。SDGsでも「気候変動への具体的なアクション」が目標の中に明示されています。ESGの観点からも投資家が最も危惧しているのが気候変動のリスクです。
また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。良い技術があっても再エネ100%で製造しなければ、大企業から相手にされなくなる世界になって行くと思います。
そこで当社では、従来の太陽光発電に加えて、本年1月1日より非化石証書を使用した電気を調達することにより、本社及び工場で使用する電力は100%再生可能エネルギーを実現します。現在、蓄電池導入の話も進んでいます。
◇作って捨てる経済から、使い続ける循環型経済への移行
現在77億人の世界人口は2050年には97億人まで増加する見込みです。それにより資源不足・食料不足・水不足が叫ばれています。
そのため大量生産・大量消費のビジネスは、これからの時代に合わなくなります。
これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。
当社では以前より、災害備蓄用毛布・リネンサプライ業務用毛布を単に販売するだけではなく、使用済の毛布のクリーニングや再真空パックを行っておりますが、それに加え、昨年より新たな取り組み「ECO PROJECT>>」を開始いたしました。
不要になった毛布を特殊専用機で綿状に加工し、再生綿とつなぎの綿を糸にし、その糸で、ふんわりとした毛布(サスティブブランケット>>)を製造します。不要になった毛布を100%再利用する世界初のサスティナブル技術です。
省資源ですし、焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現への貢献にもつながります。
◇「エシカル消費」の普及
エシカル消費とは、自社や自分の損得だけを考えるのではなく、環境や社会や人などに配慮されて製造された商品を選んで購入する消費活動のことです。
SDGsの12番目のゴール、「つくる責任 つかう責任」の「つかう責任」の方に関連する消費側の取り組みです。
つまりこれからは今まで以上に、サスティナブル(環境・社会・人などに配慮したモノづくり)が、その商品の強みになるということです。
自社の商品の強みが「安さ」だと、もっと安い商品が出ると簡単にそちらにお客様を奪われますし、安さでは中国などの海外製品には勝てません。
まだ現在は日本の一般消費者の意識は高くはないですが、SDGsという言葉が小学生にも浸透した現状を見ると、エシカル消費は今後確実に増えて行くと思います。
企業や自治体も物品購入時にはエシカルを意識した購入が求められるようになるでしょう。
環境に配慮した商品を優先的に購入する「グリーン購入」というものが既にありますが、それの拡大版ですね。
エシカル消費は、企業や自治体の消費活動のなかで社会貢献ができます。また購入した商品を通して「われわれはサスティナブルな企業・自治体だ」と、消費者や取引先や市民にアピールすることが出来ます。
世界最大級の宿泊予約サイトの調査によると、81%の旅行者が「サスティナブルを重要視する」と答えています。
そこで当社では、先述したリサイクル毛布を選んで購入される企業(ホテル事業者など)はサスティナブルを重視している企業であることを、実際に商品を使用するエンドユーザーにアピール出来るように、毛布のタグに工夫をしています。
◇地震・台風・感染症・システムトラブル
2020年、新型コロナが発生し、だれも想像していなかった世界が唐突にやって来ました。当社は大丈夫でしたが操業停止に追い込まれた企業も少なくないと思います。
また地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあります。当社も2018年の台風21号では倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。(関連ブログ:台風21号>>)
事業をしている以上、さまざまな脅威があり、避けては通れない場合もあります。
そこで当社では、地震・洪水・台風などの自然災害をはじめ、システムトラブル・感染症の流行・停電・火災といった潜在的な脅威に備えて、効率的かつ効果的な対策で事業を継続させ、被害にあった場合でも早期復旧を図ることが出来るシステムを構築し、2021年に国際規格「ISO22301」事業継続マネジメントシステムの認証を取得いたしました(くわしく見る>>)。(関連ブログ:事業継続マネジメントシステムを構築する>>)
◇大変だけど、進む方向は明確な現代の経営
良い商品をコツコツ作っていればそれで良かった時代から比べると、企業に求められることや取り組まなければならないことが膨大で、大変な時代になってしまったなぁと溜息が出る日も正直あります。
しかし良い点もあります。それは、紆余曲折はあるでしょうがSDGsにしてもカーボンニュートラルにしても世界各国で合意した上での取り組みですから、社会がどちらの方向に進んでいくのか明確なことです。
大企業は今、自社だけではなくサプライチェーン全体で社会的責任を果たすことを株主や社会から求められています。
ですから中小零細企業であってもSDGsやカーボンニュートラルに取り組まなければ、大企業や銀行やお得意先から選ばれなくなり、生き残れない時代がやって来ているということです。
◇ごあいさつ
今年の1月6日で創業70周年を迎えます。
これも皆々様の多大なるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
これを機に社員一同決意を新たに、一層の努力をして皆様のご愛顧にお応えしていく所存です。私自身もまだまだ先頭に立って日々最善を尽くして参ります。
今後とも、なにとぞご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
<お知らせ>
【4年連続】東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2024年度版に掲載されました。
4年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。